本読み隊
本の感想・紹介です 。主にコバルト文庫・角川ビーインズ・ビーズログ文庫・一迅社アイリスなどの少女趣味ライトノベル、ハーレクインなどの海外ロマンスなど、3500冊。★スマホからご覧になる方は「海外ロマンス読了一覧」など一部の記事のスクロールが長くなるの場合、”PC”ボタンでPCに切り替えて見ることをオススメです★
大富豪と手折られた花 ベレア家の愛の呪縛 Ⅱ ペニー ジョーダン
2017年05月05日 (金) 22:34 | 編集

大富豪と手折られた花 ベレア家の愛の呪縛 Ⅱ (ハーレクイン・ロマンス)2017/1/27
ペニー ジョーダン (著), Penny Jordan (原著)

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大富豪と手折られた花 
ベレア家の愛の呪縛 Ⅱ 

ペニー ジョーダン

ルシーラは仕事が欲しくて必死だった。でも、家族に認めてもらう方法がほかにないからといって、男性のスイートルームに来たのはまずかったかもしれない。案の定、寝室のドアが閉まると、ルシーラはパニックに陥った。現れたニックは、直談判したい社長とは別の実業家だった。そして、今夜は彼女に目をつけていたと言い、男と二人きりになる意味は知っているな、と確認した。ルシーラは完全におびえ、大事な告白もできなかった。本当は修道女と同じくらい、男性を知らないのだと…。
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A Different Dream
copyright 1988

”ベレア家の愛の呪縛”は芸能界でスターだった両親の間に生まれた複雑な生い立ちの娘や息子の物語のシリーズ。
巻頭にはベレア家の家系図があるので、他の巻から読み始めても理解しやすい。
大女優の母や義父に認められるために、女優になりたいと思ってきたルシーラだが、正直母のような才能はない。それでも、事実を受け止めきれず、もがき苦しむというロマ。
甘い要素はナシ。攻撃的な口調の裏に痛々しいまでの葛藤や乗り越えなくてはならない複雑な生い立ちがあったりするシリアスなお話。
ペニージョーダンの油ののったいい時代の作品です。

あらすじ
ルシーラは有名女優だった母のDNAを受け継ぎ、美しく生まれた。演劇学校時代、ルシーラは女優になるなんてたやすいと信じきっていた。だが、すでに28歳。
タビサ役が欲しい……。私にはどうしてもヒロイン役が必要なのだ。
ルシーラは、連続ドラマを企画したジョン・カッサヴァーに近づき、彼の部屋の鍵を手にいれることに成功した。
自分が世間でどう言われているかは知っていたけれど、ルシーラは気にしていなかった。
上をめざすためになんでもする女優は、私だけではない。
手に入れたいもののために、女であることを使っているだけだ。女優としての才能に気づかないのは私ではなく、相手の過ちなのだから。
暗い寝室の明かりが入れられ、予期せぬ明るさに目がくらむ。

「”僕の部屋へおいで、と蜘蛛が蠅に言いました”……」

あざけるようにマザーグースの一節を口ずさむ声が聞こえたあと、舞踏室で見つめていた男性がいるのに気づいて、ルシーラの心臓は早鐘を打った。


冒頭の経緯。ジョン夫妻を守るために、義弟ニックはルシーラをあざけり、女優には向いていないと指摘した。怒り心頭のルシーラに追い討ちをかけるように、エージェント会社ごと乗っ取りをかけ、彼女にエージェント転向するように誘いをかける。いままで必死に信じてきたものを否定されたルシーラだが、その言葉は的を射ているだけに…

両親に振り向いて欲しいがために、必死だった子供時代。そのための父違いの兄弟のねたみや、平凡だが幸せな姉へのやっかみ。様々な自分の内面と向きあいながら、ヒーローと信頼関係を築いていく姿が良いロマです。誤解されがちなヒロインなのだが、トラウマの閉所恐怖症のあたりで、ちょっと涙でた。
良いロマだった。

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情熱と裏切り ペニー ジョーダン
2016年11月30日 (水) 17:05 | 編集

