本読み隊
本の感想・紹介です 。主にコバルト文庫・角川ビーインズ・ビーズログ文庫・一迅社アイリスなどの少女趣味ライトノベル、ハーレクインなどの海外ロマンスなど、3500冊。★スマホからご覧になる方は「海外ロマンス読了一覧」など一部の記事のスクロールが長くなるの場合、”PC”ボタンでPCに切り替えて見ることをオススメです★
雨のなかの出会い ジェシカ・スティール
2015年02月02日 (月) 15:23 | 編集
雨のなかの出会い (ハーレクイン・ロマンス (R1839))
(2003/01)
ジェシカ・スティール

雨のなかの出会い (ハーレクイン・ロマンス (R1839))

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雨のなかの出会い 

ジェシカ・スティール

会社を辞めたあと、住み込みの家政婦として働いていたマロンは、雇い主から暴行されそうになって、夢中で家から逃げだした。人っ子ひとりいない田園地帯に雨は容赦なくたたきつけ、ひたすら歩きつづける彼女はずぶ濡れになった。義理の父、義理の兄、元ボーイフレンド、そして今日の雇い主。マロンの人生は、男性から受けたひどい仕打ちの連続だった。だから車が通りかかり、運転していた男性に乗るように言われても、男なんてこりごり、と一度は拒否したほどだ。
その男性はハリスと名乗り、近くにある改修中の屋敷の所有者だった。彼はマロンを落ち着かせ、彼女に屋敷の管理人の仕事を申し出た。そして、彼女の逃げてきた事情をすべて効き出すと、さっきまでのマロンの雇い主が自分の妹の夫であることを打ち明けた。なぜ最初にそう言わなかったの?マロンの胸に疑念が渦巻いた。(R1839)
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copyright 2002
His Pretend Mistress

拾われロマ。
拾ってくれたひたすら優しいダーリンに甘やかされて、彼女が男性恐怖心を乗り越えるまで、彼はひたすら待ってくれるというお話。
極度の男性不信のちょっと不憫な娘と、信じてほしいがために彼女に手を出せない優しいダーリンとの掛け合いとが良いです。

あらすじ
脱兎のごとく飛び出したマロンは、あとをつけられないことを確かめるまで、走るのをやめなかった。5分ほどしてようやく歩調をゆるめたとき、エンジン音がしてマロンはまたもや恐怖に駆られた。
あたりには人っ子ひとりいないばかりか、建物ひとつない田園風景が何エーカーも広がっている。
運転手が女性ならいいのにと期待したが、あてははずれた。
降りしきる雨の中を通じて敵意に満ちた灰色の目がマロンの目をとらえた。
「乗って!」男性が手短に言った。
誰が乗るものですか!ハンサムな男性にはうんざり。「いいえ、けっこうよ!」
車はふたたび走りだした。
雨は激しさを増し、ショックが薄れてくると、惨めになるにつれ、灰色の目をした男性の誘いを受ければよかったと後悔しはじめた。
しかし、次の瞬間にはそんなばかげた考えをあさけっていた。男性なんてこりごり。みんないやらしいんだから!義理の父、義理の兄、元ボーイフレンド、それに最近では元雇い主がそのいい例だ。
さっきの車がも戻ってきた。
その男性はほほ笑むこともしなければ、車に乗るように誘いもしなかった。「もう懲りたかい?」言ったのはそれだけだ。


冒頭の出会い。住み込みで働いていたマロンは雇い主に暴行を受け、行くあてもなく、着の身着のまま飛び出した。
雨の中声をかけてきた男の車にビクビクしながら乗ると、改装中のハーコート・ハウスに連れて行かれた。
彼はハリス・クウィリアンと名乗った。彼女が飛び出した先のアルモラ・ロッジを知っているらしい。愛人かときかれたが、勢いから乱暴を受けそうになったことを話してしまった。
警察に届けようという彼の言葉を遮った。最近再婚した母に迷惑をかける…そんなことできないわ。
そんな彼女の事情を知った彼は、改装中の屋敷を仕切る仕事を与えてくれた。
週末だけ様子を見に来るが、その時マロンはホテルに泊まればいいと。

