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本の感想・紹介です 。主にコバルト文庫・角川ビーインズ・ビーズログ文庫・一迅社アイリスなどの少女趣味ライトノベル、ハーレクインなどの海外ロマンスなど、3500冊。★スマホからご覧になる方は「海外ロマンス読了一覧」など一部の記事のスクロールが長くなるの場合、”PC”ボタンでPCに切り替えて見ることをオススメです★
傲慢な花 ノーラ・ロバーツ
2019年08月24日 (土) 17:37 | 編集
傲慢な花 (MIRA文庫)

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傲慢な花

ノーラ・ロバーツ

デザレイ―それは姉の秘密の名前。奪われた息子を取り戻す裁判費用のためとはいえ、生真面目な姉がテレフォン・セックスのオペレーターをするとは。心配を拭いきれないグレイスに、姉は素性が客に知れることは決してないと請け合った。だが同じ夜、その高慢な男はコンピューターに映った住所を見つめながら確信した。電話ごしに愛を誓ったデザレイを、この手でじかに抱く日は近い…。『聖なる罪』の名脇役刑事エドが、再び狂気の連続殺人に挑む。
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copyright 1988
Brazen Virtue

「聖なる罪」の続編にあたります。
前作で活躍した刑事ベン・パリスの相棒エド・ジャクソンがヒーローです。
ヒーローは刑事という職業ながらも、ノーラ作品に頻繁に登場する我が家を手作りしていく男です。
前作を読んでいなくても、ノーラロバーツを読み慣れた人ならすんなり入り込めると思いますが、お初の人がこれだけを読むと、サスペンスを期待したぶん、間延びした感があるのでご注意を。

あらすじ
ベストセラー作家のグレイスは、離婚して新生活を営みはじめた姉キャスリーンのところにしばらく滞在するつもりだ。グレイスは、時間を守らず几帳面とは程遠い。キャスリーンは逆に生真面目でルールに厳しい。
姉妹はお互いの気持ちをほとんど理解してこなかったが、何かしらの共通点を見出したい。その姉が子供を取り戻す費用を稼ぐためにアルバイトをしているというのだ。
電話会社からかかってきた男へ連絡し、テレフォン・セックスをしているというのだ。
あの姉がついに普通とは違うことをしている。グレイスはわくわくしながら見守るつもりだ。
隣人の男性エドも魅力的で興味深い。
エドとディナーをして、彼を家に誘った…

疑問形のように尻あがりに姉の名を呼ぶグレイスの声がした。何度も何度も名前を呼んでいる。
エドがキャスリーンから引き離そうとすると、グレイスはすさまじい力で抗った。
「放して。お願いだから、手を放して。私の姉なのよ」


冒頭の経緯。姉が何ものかに殺された。エドは警察官として距離をおこうとするが、グレイスはそれが我慢がならない。
グレイスは姉の葬儀で両親を相手に複雑な気持ちで揺らぎ、姉の離婚相手に反感を抱き彼が犯人だったらと思うが、捜査は行き詰まりを見せ…

設定は古いです。ダイアル9ツーって覚えてます?っていう時代。犯人の手口も動機もわかりやすいので、サスペンスとしてはイマイチです。
ヒロインの奔放ながらも物事をきっちり考える自己分析型の気持ちに寄り添えるならいいかも。
ヒロインが自らおとりとして動きだしてからは、面白くなるのかとおもいきや、畳み方も荒い。ノーラがサスペンスを書き始めた頃の作品だからここから洗練されていくのだと思えば楽しいかも。

昔ほど、ノーラ作品が面白く感じないんだよねぇ(悲)

ノーラ ロバーツ 読了一覧

ロマンス 読了一覧
裏切りのダイヤモンド 上・下 ノーラ・ロバーツ
2016年02月01日 (月) 23:19 | 編集


裏切りのダイヤモンド 上 (扶桑社ロマンス)
裏切りのダイヤモンド 下 (扶桑社ロマンス)
2015/11/1
ノーラ・ロバーツ (著)