情熱と裏切り (MIRA文庫)
2016/6/11
ペニー ジョーダン (著), 佐野 晶 (翻訳)

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情熱と裏切り

ペニー ジョーダン

最愛の母を亡くしたコニーは、冷淡で意地悪な伯母夫婦に引き取られた。父や姉たちには会わせてもらえず、まさに灰色のみじめな日々。愛を渇望するあまり、コニーはある日、町の青年と駆け落ちをはかる。遠くアメリカに行けばきっと世界は開けるわ…すがるような期待を胸に、どうにかしてタイタニック号の三等切符を手にしたが、待っていたのは恋人の手ひどい裏切りだった。心身ともにぼろぼろに打ちのめされたコニーの前に、影のある見目麗しい青年ハリーが現れ―。ロマンス界の巨匠が紡ぐ、時代に翻弄された少女の愛と運命。
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copyright 2004
Connie's courage

2011年に惜しまれつつこの世を去ったハーレクインの立役者ペニージョーダンの希少なヒストリカルロマンス。『この愛を諦め』のスピンオフ。アニー・グローブス(Annie groves)名義での近代を舞台にした作品です。
1912年英国の世界大戦の激動の時代の中で、ヒロインは運命に翻弄されながら強くしなやかに成長していきます。
前の巻以上にヒロインの成長に焦点を当てているのでヒーローとの接点があまりに少なく、ロマンスというには物足りない部分があるのだが、世界大戦や世知辛い世の中に翻弄されるヒロインの苦渋の人生は読み応えありです。
妬みやそねみをヒロインにも容赦無く盛り込む作者なので、恋に夢見た若さゆえの身勝手さや、その末路は波乱万丈です。だからこそ作者渾身の、めったにお目にかかれない記憶に残るストーリーではあります。
単品でも楽しめると言いたいところですが、前の巻で家族がバラバラになった経緯や、父親の再婚、姉との誤解が説明されているので、前の巻を読んでからのほうが楽しめると思われます。
流産や暴行など、バイオレンスな描写があります。苦手な方はご注意。

あらすじ
キーロンの伯父の名前を聞いて、コニーはたじろいだ。ビル・コノリーはどことなく邪悪で恐ろしいところがあった。でも、アメリカへ行けばあの男とも縁も切れる。

「キーロン、ばかなこと言わないで。あたしを愛しているのに!」

タイタニックに乗れば、何もかもよくなるわ!
コニーはキーロンと駆け落ちしたが、まっていたのは極貧の生活だった。コニーはキーロンの伯父ビルを恐れ、アメリカに行けば、二人の愛ですべてがうまくいくと一縷の望みをかけていた。
だが、キーロンはコニーの持ち物すべてを売り払った金を使い込み、人を殺したあげくタイタニック号のチケットは自分のぶんだけを手に入れ、コニーを置き去りにした。
コニーはその後、妊娠したことを自覚し、打ちひしがれた。未婚で子供を産んだ女性に対して同情する者はひとりもいない。
寒さに震えながら、コニーは毛布を巻きつけた。絶望と恐怖の涙がこみあげてくる。この部屋の家賃が払ってあるのは今週の終わりまでだ。そのあとはどうすればいいのか?


冒頭の経緯。ハリーは有名学校に就職したものの、彼の薄給では父を亡くした一家を支えることは困難だった。母と妹はうらぶれたアパートに住もうと考えたが、目の前で痩せほそった女性が暴力を振るわれた姿を目の当たりにし、顔をしかめた。結局、母は叔母の屋敷に住み込み、妹は看護師を目指すことになり、ハリーは母と妹の苦労を憂いた。
コニーは、産婆のマに助けられ、救貧院の病院で看護師を目指すことになった。救貧院という場所に抵抗を感じていたコニーだが、他に居場所はなく…

