本読み隊
本の感想・紹介です 。主にコバルト文庫・角川ビーインズ・ビーズログ文庫・一迅社アイリスなどの少女趣味ライトノベル、ハーレクインなどの海外ロマンスなど、3500冊。★スマホからご覧になる方は「海外ロマンス読了一覧」など一部の記事のスクロールが長くなるの場合、”PC”ボタンでPCに切り替えて見ることをオススメです★
鎌倉香房メモリーズ 3 阿部暁子
2016年04月24日 (日) 18:54 | 編集

鎌倉香房メモリーズ 3 (集英社オレンジ文庫)
2016/2/19
阿部 暁子 (著),

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鎌倉香房メモリーズ 3

阿部暁子

今日も今日とて、ゆるり営業中の『花月香房』だけど今日は…雪弥さんが、ちょっとおかしい。(自称)雪弥の親友・高橋あてに届けられた、文香だけが入った謎の手紙のせいなのか…。秋の空高く、想い交錯する季節。それぞれの、そして香乃自身の、止まっていた時が動き始める。香乃はどんな香りから、何を感じ進もうとするのか。やさしい絆の物語、第3弾が登場。
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鎌倉を舞台に香りにまつわるあれこれを解決しつつ、主人公達の成長を描くシリーズも、3巻目になりました。
ヒロインは人の感情を香りで感じる能力がありますが、人の感情に
敏感だという程度でファンタジー的なものとしては使っておりません。登場人物達の乗り越えるべき心の問題がきっちりと描かれ、ふんわりとした雰囲気が心地よいながらも、ぐっとくる人情ものもです。
雪弥さんとの関係は、進展こそないものの、お互いを気遣う二人の優しさがとても良いです。二人が自分の未来に向かって、立つべき場所を考える大切なターンです。 しかし、その二人にラストでは暗雲が! 続きがきになる終わり方となっており、もしかしたら、次で終わりかも?と緊張感のある展開となっております。
是非シリーズで読んで欲しい作品。

あらすじ
1.拝啓 忘れえぬ人
こんなにミスを繰り返すのは、とかく隙のない雪弥さんにはめずらしく、様子を見ていても、どことなくうわの空に感じる。
そんなとき、ふらりと店に現れたのは雪弥さんと同じ大学の同じサークルのメンバーである高橋さんだった。
手紙に添える文香を求める彼は、花の絵の意味を尋ねてくる。

「やっぱり封を開ける人にいい香りを届けるためのものだから、きっと、その人は高橋さんに喜んでほしかったんだとおもいます」

高橋さんは思いもかけないことを言われたという表情で、わたしを凝視していた。
風に流された煙が形を変えるみたいに、高橋さんの香りが変化した。明るい変化ではなかった。悩ましそうな、途方にくれているような香りが、それまでの温和な香りを押し流してしまう。

天然癒し系ギャグ要員の高橋さんの意外すぎる素顔に、雪弥さんと一緒に読者もびっくり。そんな友人の頼み事とは、文香だけが入った手紙の意味を教えてほしいこと。友人の知られざる一面を知ることで、雪弥さんと文香は大きく成長するのです。
雪弥さん子供相手に容赦ねぇ〜

2.あの日のきみへ
文化祭で忙しい文香を”アキラさん”なる人物が手伝ってくれるようで…

3.かがやける星
『花月香房』で働いている雪弥さんを女子大生だと両親に嘘をついていたこがバレてしまった!現れた父は、雪弥さんに不躾に質問し、挙句、文香は大学進学を控えているのだから戻ってこいと言い出し…


『あの日のきみへ』は文化祭に存在感半端ない雪弥さんの叔父・和馬登場です。叔父が会っていた人物に関しては布石のまま。
『あの日のきみへ』で雪弥さんの言葉が嬉しかっただけに、ラストがきになる〜〜!!