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裏切りのダイヤモンド 上 

ノーラ・ロバーツ

ひと目惚れ同然で結婚した夫・リチャードが突然、ボート事故に遭い、死亡と認定される。シェルビーに残されたのは、三歳の愛娘と三百万ドルの借金、リチャードの裏切りの数々だった。失意のなか、娘のためにも逆境を乗り越えようと、シェルビーは故郷のランデヴー・リッジに戻ることを決意。家族の温かい愛情に迎えられ、シェルビーは新生活をスタートさせる。が、そんな折、リチャードが被害額三千万ドル相当の宝石強盗の犯人でもあり、別の名前で既に結婚していたことが発覚する…
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copyright 2015
The Liar

夫の死によって、夫の嘘がつきつぎと判明。
そんな中で、娘のためにシェルビーは帰郷を決意。
家族や親友の言葉を聞かず、盲目的に駆け落ちした結婚なだけに、その苦い結末を抱えての帰郷は、やはり苦悩の連続。
それでも、家族に癒され、友人に赦しを乞い、全てを話すのはなかなか大変…
というわけで、かなり裏のある夫の存在にも関わらず、物語全体を見ると、サスペンスは添え物的な要素。ロマのほうも、ノーラファンなら定番の率直で愛すべきリフォーム大工ダーリン。
一昔前のノーラのサスペンスロマンスのようなハラハラドキドキを求めると、かなり微妙です。
ロマンスとしても、サスペンスとしても、かなり物足りない。
ヒロインの自己再生の物語なのだと割りきって、彼女を取り巻く人々との愛と笑いと、癇癪を楽しむものだということで読めば、満足。

あらすじ
結婚して四年、ボート事故で行方不明となった夫リチャードは死亡と認定された。
しかし、夫の死によってシェイルビーは数々の事実を知らされる。
贅沢に暮らしてきた今までの生活はすべてローンだった。
300万ドルの借金を知らされ、ぐずる三歳児をなだめながらシェルビーは懸命に返済計画を立てはじめる。(定番!やることリスト作り)
遺品の衣類を整理していると貸し金庫の鍵が…
貸し金庫には、25万ドルの札束と複数のパスポート、32口径のセミーオートマチック。
このうちのどれが本物なのだろうか?
そもそも本物だったものなんてあるの?
ある夜、業者を装って入ってきた男は、探偵を名のり、盗まれた現金と宝石についてシェルビーに追求をはじめた。

「あなたは4年間もあの男と暮らしていたのに、一度もマザーソンという名を耳にしたことがないと、わたしに信じろというんですか? まったく何も知らないと?」

怒りが膨れ上がって不安をのみこんだ。もううんざり。本当にうんざりだわ。突発的な火事のごとく癇癪が爆発した。


冒頭の経緯。暴力こそなかったものの、無能呼ばわりによって全ての自信を失ってしまったシェルビーは、夫反応を恐れ、家族や親友に背を向けていた。
それだけに、帰郷した矢先に兄や友人に責められることに。
それでも謝罪し、友人達や家族の関係修復に務める。
友人エマの恋人マシューは建設業を営んでいるが、その共同経営者のグリフィン・ロット(グリフ)は、シェルビーに一目惚れし…

一章はまるまる夫の裏切りで奔走。
苦い想い以上に、愛あふれる家族との再開はシェルビーや娘にとって癒やしなのです。自分の間違いに向き合うのは、とても勇気のあること。そんなシェルビーの姿が素敵です。
グリフってば、ホンワカと順調すぎるッ。




裏切りのダイヤモンド 下 (扶桑社ロマンス)
2015/11/1
ノーラ・ロバーツ (著)


裏切りのダイヤモンド

故郷のテネシー州ランデヴー・リッジで家族の支えのもと、新生活を始めたシェルビー。夫リチャードにまつわる新事実が次々と明るみになる中、彼女に恋心を寄せるグリフとの関係も進み、ようやくシェルビーは立ち直ろうとしていた。が、ある日、彼女のコンピューターが何者かにハッキングされていたことが判明する。さらにはリチャードの犯罪仲間の影もちらつき、シェルビーは新たな恐怖に直面することに…。裏切りを乗り越え、事件に立ち向かい、幸せを掴もうとするヒロインの再生の物語!
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copyright 2015
The Liar