思春期的な反抗心を乗り越えコニーは立派な看護師に成長します。その後、ハリーと再会したものの、彼は他の女性と結婚、さらに第一次世界大戦や、スペイン風邪の流行による産婦人科での地獄絵図、生まれてくる子へのわだかまりに、ハリー行方や子供問題…。
機関銃の声真似をする戦争での後遺症に悩まされるデイヴィーの存在は、悲しくてとても大きかった。
次々に起こる怒涛の展開にラスト数ページまで終わる気がしなかったが、なんとかまとまってほっとした。
読み終わると、息をつめていたと気づく。
渾身の作品だと感じたが、やっぱり重かった。
ふぅ。

ペニージョーダン作品はこれでコンプリかしら?
これ以上ないほど情熱的なのに鬱々としているロマンス作家だった。
読み終わっちゃうのさみしい。

https://ja.wikipedia.org/wiki/第一次世界大戦の犠牲者

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この愛を諦め ペニー ジョーダン
2016年03月29日 (火) 22:44 | 編集

この愛を諦め (MIRA文庫)
2015/11/11
ペニー ジョーダン (著),

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この愛を諦め

ペニー ジョーダン

美しい少女エリーは小さな町で生まれ育ち、やがて町の青年ギデオンと恋に落ちた。だが幸せな日々は、母の突然の死で一変する。名家出身の母は駆け落ち同然に結婚したことを悔やみ、娘には自分と同じ道をたどらせるまいとしていた。そこで死に際、しがない青年と恋に落ちた娘に約束させたのだ―二度とギデオンには会うなと。愛する母の遺言にそむくこともできず、エリーは事情を告げられぬまま、涙ながらに彼に別れを告げた。そして家族とも引き離され、裕福な伯母のもとへあずけられる。待ち受けていたのは壮絶な日々だった。
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copyright 2003
Ellie Pride

ペニー・ジョーダンのアニー・グローブス(Annie groves)名義での近代ヒストリカルロマンスです。
作風は長編のペニー作品に見られるように暗く陰鬱。
時代背景は、1902年。歴然とした階級意識と貧しい人々の格差を背景に、新しい世紀での希望と絶望に満ちた激動の時代。女性参政権運動やストライキの余波に苦しむ時代で、身勝手な大人に翻弄されながらも、幼い恋を捨てたエリーが自分の足で立ち上がるまでを描く、渾身の一作。
冒頭の執筆中に亡くなった夫へ捧げる献辞が与える読者への影響は大きい。
読めば読むほど、薄幸になるヒロインに幸せが訪れるまで鬱々としながらもページをめくる手が止まらない。
緻密で丁寧ではるが、根本的なストーリー構成は他のペニーのハーレ作品でもよく見られる離別と再開のロマンス。だが、ハーレクインらしいエンターテイメント性を求めると大きく方向性が違うのでご注意。
(差別と暴力描写あり)

あらすじ
若者がだしぬけに止まり、エリーのいる窓を見上げた。
彼の目は珍しい色だった。
 シ ル バ ー・グ レ ー
銀色がかった明るい灰色だ。
それに、彼にはどこか……。エリーはふいに小さく体を震わせ、急いで目をそらした。あんなにあからさまに、大胆な目でわたしを見るなんて無作法だ。いったいどういうつもり?


p18抜粋。エリーは肉屋のロバートの長女として生まれ、妹コリーと弟ジャックの面倒をみながら幸せに暮らしていた。母リディはロバートと駆け落ちして愛のために結婚したものの、親族の裕福で社会的地位に恵まれた境遇を羨み、娘達の行く末を思うと苦い後悔が入り交じる。
そんな母が妊娠し、出産で亡くなった。エリーは家具職人として駆け出しのギデオンと知り合い、愛を温め始めたばかりであっただけに、母が出産で亡くなる覚悟を決めており、周到に親族に手回ししてギデオンとの仲を裂こうと考えていたことなど知るよしもなく、エリーは母の壮絶な遺言に縛られ、罪悪感とともにギデオンに別れを告げることに。
エリーに裏切られた苦い思いに苦しむギデオンは、彼を探すメアリという女性から仕事をまわされ、エリーを見返すために未来を模索しはじめる。
一方で、母の死で一家離散することになったエリーは、叔母の夫に好色な目で見られ、恐れているにもかかわらず、実の妹コニーは厳格な牧師の叔母夫妻の仕打ちに苦しみ、姉の境遇を羨み…