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鎌倉香房メモリーズ 2 阿部暁子
2015年10月18日 (日) 13:55 | 編集

鎌倉香房メモリーズ 2 (集英社オレンジ文庫)
2015/8/20
阿部 暁子 (著),

---楽天---




鎌倉香房メモリーズ 2 

阿部 暁子

人の心の動きを香りとして感じとる力を持つ、高校二年生の香乃は祖母が営む香り専門店『花月香房』に暮らしている。香乃のよき理解者、大学生の雪弥さんと共に『花月香房』は今日もゆるり営業中。そんなある日、店を訪れた老婦人の“消えた手紙”を一緒に探すことになって!?鎌倉を舞台に、あの日の匂いと、想いも…よみがえる。ほっこり、あったか香りミステリー。
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鎌倉の祖母の営む香り専門店『花月香房』で暮らす娘の香乃と、そこで働く大学生の雪弥さんとの物語の二巻目。
ヒロインは、香りによって人の真意を見極めることのできる能力がありながらも、その力によって苦悩し続ける女子高生。そんな彼女を支えてくれる雪弥さんとの関係が温かくほっこりするお話。
恋の進展はのろのろだが、物語の合間に垣間見える雪弥さんの溺愛っぷりと、”勝手にいなくならないで欲しい”と願う香乃の想いが、はんなりと甘く良いです。
短編の四話構成なので、手すきの合間に読みやすいですが、どのお話もそれなりにぐっとくる物語で、満足度は高い。

あらすじ
星の川を渡って p7-77
「お前たちは死ぬまで人間の中で生きなきゃならないんだ。少しは浮世に慣れねえと。いい社会勉強だから行ってこい。先生は怖い人じゃなから大丈夫だ」
祖父は線の細い外見とは裏腹に大らかで、わたしが泣きそうな顔をしたくらいではまったく動じない人だったので、わたしと雪弥さんはタマ子さんにつれられてその小さな白い家を訪れることになった。

小学生時代の香乃と雪弥さんの、元教諭だったタマ子さんとの出会いと、タマ子さんの問題。七夕の切ない想い。

あなたとずっと p79-159
祖父の葬儀の日以来、焚いたことのない特別な練香を祖母が使っている…
祖母に頼まれ、疎遠な祖母の生家である八柳家での香会に出向くことになった香乃と雪弥さん。従姉のイツキちゃんとの再会に喜ぶ香乃だが、肝心の香会でトラブルが…
祖母が語る、練香が得意だった祖父との思い出とは…

祈りのケーキ p161-225
雪弥の叔父・岸田和馬が、突然店に現れた…

亡き人に捧げる香り p227-299

祖母とは喧嘩仲間の元宮大工職人・貞臣さんに毎月線香を届けるのは、香乃の役目だが、ある日を堺に貞臣さんはもう届けなくていいと言い出し…


ラストのお話は、大切な人を亡くした結果、生きる気力を無くしてしまった知人のお話なので、ぐっとくるのだけれど、重い。
涙する香乃を守らんとする雪弥さんの一喝が、嬉すぎる。

雪弥さんの心中や、香乃が見ていない彼の行動などは、行間を読むという雰囲気で、書きすぎないのが良いのだろう。
彼の側面からを読んでみたいと思うのだが、そこは読者として妄想力を強化してくれたまえ。
続刊も楽しみにしております。

阿部 暁子 読了一覧

コバルト文庫&オレンジ文庫 読了一覧
アオハライド 6 (コバルト文庫) 阿部暁子
2015年07月18日 (土) 15:10 | 編集

アオハライド 6 (コバルト文庫)
2015/6/2
阿部 暁子 (著)


アオハライド 6 

阿部 暁子

中学時代のつらい記憶を、塗り替えることのできた洸。みんなで見た夕日と共に、笑顔の思い出をつくることが出来た。そして洸の気持ちは、次の段階へ―。いっぽう双葉は冬馬との関係を大切にしようと努めるが…、ひょんなことから洸とある行動に出てしまい!?波乱が広がる修学旅行の行方は―!?世界は、こんなにもキラキラしている。駆け抜けた青春、大人気漫画のノベライズ堂々完結!!
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双葉は冬馬との恋愛を育てたいと思いながらも、双葉を追い始めた洸に気持ちが揺れ戻り、そんな自分に自己嫌悪。
記憶を塗り替えることで、辛い過去から抜け出し、一歩踏み出した洸。そんな彼を双葉は友達代表として支えたいと願うけれど、本当の気持ちは…