友人の勧めで、金曜は歌を歌い、平日は祖母のスパで働くことでようやく暮らしの目処が立ったシェルビーだが、グリフとの交際の進展の早さに自分でもついていけずにいる。
そんなとき、グリフが彼女の代わりに傷つく事件が。
さらに別件で、グリフのノートパソコンが何者かにデータをハッキングされ、シェルビーのデータも盗まれた形跡が…

下巻になって、グリフが命を狙われ事故を起こすのだが、本筋に絡むのかと思いきやそうでもなく、シェルビーにライバル心を燃やしてきた元同級生の嫉妬に巻き込まれてのドタバタ。
その話は必要か?と、何度か突っ込みたくなるが、その辺りのヨモヤマ話な雰囲気が楽しいということにしておこう。
夫の過去を知る人物が現れ期待感が増すも、あっけない幕切れで手がかりが途絶え、ヨモヤマ感が最後まで止まらない。
最後に誰が登場するか予想できる辺り、サスペンスではないよな…的な。
再確認しよう。これは、ヒロインの再生の物語!
自分の愚かさを受け止め、前に進むために、一生懸命なヒロインを見守るお話!
面白かった! ……か?

ノーラ ロバーツ 読了一覧

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光と闇の魔法 オドワイヤー家トリロジー3 ノーラ・ロバーツ
2015年09月09日 (水) 14:37 | 編集

光と闇の魔法 (扶桑社ロマンス)
2015/7/2
ノーラ・ロバーツ (著)

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光と闇の魔法 
オドワイヤー家トリロジー 3

ノーラ・ロバーツ

オドワイヤー家の長女ブラナは、アイルランドの地もとで雑貨店をいとなみながら、強大な魔力を持つダーク・ウィッチとして黒の妖術師キャヴァンを倒すという重要な使命を担っていた。仲間の一人である乗馬クラブの経営者フィンとは相思相愛の仲でありながら、フィンがキャヴァンの末裔であることからその関係を深められないできた。しかし最終決戦に向け決意を新たにするなか、二人の関係にも変化が生じ…数百年に及ぶ光と闇の因縁の戦いに遂に決着のときが。愛と魔術の三部作ここに完結!
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copyright 2014
Blood magick

オドワイヤー家三部作完結巻です。
魔法使いの戦いは、過去に数作あり、仲間内のまったりした雰囲気で2巻まで来ただけに、あまり期待していなかったのだが、久しぶりに面白いと感じた。
敵である黒の妖術師キャヴァンの末裔であることでフィンとブラナは、様々な葛藤に苦しんでいただけに、フィンの秘密が明らかになるにつれ、引き込まれる。
フィンがブラナに向ける真っ直ぐな愛と、刻印故に決着後は離れなければならない切なさがキュン!!
ただ、ラストの対決までかなり引っ張るので、戦いのシーンや余韻がもう少し欲しかった。

あらすじ
1276年ブラナは、キャヴァンと対決するために旅立つことを夫に告げた。ソーカの三人の子供たちはそれぞれ子をもうけ、その子たちがまた子を持つのだろう。
夫や子供たちを伴い、妹一家と弟とともに帰郷した。
「われらの血にかけて」「われらは打ち勝つ」
■□■
2013年
「キャヴァンがほんの数日前ほどは弱っていなかったのはわかったよ。そして、あいつは何かがとり憑いていた。何か……別のものが」

「いったいそれはなんなの?」

ブラナを見るだけでフィンの心は痛んだ。こんなに近くにいながら、土星のように遠く感じる。だがブラナの顔を見て、彼女の声を聞き、いろんなにおいが漂うこの薬房で彼女の香りを  彼女だけの香りを  かぐほうが、ジンジャービスケットよりもはるかにエネルギーを与えてくれる。
ぼくはブラナへの愛を葬ろうとしてあらゆることを試した。彼女のほうが背を向けてぼくを捨てたのだと自分に言い聞かせて。様々な女性と体と重ね、胸にぽっかり開いた穴を埋めようとした。
また距離を置くためだけに、たびたび旅に出た。機知や気骨によって揺るぎない財も築いた。
だが、何をしようとブラナへの愛がほんの少しでも薄れることはなかった。
ブラナがこの家に来たのはたった一度。それでも、彼女がここにいる姿を思い描ける。当然だろう。認めるのはプライドが傷つくが、この家はブラナを思いながら、かつてふたりで語り合った夢をもとに建てたものなのだから。
暖炉で熾火がくすぶる暗い寝室で、フィンはブラナに思いを馳せた。
むき出しの肩にシルクのようになめらかな黒髪をたらし、ブラナがこちらを向いた。
ブラナが微笑んだ。