登場人物の妬み嫉みにさらされながらも、健気に生きるエリーは、諦めの中で最善をつくそうとするものの、どれも裏目に出て落ちぶれていくのです。
作品に出てくる男性は、女性に対して偏見が多く、差別的。そんな中で、善意であり薄幸だったエリーの夫ヘンリーも、ただ自信のないだけの男かと思いきや、罪作りな人で、なんと言っていいのやら…(´・ω・`)
ヒーロー・ギデオンの残念度は半端ないので注意しておく。自力で夢を叶えるチャンスが巡ってきたのに、そんなふうにエリーと立場を逆転させるなんて、ペニー神はかなり意地悪。
そして、ロマンスも、ヒーローの後悔や葛藤に関するページが少ないだけに物足りなく感じる部分もあり。
誰との絡みかは伏せておきますが、日本人女性が登場します。薄幸でエリーの重荷にしかならなかったけれど、作者の日本好きがちょっぴり嬉しくこそばゆかった。
読後もしばらく鬱々と引きずって、感想が長くなってしまったが、総合すると社会派の良作でした。

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愛を請う予感 ペニー ジョーダン
2013年06月10日 (月) 13:47 | 編集
愛を請う予感 (ハーレクイン・ロマンス)
(2009/07)
ペニー ジョーダン

愛を請う予感 (ハーレクイン・ロマンス)

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愛を請う予感

ペニー ジョーダン

インテリアデザイナーのキーラはインドを訪れ、友人の結婚式に列席した。式が滞りなく終わり、中庭で催される披露宴が始まる前のことだった。「失礼」と声をかけられ、庭に出る道をふさいでいたのに気がついた。建物と庭園の織りなす神秘的な光景に、呆然と立ち尽くしていたせいだ。振り向くと、長身の男性が立っていた。これほどセクシーで、しかも危険な雰囲気を持つ男性は初めてだった。言葉を交わすうち、抗いがたい力で彼に引きつけられていくのを感じ、気がつくと彼の腕のなかにいて、キスを交わしていた。なんということをしてしまったの。彼と二度と会わずにすみますように。しかしキーラの願いは叶わず…。
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copyright 2008
Virgin for the billionaire's taking

ハーレクイン・ロマンス2400号記念作品。
巻頭に作者からのメッセージあり。二条城のうぐいすばりの床を見学した時の思い出を語り、”イギリスではナイチンゲール・フロアと言い、これを備えたオックスバラホールという建物もありますが、日本の建築家たちの技能の高さを認識しました”と、日本と距離が離れていても、私たちを結びつける、力強いものの存在と、共有するロマンス小説への愛を語っている。
ちなみに、この号の背表紙の内には”デビマ新聞”という、デビーマッコーマーの紹介がある。(横にそれるナ)

インドを舞台にしたかなりセクシーな鬼ロマ。
一目惚れした二人だが、彼女に反応する自分が許せず 彼は彼女を娼婦のように蔑み、娼婦の娘である過去から 母のようになりたくないと考えるキーラは、彼との関係に悲観的。
暗い過去を必至に克服しようと、男性に気をゆるすことのなかった彼女が、愛してしまったのは、マハラジャの弟。身分差を感じ、仕事の終わりとともに去ろうとする彼女に投げつける彼の言葉が最後まで憎いお話。
なのに、頭を打って、すっきり爽快で謝りに来た彼に、バカん〜〜と、転がる。

あらすじ
「失礼」庭に出る道をふさいでいるのも気づかず、友人の結婚式で大勢の客が集まる中庭を眺めていた。呼びかけた男性の声は低く、尊大だった。まるでベルベットで肌を撫でられるようにぞくっとし、全身に衝撃が走った。
彼が自分に危険を及ぼす存在だと知りながら、キーラは目を大きく見開いたまま、その場から動けなかった。