修学旅行後編の11巻、回り道をしてきた2人がやっとくっついてくれて嬉しい限りの12巻と、おまけ的なラスト13巻までの文庫化です。
青春って甘酸っぱいだけではなく、人を傷つけるつもりはなくても、結果、利己的になってしまったとしても、その罪悪感も含めてのものなのだ。
苦悩や葛藤が漫画では伝わりにくい部分も、小説では丁寧に書き起こされているので、是非一読。
ベタあまのコミック13巻は不評も多いが、小説でさらっと読むとニマニマとできて楽しかった。

コミックのストーリーそのままなので、あらすじは、割愛。

人を傷つけたくない、傷つきたくない。
洸と唯の決着は、思ったより唯が前向きで嬉しい。人を傷つけたくないゆえの優しさは、残酷な一面もあるが、唯も一歩ふみだせると嬉しい。
冬馬とつきあいはじめた双葉の行動は、洸への不信からの拗ねた態度もふくめて、女子的には共感や応援はしにくいが、苦くて人間味があってこれはこれで、私は良いと思います。

コミックの文庫化は、面白いと思ったことがないのだが、この作家さんはかなり気に入っていただけに、終わって嬉しいやら、寂しいやら。
次回作も楽しみにしております。

一言でまとめるなら、
おまいら、待ち合わせの場所、変えなはれヤ。(もちろん、変えちゃつまらんがね)

阿部 暁子 読了一覧

コバルト文庫 読了一覧

鎌倉香房メモリー 阿部暁子
2015年05月27日 (水) 13:47 | 編集

鎌倉香房メモリーズ (集英社オレンジ文庫)
2015/2/20
阿部 暁子 (著)

---楽天---




鎌倉香房メモリー 

阿部暁子

人の心の動きを香りとして感じとる力を持つ、高校二年生の香乃は祖母が営む香り専門店『花月香房』に暮らしている。香乃のよき理解者、大学生の雪弥さんと共に『花月香房』は今日もゆるり営業中。そんなある日、店を訪れた老婦人の“消えた手紙”を一緒に探すことになって!?鎌倉を舞台に、あの日の匂いと、想いも…よみがえる。ほっこり、あったか香りミステリー。
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”アオハライド””ストロボ・エッジ”の小説版を手がけてきた作家さん。
人の感情を香りとして感じることで、孤独を味わってきた香乃の良き理解者・大学生の雪弥さんとともに、香りに絡んだ様々な出来事と関わりながら、恋心を自覚していくというお話。
純粋にミステリーとして楽しみたいと考えると、二話目以降の乙女ノベルな方向に戸惑うかもしれませんが、痒いのが好きな方、ほんわかした恋愛を楽しみたいと思う方にはオススメな作品。
私は、孤独に寄り添うように内面を掘り下げる作者の文章が好きなので、満足。

あらすじ
各種お香、香木、薫香ひとそろえを取り扱う『花月香房』は、古刹が点在する金沢街道の一角にある。祖父が構えた店だが、二年前に他界してからは、祖母が切り盛りするようになった。同居しているわたしと、以前からの知り合いの、大学生の雪弥さんも、時々手伝いをしている。
人の心の動きを香りとして感じとることができるが、小学二年の出来事をきかけに、両親から疎まれ祖父母と暮らすようになった。
わたしのあり方はこの世界ではイレギュラーなのだ。カンニングをしているようなもので、この体質によって何を知ったとしても、それを使って何かをすることはルール違反であり、わたしはほかの人達と同じようにふるまわなければならない。そうしなければ、わたしはきっとまた誰かを傷つけ、失ってしまう。

●あの日からの恋文
客として訪れた老婦人は、帰るべき場所がわからなくなったという。
雪弥さんのとっさの機転で、老婦人は落ち着きを取り戻し、帰宅した祖母によって身元は判明したが、香乃と雪弥さんは、祖母想いの中学生アサトくんの頼みで、老婦人の亡くなった夫が最後に送ってくれた手紙を探すことに…

●白い犬は想いの番人
ある資産家の遺産の一つを祖母は譲り受けることになったが、忙しい祖母に代わって、香乃と雪弥さんが引取にいくことに…

●恋しいひと
ある日、敵意をみなぎらせた客が突然訪れ、香乃はその出来事がしばらく忘れられなかった。
それからしばらくして、大学のキャンパスツアーで雪弥さんの大学を訪れた香乃は、その女性と再会してしまう…

●香り高き友情は
両親と暮らす妹が突然、泊りに来た。妹を心配する両親に、複雑な気持ちの香乃だが、妹が本来ここへ来た目的を聞き出すと、親友が危険なアルバイトをしており止めたいらしく…


雪弥さんの視点はないものの、かなり複雑骨折している性格で、過保護でありながら手を出せないジレンマが良い感じで、ツボでした。
「あの根暗なランドセルの少年は、きみに助けてもらいましたよ」
涙を流した少年と、孤独な少女の出会いと、寄り添うような2人の関係がじんわりと良いです。
自分を語らない雪弥さんの謎は多く、今後の2人の成長をもすこし見守りたい読後感。
続刊はあるのでしょうか?