元雇い主ローランドの妻は、ハリスの妹だということを知って憤るものの、ローランドに一発お見舞いしてくれた彼を次第に信用するように。
後半は、彼女に信じてもらおうと手を出さない彼に、ジレジレしながら切ない想いをつのらせるうえに、ガールフレンドの登場でイジケルという構図だが、ジェシカ作品らしく前半の悲壮感にくらべて雰囲気は明るい。
かゆい。

ジェシカ スティール読了一覧

海外ロマンス 読了一覧

!!全部読み終わってしまったのか?
未邦訳がいくつかあるようだが、邦訳されていないのか?
あの脳天気なうぶいバージンをもっと読みたい。全部読み切っちゃうと、途方もなく寂しい。
婚約は偶然に ジェシカ スティール
2015年02月02日 (月) 14:06 | 編集
婚約は偶然に (ハーレクイン・イマージュ)
(2004/01)
ジェシカ スティール

婚約は偶然に (ハーレクイン・イマージュ)

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婚約は偶然に 

ジェシカ スティール

自分の名前すら思い出せない!病院で目覚めたとき、記憶はいっさい失われていた。パニックを起こした彼女に、看護婦が説明する。名前はクレア、事故で頭を打ったショックで記憶をなくしたのだと。ふと見ると、左手の薬指に指輪がはめられていた。私は婚約しているの?そういえば、意識が朦朧としていた間、すてきな男性がベッドの横にいたのをぼんやりと覚えている。あの人が私の婚約者?ちょうどそこへ、その男性が現れた。彼はタイ・カーショーと名乗り、クレアを病院から家へ連れて帰る。目の前の大邸宅を見たとき、彼女は驚きのあまり言葉を失った。(I1659)
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copyright 2003
An Accidental Engagement

記憶喪失ロマです。
彼女に惚れてしまった、ひたすら優しいダーリン。
彼は誰なのか?
記憶喪失のガギを握る部分が面白いだけに、この話は説明しにくいが、ほっこりした気持ちになれる可愛いお話。
単純で王道な話ですが気に入っております。

あらすじ
違和感の原因を思い出せないだけではない。すべての記憶を失っている!
目覚めた彼女は、クレア・ファーリーと呼ばれているが、自分がだれかわからない。
医者の指示で希望がわいてきた。もしかすると、記憶はすぐに戻るかもしれない。だって、爪を伸ばすのが好きじゃないってことを知っていたもの。
その爪を調べようとしたとき、クレアは信じられない思いで薬指を見つめた。
そこには美しい大粒のダイアモンドの指輪がはまっていた。私は婚約している!
でも、相手は?まさか、あの背の高い黒髪の男性?たしか、彼は昨日、私のベットのわきの椅子に座っていた。いえ、おとといだったかしら。
そのとき、だれかが入ってきた。例の背の高い男性…

「君の指に指輪をはめたのは僕だ」

婚約しているなら、私はこの人を愛しているのだろう。しかし、いくら見つめても何も感じなかった。挨拶のキスを彼がしなかったことにほっとした。
「タイだよ」そう言うと、彼は胸が痛くなるほどすてきな笑みを浮かべた。

「自己紹介しよう。僕はタイ・カーショウだ」

彼は自分の身内の話などで彼女の質問に答えながら、ある提案をした。
「君が完全に回復するまでプラトニックな婚約者でいよう」と。その言葉を思い出すと、自然に笑みがうかんだ。すてきな”プラトニックな婚約者”  彼のことが好きなような気がする。もし記憶を失う前に出会っていなかったとしても、好きになったに違いない。


冒頭の経緯。目覚めたクレアは記憶を失っており、混乱や夢にでてくる恐怖に怯えるものの、婚約者らしいタイの優しさに引かれていく。
タイさえいれば大丈夫。
深夜彼の寝室で添い寝してもらうほどに…

後半は、記憶を取り戻したものの、ここに居座っていいのものか?帰りたくない理由とともに、思い悩むヒロインと、苦悩する彼女が心配だと理由づけしつつ、彼女との縁が切れる心配からか出て行かせまいとする彼との攻防の展開。
ラストはもうひと波乱ほしい所だが、例によって、ダーリンの長い告白が始まる。背中かゆい。
楽しかった。