「あなたはわたしに恋焦がれているのね」

「ああ、昼も夜も」


冒頭の経緯。フィンは、彼を取り込もうとするキャヴァンに抗い、ブラナへの思慕に抗ってきた。ブラナも、まだ若く純真だったころにフィンとたった一度結ばれたあと、キャヴァンの刻印が肩に現れたことで、裏切られた思いと不信に揺れ、葛藤を重ねながら、今はフィンをキャヴァンとの決着をつけるための大切な仲間だと認めるまでに至った。
しかし、フィンの夢の中にブラナは引き込まれ、夢で抱き合ったことで、二人の関係は変化を始める…

勝手に夢に引き込まれて、ブラナはおかんむりです。それでも、自分の気持ちを認めはじめた二人は、逢瀬を重ねはじめます。キャヴァンとの対決のために、様々な準備を始めますが、その中で、キャヴァンの中にいる悪魔の名前を知るために、フィンは命がけで敵地に乗り込み…
ラスト巻なので、あとは秘密。
ストリーの展開は、再び力を増してきたキャヴァンとの小競り合い→検証が、ラストの対決まで数回あり、その合間に再び二人の愛が再燃しながら、過去のオドワイヤー姉弟と再会などが入るという単純な構図なので、読みやすくはあるが、ちょっとじれったい。
フィンの新たな秘密が明らかになった辺り、ストンとくるという隠し球は楽しい。
つれないブラナの態度に相当傷ついていたフィンがかなり不憫だっただけに、幸せになれて喜。

ノーラ ロバーツ 読了一覧

ロマンス 読了一覧
心惑わせる影 オドワイヤー家トリロジー2 ノーラ・ロバーツ
2015年07月11日 (土) 18:35 | 編集

心惑わせる影 (扶桑社ロマンス)
2015/3/26
ノーラ・ロバーツ (著)

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心惑わせる影 
オドワイヤー家トリロジー 2

ノーラ・ロバーツ

鷹狩り学校で働くオドワイヤー家の長男コナーは、森の中で悪の妖術師キャヴァンと遭遇し、襲われていた少年を助ける。その子どもこそ、コナーの先祖ソーカの息子エイモンが次元のはざまに落とされ現代に現れたものだった。一方、コナーの幼なじみミーラは、優しくてハンサムなコナーに対して淡い恋心を抱きながら、彼に心を動かされないよう自分を戒めてきた。しかしキャヴァンとの本格的な戦いが迫る中、ふたりは急速に男女の関係を意識するようになり…愛と魔術の三部作、待望の第二弾!
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copyright 2014
Shadow Apell

アイルランドを舞台とした、邪悪な魔法使いとの因縁の対決を描く三部作”オドワイヤー家トリロジー”
魔女の眠る森に続く2巻目。
一巻目は鬼気迫るものがあって面白かったのだが、この巻の展開はまったり。
最近のトリロジー的な仲間の雰囲気を楽しむ物語という感じなので、本の分厚さの割に、内容が薄く感じてちょっと残念。
ヒーローのコナーは率直ないい男で、ヒロインが愛を信じられず素直になれないという構図なのだが、もっとすったもんだして欲しいというのが正直な感想。
最近のノーラ作品は、アクションに対する検証作業が長くて、間延びしてつらい。
その和気あいあいとした雰囲気はそれはそれで楽しいのだがね…
ラスト巻は、敵であり滅ぼす対象であるギャヴァンの血を引くフィンと、ブラナのこじれちゃった恋愛なので楽しみにしておこう。