なぜここに立ち尽くし、あつかましいまでに興味津々の眼差しを受け止めているのだろう。ジェイは34歳。インドのララプールのマハラジャの次男だが、愛人に翻弄された父とそりが合わず、独力で経済的地位を築いた。
母を死に追いやった愛人と同じような、あばずれ女が許せない。
欲望を満足させてほしいという女の顔だ。彼女が欲しくてたまらない。

いつのまにかキーラは彼の腕の中にいた。濃厚なキスで文明世界の装飾を引きはがした。圧倒された激しい渇望感について考えることもできない。

「ごめんなさい。私、こういうことはしないの。してはいけなかったの」

娼婦の母の娘であり、母のようになるなと厳しい叔母に育てられ、27歳で未だにバージンの彼女。今までどんな男性にも感じたことのなかったのに、これは母と同じ道を歩みはじめる兆候だろうか?
吐き気をものおすような恐怖と絶望感に襲われ、身を震わせた…

インテリアデザイナーのキーラ。地域開発の上流者向けの住宅事業の内装。経済的に逼迫していなければ、断りたかった。結婚式に来た友人のヴィクラムに抱き上げられ、内装の代金を支払ってもらったキーラ。
しかし、ジェイは親密なじゃれ合いを見ていた彼は誤解した…

「すでにもらったもののために金を払おうと言ったんだ。さあ…」

ドレスの胸元に金を押しつけた。私は売り物じゃない…
なのに、契約先の相手は彼だった。獲物を狙うピューマのような彼。お遊びで気を引こうとする嘘つきだと彼女を罵りながら、契約をすると言う彼の言葉を、断ることはできなかった…


という前半の布石。デザイナーとしての彼女の仕事に一目おくようになったジェイ。そでも、彼女が話す男性全てに、こびを売る女だと罵り、自らの嫉妬をみとめようとしない彼。
制御できない自分の欲望と戦い、彼女の罠だと考える。
ジェイに惹かれる気持ちを素直にうけとめたキーラは、母とは違うということを悟りはじめる…

というわけで、ラストは彼との愛人関係。仕事の終わりと破局。
露天先の小僧から、生地工場の男性にまで、嫉妬剥き出しのジェイは観察する分には楽しい男。ヌォォ面倒い。
頭を打って、寂しくて凹んだのなら、そこんとこ詳しく!とか、ちょっと思ったが、二人の駆け引きがメインなので、仕方ない。
鬱々と悩む切ない乙女心がペニー ジョーダンらしくて良かった。
ラストまで、憎らしい男ヨ。

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狂おしき再会  ペニー ジョーダン
2013年06月03日 (月) 21:23 | 編集
狂おしき再会 (ハーレクイン・ロマンス)
(2010/05)
ペニー ジョーダン

狂おしき再会 (ハーレクイン・ロマンス)

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狂おしき再会  

ペニー ジョーダン

ビッキーは双子と亡き夫の連れ子を抱え、一人で小さな宿を経営している。ある日、知人から、やり手の実業家ジェイを宿に滞在させてほしいと頼まれた。喜んで受け入れたビッキーだったが、彼をひと目見るなり早くも後悔し始めた。強く惹かれて、落ち着かないのだ。私はいったいどうしてしまったの?初めて会った人なのに。動揺するビッキーをよそに、ジェイは一家の一員としてすぐになじみ、ついには彼女にプロポーズしてきた。戸惑いながらもジェイとの将来を描き始めたビッキーは、彼の正体を見破った親友のひと言で、いっきに地獄へと突き落とされた。(R2496)
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copyright 1985
The hard man

ペニー ジョーダンの初期作品。
牧師館で宿を営むビッキーの所で下宿をすることになった、実業家のジェイ。強烈に惹かれ合う二人は、彼女の子供達を気遣いながらも、寒いクリスマスの時期に、温かな関係を築いていく。
しかし、そんな二人には、過去があった…
再会したことに気づかずに惹かれ合う二人。
継母を気遣う少年チャールズのいじましさが、不憫で、身を寄せ合い細々と頑張る健気で可憐な彼女に惹かれる彼の気持ちも理解できる。前半は温か。
表紙裏に書かれた、友人が彼の正体を話し、彼女が拒絶に入るのは、かなり後半。正体がばれた後の彼女の拒絶は、彼への憎しみよりは、自分への怯えに近く、そのことを素直に告白できるまで。