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傷ついても愛しくて ジェシカ スティール
2015年01月31日 (土) 01:14 | 編集
傷ついても愛しくて (ハーレクイン・イマージュ)
(2012/10/17)
ジェシカ スティール

傷ついても愛しくて (ハーレクイン・イマージュ)

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傷ついても愛しくて 

ジェシカ スティール

アーデンは伯母とともにゲストハウスを営んでいる。世間のことに疎い伯母に代わり、実務を担当しているが、経営は苦しく、みすぼらしくなった建物を改装する資金さえない。ある日、アーデンが買い物から戻ると、新たな客が来ていた。J・スティーブンズと名乗る男性客は徒歩で到着し、何泊するかも告げず、体の具合が悪いのか部屋にこもっているという。そんな話を伯母から聞き、アーデンは不安を覚えた。夕方、部屋から出てこない例の客に夕食を運んでいったところ、アーデンはいきなりどなりつけられ、息をのんだ。「僕の部屋にこっそり忍び込むのはやめてくれ!」。(I2248)
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copyright 1984
Ruthless in All

自動車事故の末の火災で離婚した妻を亡くし、マスコミから追いかけられるワケありな男性の泊客。妻を殺したってほんとう?
横柄で、無愛想で、どこまでも冷たい人だけど、そんなことをする人だとは考えられない。

深夜にうなされる彼を抱きしめ、きっと妻を亡くして辛い思いをしているのだからと、優しく同情して子守りの真似をするたびに、翌朝は侮辱されてプンプン。
根が素直な彼女は、同情→許し→にっこり→侮辱され→怒りの繰り返し。
そんな彼女の行動に、彼は何を思うのか…
テンポのいい掛け合いが可愛らしいロマ。

あらすじ
大晦日の朝、アーデンは期待感を抱きながらベッドを出た。明日から新しい年が始まるけれど、もうじき終わろうとしている今年よりも景気がよくなってほしい。
10歳で両親を亡くし、叔母夫婦に育てられたアーデンは、叔父が亡くなったあと叔父の仕事を引き継ぎ叔母ルイーズとともにゲストハウスを切り盛りしている。
実際面に疎い叔母を支え、帳簿をつけるのはアーデンだが、経営状態は最悪でみすぼらしいゲストハウスには、叔母スイーズへの求婚者のオーエン大佐しか客はこない。
叔母が親類の家に滞在するためにオーエン大佐に送ってもらうことになり、二人の間に進展があることを期待すると、大佐から別荘を貸すので休暇を取るように勧められた。
その矢先、顔に怪我を負ったJ・スティーブンズと名乗る不信な男性客が…
夕食を持っていっても怒鳴りつけられ、大晦日のパーティーでは放火犯がうろついているとの噂が。
アーデンは怖くなった。想像をたくましくしたあげくに、慌てふためいて家に帰ってきた自分を叱りながら、アーデンはドアから離れようとした。そのとき、室内から聞こえてきた怒鳴り声に驚いて立ちすくんだ。

「開かない!ドアが開かない!」

「火が!」ミスター・スティーブンズは叫んだ。その言葉を聞いても、アーデンは放火犯と結びつけて考えなかった。
悪夢にうなされる彼を起こそうとアーデンは声をかけたが、突然、彼女も悪夢の一部となったらしい。彼はいきなりアーデンにつかみかかったかと思うと、彼女をベッドに引き上げて自分の横に寝かせた。
呼びかけには応じず、夢の中で恐ろしいことがおきている彼を抱きしめ、子供をあやすようにささやきかける。

「大丈夫ですよ。もう心配ありませんから」


冒頭の経緯。極度に人間不信な彼は、目覚めとともに彼女を罵倒した。叔母を言いくるめ、滞在を引き伸ばすが、出て行ってもらわなければ、旅行に行けない。
放火犯は別の人間で逮捕されたらしいが、マスコミ彼を探りにきた。
マスコミいわく、逃げているのは、富豪のブレーン・ハンター。妻を車の事故で死なせ、車は炎上。同乗していた彼は、入院中に事情聴取を避け逃げたらしい。
本当に妻をころしたようには思えない。アーデンは、誰にも話していないと彼に報告すると、唐突に大佐の別荘に一緒に行くと言い出した。もちろん、金も出すと…