あらすじ (簡単に解説) 
1268年 ソーカの息子エイモンは、姉ブラナと妹ティーガンとともに、伯母エイリッシュの家庭で5年を間過ごした。僕が家長なんだ。姉と妹を守るのは僕だ。いずれ時が来たら、あの剣で戦う。
その時は必ずやってくる。
姉ブラナは、成長し子が産める体になった。力を解放し、魔法を学びたいと願う姉の決断とともに、三人は旅立つ。
いつか母の眠る故郷へ帰るために。
旅だった最初の夜、夢の中でエイモンはギャヴァンと対峙した。恐怖に支配される寸前、ロイベアード(鷹)が急降下し、鉤爪とくちばしがギャヴァンの手を引き裂いた。
それに続いて霧から青年が飛び出した。
「走るんだ」青年はエイモンに命じた。

「ぼくの手を握って」

青年はエイモンの手をつかんだ。とたんに無数の太陽が爆発したみたいに光が炸裂し、重なった手から千もの翼が羽ばたくがごとく力が飛び出した。


冒頭の経緯 コナーとエイモンの魔力の衝撃は、ギャヴァンにダメージを与え、周囲に地震のような衝撃をもたらした。朝からその衝撃に驚いた仲間達は、その件を話し合う。
コナーと幼なじみのミーラは、良き友であり、共に戦う仲間(サークル)であもある。だが、前の戦いでミーラが血を流したことでコナーの何かが変わりはじめた。
ミーラの家庭は、幼い頃に父親がなけなしの金をもって家族を捨てて雲隠れし、家庭崩壊したことで問題が多い。ミーラの母は一人では何もできない人物で、弟が婚約したことでミーラが家に戻ってくるべきだと言い出し、母親と相性の悪いミーラは罪悪感を抱きながらも、頭を抱えている。
そんな彼女に、コナーはアドバイスし、ミーラは明るさを取り戻す。そんなある日、ギャヴァンによって傷つけられたコナーを前に、ミーラは動揺した。「死んだと思ったの」
コナーは仲間の懸命な助けで回復したものの、ミーラは衝動をおさえられず、車で送ってくれるコナーの唇を奪った。熱烈に。

中盤までを簡単に紹介。彼女とキスの展開になるまでが長い。そして、キスもセックスも仲間どうし報告しあわなければ気が済まないという、賑やかさ。最近のノーラ作品定番の展開です。
鷹狩学校の様子など詳細で、鷹と心を通わせるコナーがとても素敵。ただ、いい男すぎちゃって物足りなかった。
せっかく、彼女がお馬鹿なことをして彼を怒らせたのだから、もう少しスネて欲しかった。この辺りは面白かったけど、そこに至るまでが長いっ!
ラスト巻に期待。

ノーラ ロバーツ 読了一覧

ロマンス 読了一覧
姿なき蒐集家  (上・下) ノーラ・ロバーツ
2015年05月14日 (木) 17:34 | 編集

姿なき蒐集家 (上) (扶桑社ロマンス)ノーラ・ロバーツ   2015/1/31
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姿なき蒐集家  (上) 

ノーラ・ロバーツ

ライラはハウスシッターをしながら、傍ら若い読者に好評の小説を書く作家でもある。定住所がない生活だが彼女は満足していた。今回はニューヨークで有名な歴史的建造物での三週間の留守番。好奇心旺盛な彼女はさっそく向かいの部屋の観察を楽しむが、ある夜、十四階の部屋から女性が突き落とされる現場を目撃する。すぐに警察に通報するが女性は即死、さらに部屋にはもう一人、男の死体が残されていた。そして彼女は翌日、立ち寄った警察署で、死んだ男の兄アッシュと出逢うことになった…。
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copyright 2014
The Collector (Vol.1)

至宝のためには手段を選ばない人物を相手に、知略で挑むというサスペンスロマ。
ノーラのサスペンスは、エグい時はかなりエグいのだが、この作品の雰囲気はかなりマイルド。(というか、近年の作品はみんなマイルド)
狂人的なコレクターいう要素は、かつててノーラの作品では「聖夜の殺人者」(「悲劇はクリスマスのあとに」の改題)でリタ賞を受賞しただけに、それを超える面白さかと聞かれれば、微妙ではある。表紙のニューヨーカーな美男美女からガクガクブルブルを期待すると、もうちょっとかな…
ティーンエイジャー向けの作家のヒロインが、画家の彼に絵のモデルを頼まれたり、友人のカップルが寄りを戻したりと、ノーラらしい要素で物語が構成されるので、ノーラファンなら楽しめると思う。