あらすじ
ジェイ・ブレンドフォードは、会社を買収し二週間ほど地元で仕事ができる場所を探していた。弁護士のフィリップは、名づけ子の経営する下宿先を紹介する。
イギリスは日が暮れるのが早い。薄暗い道路から子供が飛び出してきた。危うい所、その子を家まで送るために車に乗せると、少年は彼の行き先を聞いて、必至に泊まって欲しいと彼に告白した…

「ママにはお金が必要なんだ。冬はお客が少なくて大変なんだ。」

ビッキーは、18の時、パーティーで酔った勢いで男性と関係を持ってしまったために妊娠し、苦しむ彼女を救ってくれたチャールズの父ヘンリーと結婚した。ヘンリーは病気で、身寄りのないチャールズを託せる人を探していたから承諾した結婚だった。しかし、ヘンリーは投資に失敗し、牧師館をチャールズに残せるか苦しいところだった。
双子は、父を知らずに育ち、今父を必要とする時期にきている…

ビッキーのハスキーな声を聞きながら、自分でも意外なほどくつろいだ、いい気分になっていた。居心地のいい家庭という幻に惑われているだけだ…彼は自責した。
しかし、お互いを意識せずにはいられない二人の不思議な磁力に、ジェイもまた気づいていた…

雪が深くなり、学校に通うのも一苦労な状態で、彼に甘えることになるビッキー。プライドが邪魔をしてぞんざいな態度になってしまっても、彼に惹かれていく彼女。
子供達も、彼を受け入れはじめていく…

「僕が今君に抱いている感情は、愛というひどく疑わしい感情に限りなく近い気がする」


後半、買い物先で足止めをくらい、町の彼が買い付けた家で一夜を過ごし結ばれた二人。
子供達に婚約したことを明かし、祝福され温かな未来を夢見るが、友人宅を訪問した際に、彼を知る友人からその夜二人とも、惹かれ合っていたわねと、驚愕の事実を知らされる。
振られた腹いせに、レイプまがいに彼女を抱いたことを謝罪されても、彼を許せなかった…

彼が相手だった事実に向き合うことに時間がかかるほど、落ち込むビッキーの苦悩は切ないが、結婚を承諾した後の展開は、頑なで意固地。
もう少し、ラストのすったもんだをお互いに分析して欲しいと思う所だが、ラストは急ぎ足だった。
初期作品の初々しさと、勢いがあり、牧師館へのこだわりや、地元への愛着など、ペニーのその後の作品の下地を感じるが、人物の細かな心理描写のしつこさはまだ薄い。構成的に、損な部分もありだと感じる。
もちろん、悪くない作品ですヨ。

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至上の愛 ペニー ジョーダン
2013年05月20日 (月) 11:37 | 編集
至上の愛 (ハーレクイン・ロマンス)
(2013/02/15)
ペニー ジョーダン

至上の愛 (ハーレクイン・ロマンス)


至上の愛 

ペニー ジョーダン

ケイトは最初、自分の耳を疑った。村にある発電所に新しい所長がやってくる。所長の名はジェイク・ハーヴィー。2年前、ケイトが別れた夫だった。いいえ、離婚手続きを終えていない以上、彼はまだ私の夫。ロンドンの家を飛び出してのち、ケイトはヨークシャーのこの地で友人とクラフトショップを経営し、自立の道を歩み始めていた。新しい所長を歓迎するディナーパーティーのホテテス役を頼まれ、気楽に引き受けたものの、まさか相手がジェイクだとは思わなかった。しかも彼はケイトの名を聞き、彼女が誰か知ったうえで出席するという。今さら何のつもり?ケイトは夫との再会に一歩も引く気はなかった。1984年に書かれたP・ジョーダン最後の未邦訳作品。R2827
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copyright 1984
The inward storm