後半は、ふたりきりの別荘で、彼の信頼をえようと一進一退の攻防の展開。
情熱的なシーンはあまりなく、彼の態度はかなり悪い。
喧嘩と仲直りを何度も繰り返すので、同じパターンの繰り返しが単調ともいえるが、うぶな彼女の優しさが可愛らしく、コミカルで楽しかった。
ダーリンの事務的すぎるロマンチックのかけらもないラブレターを、お金の督促だと思い込むヒロインがちょっと不憫で笑った。
84年の初期作品なので、ラストのダーリンの背中かゆい告白はあまり長くなく、ちょうどいい。

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疑われた無垢 ジェシカ スティール
2015年01月29日 (木) 15:13 | 編集
疑われた無垢 (ハーレクイン・イマージュ)
(2013/03/01)
ジェシカ スティール

疑われた無垢 (ハーレクイン・イマージュ)


疑われた無垢 

ジェシカ スティール

何度目かの手術が成功し、ついにデヴォンは歩けるようになった。そんな喜びも束の間、彼女は恐ろしい事実を知る。莫大な手術費用を捻出するため、父が会社の金を横領していたのだ。解雇された父を救おうと、デヴォンは社長のグラントに懇願した。「わたしのために罪を犯した父を、どうか告訴しないでください」脚が不自由だったと知らないグラントは手術のことなど信じず、デヴォンを贅沢好きの放蕩娘と決めつけると、屈辱的な申し出をした。「ぼくがきみに飽きるまでそばにいるなら、考え直してもいい」だが初めての夜、震えるデヴォンを強引に引き寄せたグラントは、彼女の腰に走るまだ新しい傷跡を見つけ、息をのんだ。(I2265)
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copyright 1983
Tomorrow…come soon

悲壮感漂う鬼ロマです。初期作品です。
邦訳された最後の初版の作品です。(寂しい)
自分のために犯罪に手を染めた父のために「なんでもします」と、彼にひれ伏すヒロインがかなり不憫で、彼女の父親思いの言動にちょっとうるっとしてしまった。
前半、悲惨だったぶん、後半はほっこりする。
彼が過保護になって彼女を自分から守ろうと必死なのに対し、あいかわらすヒロインは父が告訴される恐怖と戦いながら、横領金を”回収して”(ヴァージン奪って!)と叫びだす状態が楽しい。
ジェシカ作品の特徴でもあるのだが、男性視点なし。ろくでもない提案をしてしまったダーリンの苦い心中は推して知るべし
鬼ロマ好きにはおすすめ。

あらすじ
15歳から足の不自由だったデヴォンは23歳の今日まで引きこもりだった。父の運転する車に同乗していた母はなくなり、デヴォンの父は足を引きずる娘を見るたび罪悪感にかられていた。
父が忘れていた保険金が満期を迎えたと言う言葉を信じ、手術の成功を何度も自分にいいきかせる。何も心配いらない。大丈夫よ。すべてが元通りになったら、どうやって親孝行しよう。
そんなスェーデンでの手術を控えた、父としばしの別れを惜しむ夜、父の会社社長グラント・ジョンストンが訪ねてきた。
父は動転し、娘がいるのを忘れリヴィングに彼を通してしまった。
こちらが立ち上がって握手をしに行かないのは、ひどく失礼なことだとは思う。それでもデヴォンはできるかぎり丁寧に対応した。
しかし、差し出した手をまるで無視され、すべてを支配する視線で一瞬にして仕分けられてしまったと悟り、さらにショックを覚えた。
遊んでばかりの軽い娘だと思われただろう。

二ヶ月後、手術は成功し退院した。初めてのパンプスとスーツに身を包んで浮かれるままに予定より早く帰国した。いたずらっぽくほほえんで、くるりと一回転しながらリビングに飛び込んだけれど、急な腰の痛みにぞっとした。また元に戻ってしまったのかという絶望感に襲われた。
父にしがみつき、気持ちをおちつかせようとすると、急に押しのけられた。
いままでしがみついていたのは、あの夜の男性だった。
7週間ぶりの再会でも、彼から漂ってくる嫌悪は少しも薄れていない。加えて敵意までうかがえる。
父とグラントとのただならぬ雰囲気に当惑した。何があったの?