あらすじ
富豪の留守中を預かるハウスシッター。ペットの世話をし、花に水をやり、電話のメッセージを受け取る。留守番をすることで防犯の役目も果たす。その傍らで、ライラは小説を書いている。
そんな彼女の趣味は、双眼鏡で人々の生活を垣間見ること。
ニューヨークの歴史的建造物での留守番の8日目の深夜、親友ジュリーを見送ったライラは、習慣のように双眼鏡を手にとった。
ミスター・ナイスバディは、今も起きていて、彼に負けないくらいセクシーな男性と一緒だった。そして、喧嘩好きのカップル、ミスター・口達者とブロンド美人の同棲カップルの部屋に双眼鏡を向けた。
ブロンド美人は泣いていた。あんな男、ふっちゃいなさい。
だが次の瞬間、彼女の頭がくるっとまわり、ライラはびくっとした。

「信じられない。彼に殴られたのね。あのろくでなし。やめて  

次の瞬間、世界が凍りついた。

■□■
弟は常に次の大きな山や大成功を狙っていた。チャーミングな反面、軽率だったオリヴァー。
そんな弟が死んだ。
目撃者の証言によれば、弟はガールフレンドを何度も殴りつけたのち、14階の窓から突き落としたという
「その目撃者は間違っています」アッシュは一蹴した。
現場からは大量のアルコールと麻薬、女性を突き落としたあとの弟の自殺。
弟に殺人容疑をかけられたショックから立ち直り、誤解だということを警察に分からせなければ。
その時、ライラという女性を刑事が目で追った。
アッシュは、話の断片から、彼女が目撃者だと確信した。

「君が目撃したことを教えてもらえないか?」


冒頭の経緯。ライラの定住所はないが、画廊ではたらく親友ジュリーが彼女の手紙や荷物を預かってくれている。ミスター・口達者(オリヴァー)の兄であるアッシュの言葉から、オリヴァーがブロンド美人を殺してはいないという結論に辿り着いたライラだが、彼を信用するべきか悩むと、友人ジュリーの画廊で扱う画家だと教えられた。フェイスブックを活用し個人情報を集め、アッシュは富豪の長男であり信用できる人物だという結論に至る。
アッシュからモデルを頼まれたうえに、アッシュの親友ルークと、友人ジュリーが元夫婦だったことなどが明らかに。
命令口調が気に入らないながらもアッシュのちからになろうとするライラだが、何者かが2人の周囲を探りはじめ…

犯人は何を狙っていたのか?
弟オリヴァーは何に首を突っ込んでいたのか、知りたくない人は、この先は見ないで…下巻へ。




姿なき蒐集家 (下) (扶桑社ロマンス)

姿なき蒐集家  (下)

アッシュはイタリア系の富豪で大家族の御曹司だった。職業は画家。彼はライラに絵のモデルになって欲しいと語る。彼女の自由奔放な眼を自らの絵筆で表現したいと言うのだ。次第に親密度を増してゆくふたりの関係。一方殺害された男女は、冷血な女殺し屋の手にかかったことが判明する。ふたりの身辺を徘徊し始める女殺し屋。そしてアッシュの親類が殺害されるにおよんで事件は新たな相貌を呈することになる…。ページを繰るにつれて緊張感がたかまるロバーツの傑作ロマンティック・サスペンス!
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copyright 2014
The Collector (Vol.2)

弟オリヴァーは親戚の骨董店での買い付け先で、行方不明のインペリアルエッグの一つを見つけ、兄アッシュにたくしていた。添えられていたロシア語の文章の手がかりを元に、骨董店店主ヴィニーに相談したが、その結果、暗殺者に殺されてしまった。
ヴィニーが頼んだ、ロシア語の翻訳者と会うことで、2人はエッグの新たな手がかりを手に入れるが…

ロシア皇帝ニコライが作らせたインペリアルイースターエッグを巡っての、駆け引きと、ライラに個人的に恨みを持つまでに至った、暗殺者との戦いがメインとなります。
どのようなお話になるのかは、読んでのお楽しみで。
wiki/インペリアル・イースター・エッグ