阿部 暁子 読了一覧

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アオハライド 5 (コバルト文庫)  小説/阿部 暁子 原作/咲坂 伊緒
2015年03月12日 (木) 12:57 | 編集
アオハライド 5 (コバルト文庫)
(2014/11/29)


アオハライド 5 (コバルト文庫)

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アオハライド 5 (コバルト文庫) 

阿部 暁子、咲坂 伊緒 他

洸をあきらめようと、もがく双葉。そんななか冬馬は、揺れる双葉も受け入れると告白の返事を求めてきて―!?いっぽう洸は、双葉と冬馬の接近に焦りつつも、唯と決着がつけられないままでいた。それぞれの想いが、複雑に絡み合い…、加速していく!すれ違っても、遠ざかっても、断ち切れない恋の行方は!?別冊マーガレットの大人気コミックス小説版、切なさの募る第5弾!!
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小説版4巻から5巻を待ち望むうちに、アニメから映画にまでなってしまった!
私としては”阿部 暁子”の文章がとても気に入っており、映画版のノベル化の方はおすすめしない。(未読なのでどこをどうとも比べられないのだが…)
コミックの絵の中に込められたものを知ることができるのも、”阿部 暁子”版だからこそだと思っている。
コミックを読んでいても面白いと感じるような文庫化というのは、実はとても稀なのだ。
というわけで、わたくしとしては、ストロボ・エッジの頃からの絶賛シリーズ。
コミックを読んだし…という、そこのあなたも是非、一読!
コミックの絵と合わせてキュン転がれること必死。

コミック9巻、10巻の小説化です。

薄い氷の下に洸への気持ちを押し込めて、無理にでも冬馬に気持ちを向けようとする双葉が切ない。
まっすぐに気持ちをぶつけてくる冬馬に対し、誠実に応えたいと思うからこそ、余計に痛い。
軽薄にすら感じる行動の内面をぐりぐり文章にしてくれるので、かなり重いのだが、テンション高めのあとがきからも想像できるように、アニメ化から作者は多少なりとも影響を受けているようす?小湊が壊れてる
高校生らしい表面的な軽薄さと、初々しい感情の嵐が前の巻よりアップしていると感じた。
そんな中二人を気遣う、小湊や、修子、そして内宮と悠里の初々しいカップル誕生で、和み。

あらすじは割愛。

「みんなにとって、同じ温度の楽しい思い出になるように!」

ちょっぴりほろ苦修学旅行までです。
洸の笑顔が最高に素敵!
是非、一読!

阿部 暁子 読了一覧

コバルト文庫 読了一覧
 
アオハライド 4  小説/阿部 暁子 原作/咲坂 伊緒
2014年04月03日 (木) 16:29 | 編集
アオハライド 4 (アオハライドシリーズ) (コバルト文庫)
(2013/12/27)
阿部 暁子

アオハライド 4 (アオハライドシリーズ) (コバルト文庫)