最後の未邦訳作品。”新刊としてお届けできる最後の作品”
米ソの冷戦時代を背景に書かれた作品。核兵器開発をしていたジェイクに対して反核運動で反発したケイト。2年後彼は、村にある原子力発電所の所長になって、彼女の前に現れた…。
原子力発電への理解と妥協。身近な暴力と世界の核による力関係。重いテーマの裏にあるものは、9歳年上の彼に対しての幼い反発心と妥協をしらない若かった二人の成長と再会と理解のロマンス。
ペニー ジョーダンの初期の作品で、重いテーマに取り組んだ意欲的な勢いを感じさせ、自分の主義主張との折り合いと反発する気持ちの裏に隠された心にヒロインが気がつき素直になるまでの心理描写の過程は細やか。
ただ、ヒロインの考えに賛同できるかというと、若さと幼さを感じ、テーマがテーマなだけに底の浅さもあります。
とはいえ、最後の作品としてグッとくるものがありました

あらすじ
ヨークシャーのウーラートンに移り住んだのは最良の選択だったとつくづく思う。避難場所を求め買った空き店舗で手編みの製品を販売するようになったケイトは、近隣の村の女性に編み手を頼み、注文も増えてきた。
あれから2年。苦い挫折感を払拭するには至っていない…
両親を亡くし、奔放な名づけ親ライラに振り回されながらも、楽しんでいたと思う。ジェイクに会うまでは…
義兄となったジェイクに惹かれた…
21歳で結婚したが、殺傷力のある巡航ミサイルの研究に携わる彼の仕事に反発した。
夫と違う意見を持ってはいけないの?
夫の欲望を満たす人形にすぎないの?
亀裂は深まり、広くなり、平和運動に関わるようになったケイトに彼はいきり立った。
子供を欲しくないと言ったのはケイトだった…
敵意の末に彼は冷たい目で妻を見つめた。

”いつか分別がつく大人になったら会いにくればいい”

離婚をいつまでも引き延ばされた状態。周囲には夫のいることを黙っているケイト。
原子力プラントの拡張に反対する嘆願運動、核の廃絶運動に力を入れるケイトを友人メグは心配する。ケイトに興味を示す医師ケヴィンは彼女に新任の原子力発電所の所長をもてなすパーティーを開くために料理とホステス役をして欲しいと頼む。
しかし、噂の”ゴ−ジャス”な新任所長は、夫だった…
ケヴィン宅で着替える前のバスローブ姿でケヴィンの蝶ネクタイを直す姿を、早々に到着したリタとジェイクに見られてしまった…
リタは、ジェイクを狙いケイトを蹴落とすために批判する。
原子力反対の立場として、熱く議論を初めてしまったが、ジェイクの蔑む視線に耐えられなかった…

ケヴィンと行くはずだった山歩きに、一人でも行けると気晴らしに出かけたケイトだが、霧が濃くなり山小屋に避難した。しかし、小屋にいる先客はジェイク…
主義主張の違う彼を前に、過去をつきつけられる…

「結婚が破綻して二年経つのに、なぜあなたは離婚に応じようとしないの?弁護士は  

「なぜだと思う?」


寸止めで悶絶しながら、過去の自分の彼への仕打ちに対峙する彼女の図。相手に向けた刃が現実の痛みを伴って自分に跳ね返ってくる。
発電所の安全に対しての不安の極秘情報を漏らした疑いを彼に持たれてしまった彼女。村の噂になった二人醜聞は、新聞沙汰に。
プライドと意地を張る二人の関係のいきつく先は…

名付け親ライラの告白と、アメリカの友人の言葉に彼女の中で新しい視点ができるラストの展開。どちらかと言えば、ストリーの展開は地味。
84年という時代。村社会の世間体を気にする割には思い切り反核派で、彼女の行動に矛盾を感じなくもないが、イギリス社会らしい世間体の狭さとプライドの高さの間で、自立と発言の自由を求めてもがく女性像を感じさせるロマンスだった。

そして、ペニー ジョーダンの彼らしく、一途。嬉。

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