手に汗な展開のあとは必ず、和気あいあい。
ロマに、友情に、家族愛。
率直に感想を言えば、色々なノーラらしい要素を詰め込みすぎて、サスペンスもロマンスも全体的に無難。ラストの蒐集家との対決と、殺し屋との肝心の顛末については、人によって意見が別れそう。私は物足りない。
でも、彼女を一番に気遣うノーラらしい素敵なダーリンには満足。

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恋の予感がする冒険 ノーラ ロバーツ
2015年05月07日 (木) 23:55 | 編集

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恋の予感がする冒険 

ノーラ ロバーツ

透きとおるブルーの海に囲まれたオクラコーク島―亡き父の意志を継ぎ、難破船の調査をやりとげるため、ケイトは複雑な思いでその美しい島をふたたび訪れた。4年前、彼女はこの島に暮らすカイと出会い、初めて恋に落ちた。だが父の反対に遭い、カイのもとを去ったのだ。危険な海で調査をしたければ、彼に頼らざるを得ない。再会したカイは昔と変わらず危険な魅力にあふれ、目が合った瞬間、ケイトは今でも彼を愛していることに気づいた。カイの態度は冷たく、目に嘲りを浮かべているというのに。(HQB-622(初版N-480))
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copyright 1986
Treasures Lost, Treasures Found

初期の作品です。練に練りあげて10年後『珊瑚礁の伝説〈上・下〉』につながるのだろうと感じさせる難破船をめぐるロマンスです。
なので、ロマンスに重点を置いた構成に上記作品を読んだ方は物足りなさを感じると思われますが、初期のういういうしいロマンスの展開を楽しんでくださいませ。
ノーラらしい素朴なヒーローと、父のためのキャリアを選び振り切ったはずの恋に区切りを付けられないヒロインとの葛藤。
ヒーローが素朴すぎて、ヒロインが高飛車で感情移入しにくいのが難点かな。そんな彼女が父へのコンプレックスを彼にぶつけながらも、乗り越えていく過程が良いお話です。

あらすじ
ケイトは、27歳の若さでイエール大の助教授のポストを手に入れた。
静かな書斎で、彼女はじっと書類に見入っている。
父は自分の悩みを決して誰にももらさない人だった。海図や調査書のことも、何一つしらなかった。自分の夢も、だれにもうちあけることなく父は死んでしまった。たった一人の娘であるわたしにさえ打ち明けずに……。
わたしはいったい父の何を知っていたのだろう。
父の期待に応えようとしてきたが、決して褒めてはもらえなかった。わたしがどんなに父を愛していたか、わかっていたかしら。
父はオクラコーク島で、200年も前に消息を絶ったイギリス商船のことを何年も調べていたらしい。
オクラコーク島での思い出が甘く切なくよみがえり、ケイトは胸が痛んだ。
4年前の夏。あんなふうに前後の見境もなく恋に落ちるなんて、想像もしていなかった。
カイ・シルバーとの恋はまるで不釣り合いだった。あの暖かい魅惑的な夏の夜、彼に身も心も捧げたのだ。
あの夏以来、父は毎年調査に行っているが、ケイトは行かなかった。
もう一度、あそこに行って父のやり残したことをやり遂げなくては。
行かなくてはいけない。
■□■
カイはケイトの手紙を読んだ。
ぼくのボートと、ダイビングの道具と、技術が欲しいわけだ。苦いものが喉元までこみあげてきたが、ビールと一緒に飲み下した。特別の契約をしようじゃないか。それ相応の料金は払ってもらうさ。仕事ぶりは保証するよ。


冒頭の経緯。ケイトはカイに父の遺した書類を見せ、2人は契約することに。
4年前、カイを選ばずに捨てていったケイト。改めて魅力的な彼女を前に、カイは苦い思いがつのる。
難破船の遺物を次々発見し目的の商船なのではと期待が高まる2人だが、海にはエイやサメなどの脅威が常につきまとう…

父に人生を支配されてきたと感じてきたケイトは、カイの命令が気に入らない。
父が亡くなったというのに、涙が出なかった自分も気に入らない。
そんな彼女の反発を前に、カイは再び苦戦を強いられる展開。
雨露がしのげればいいという程度のコテージを彼女との出会いで改装を始め、ヨットを造りあげていた彼の行動がいじましくて良い男です。

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