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アオハライド 4  

小説/ 阿部 暁子 
原作/ 咲坂 伊緒

文化祭で双葉と洸は事故でキスをしてしまった後、本気モードのキスをする。舞い上がる双葉だが、結局唯のことで洸と気まずくなって距離ができてしまう。唯の家庭環境に同情した洸は、自分が唯の泣ける場所になってあげようとしたのだった。一方、修子は田中先生への気持ちが募ってきて…!?恋をするもどかしさ、切なさ…が溢れる。別冊マーガレットの大人気コミックス小説版、第4弾!!
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最近の私の中で、一押しのトキメキ青春もの。すれ違い、相手の心を必至に探りながら、一生懸命いきる輝く時がぎゅっと詰まっていると感じさせてくれます。
コミック7巻8巻の文庫化です。コミックでは若干まったりした印象を感じなくもない展開ではありますが、文庫の方は、心理的に深く追求され、コミックでさらりと読んでしまった彼らの内面の描写をこと細かに知る事ができます。
洸との関係が気まずくなってしまった双葉。洸が過去に囚われていると、唯に直接の話し合いを挑むが…
洸に惹かれる気持ちを持て余しながら、きちんとフラレて前を向こうとする彼女は、洸に告白する。
突き放しておきながらも、双葉に対し揺れる洸。母の死の過去に囚われた彼の苦悩と、必至に洸への気持ちを振り切ろうとする双葉の気持ちが、コミックの絵に重なるように文章とシンクロすると、萌えです。
ストロボ・エッジ より、青春の時間というものを突き詰めるシリアス度がかなり高い作品になってきたと…(既に誰もついていけない、テンション↑状態のため割愛)

あらすじ
たとえば、自分も家族と離ればなれになってしまった経験があったら。
もし、とても大切な誰かを失ったことがあったら。
何でもいい。何かひとつでも身体を切り刻まれるような決定的なかなしみを知っていたら、もっと洸の痛みに寄りそうことができたんだろうか。
私もあの人と同じくらい傷だらけだったら、洸は行かないでくれたんだろうか。
どれだけ泣いて考えたところで、結局ここにいるのは洸に選ばれなかったみじめな自分で、洸がそばにいると決めたのは、同じ痛みを抱えたあの人だということ。
それは、もうどうやっても、私には変えられないんだ。
■□■
決して洸と話たくないわけではないのだ。苛立やわだかまりはあるけれど、いつまでもこんな状態でいるのは嫌だとは思っている。中庭でお昼を食べながら、修子と悠里は双葉を気遣う。

「ただ私の場合、ちゃんと告白してフラれたから…それなりに納得いく失恋だったから、ちゃんと諦めて気にしないようにできたのかも」

(納得のいく失恋…)

キス、したじゃない。そんなふうにいきなり突き放された衝撃と、憤りと、かなしみの中で今も混乱したままだ。
「きっと今は成海さんに対して同情の気持ちが強いだけで…」

「同情から恋愛感情に変わることだってよくあるじゃん」

修子はいつも、目をそらしたくなることも甘やかさず突きつける。慌てる悠里にもかまわずに、まっすぐに双葉をみつめた。
諦められないなら、やるべきなのは洸をさけることじゃない。もうここで区切りをつけたいなら、さけていたって何も終われない。


冒頭の経緯。前半、二人の不仲にやる気を出す冬馬。でも、にぶい双葉は洸への気持ちでいっぱい。そんな時、田中先生から洸が熱を出したために、アイスを届けてくれるようにと鍵を渡される。
しかし、そのことで校長から、田中先生と女子生徒との間の噂があると呼び出しをくらう。
修子は、自分の気持ちを田中先生が好きなあまり、彼の立場を考えられなかった自分を恥じ、双葉と悠里とともに泣いた…
後半、洸にきちんとフラれるために告白した双葉。洸を見返したいと、女子に嫌われたくないと始めた、がさつだった行動をやめ、自分らしさを求め苦悩するが…

やせ衰える母の過去がフラッシュバックするたびに、死を引きずる 洸の苦悩に涙が出そうになるのです。そんなに、思いつめないで〜と、叫びたい。
孤独な深い穴に入り込もうとする彼を引き上げる双葉の存在が、何よりもかけがえのないものだと気がつくまでの内面の描写が好きですッ!
田中先生と修子の話を絡めて、洸の成長を感じさせたり、内宮と悠里の展開に期待したり…。邪魔ににならない程度に、友人視点が入ります。友情に感謝し、友人の恋の行く末を、心配し、叱咤し、温かく見守る視線が嬉しい。
同情を引いて引き止めようとする成海唯。
彼女が自分の間違いに気がつくのか、洸の優しさを利用し、執着する哀れな様が、恐ろしくもあり、続刊期待しております。
離れてしまう双葉を取り戻せるかしら?頑張れ 洸〜〜!
感想が好きすぎて、妙なファンレターの様相になってきたので、ここまで。

それにしても、田中先生おいしかった。

阿部 暁子 読了一覧

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