「きみのような女のせいでかならず他人が犠牲になる。チャールズが罪を犯したのは、ろくでなしのばか娘のせいだ」


冒頭の経緯。父が医療費のために横領したのだと知ったデヴォンは、直訴に行ったものの、手術の話は作り話だと信じてもらえずけんもほろろに追い返される。いつ告訴されるのかと怯える父娘に、グラントから提案が…。父を僻地に赴任させ、その間彼の屋敷で彼が飽きるまでそばにいること。
「告訴しないでくれるならなんでもします」そう言った彼女に、愛人になることを命じた。

初めての夜、彼女の腰に走る新しい傷跡を彼が見つけるのは、中盤。後半は、過保護な彼の下で養生という名の囚人状態に、デヴォンがイライラする展開。
ウロウロとさまよってはダーリンに怒られて債務をいつ”回収”されるのかガクガクブルブルしながらも、彼の優しさに気がつくまでです。
ほのぼのした作品が多い作者にしては、鬼展開で読み応えのあるストーリーだった。
初期作品なので、作者の特徴であるラストのダーリンの長告白は若干短め。もちろん、不器用な言葉で一生懸命に告白してくれるので転がれます。
決定的な言葉を口にするまで、とぼけたヒロインは一緒です。
ジェシカのヒロインは、かわいい。

ジェシカ スティール読了一覧

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疑われた無垢 (ハーレクインコミックス)
(2013/12/02)
津谷 さとみ、ジェシカ・スティール 他

疑われた無垢 (ハーレクインコミックス)
優しいジェラシー ジェシカ スティール
2014年12月19日 (金) 13:18 | 編集
優しいジェラシー (ハーレクイン・イマージュ)
(2010/09)
ジェシカ スティール

優しいジェラシー (ハーレクイン・イマージュ)

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優しいジェラシー 

ジェシカ スティール

「うちの敷地から出ていって、二度と足を踏み入れるな」新しく地主となったタイ・アラダイスの言葉に、フィンの怒りはおさまらなかった。なんていやな男。いくら従姉妹が彼の弟のアッシュの恋心をもてあそんだからといって、わたしまで侮辱するなんて。フィンはタイの言葉などおかまいなしに、借地とはいえ、亡くした父と長く過ごした懐かしい農場を訪れた。林の中を歩くうちに池の岸辺にたどり着き、そのとき悲鳴が響いた。池の奥の暗がりで、誰かが溺れて助けを求めている―アッシュだ!フィンは服を脱ぎ捨てて飛び込んだ。なんとか彼を岸まで引きあげたが、その直後、彼女は弟を捜しに来たタイとでくわす羽目になった。びしょ濡れの乱れた下着姿のまま…。
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copyright 2009
The girl from Honeysuckle Farm

ヒロインは、唯一の家族である愛馬のためにかなり悲壮感漂う境遇ですが、出だしの一文だけで、ジェシカ作品のヒロインのあり方が伝わってくるような、ちょっと方向性が微妙とはいえ、前向きで一生懸命な娘です。
ヒーローであるタイは、出だしは鬼野郎ですが、優しくて良い男です。
失恋の痛手で憔悴する弟のためにと雇ったフィンに対し、なみなみならぬ想いを寄せるタイが、ちょっぴり弟に嫉妬してしまう辺りのジレンマが楽しい。
男性視点がないのが特徴のジェシカ作品。ラストに長々とダーリンが告白してくれます。そんな彼の心中にきがつかない、うぶでニブすぎるヒロインのフィンの、「あら!、まぁ!」が、毎度定番とはいえ可愛いのです。
ジェシカ作品ファンのひいき目の感想にてご注意。


あらすじ
フィンはできるだけ事態の明るい面を見ようと努力した。だが立ちこめる暗雲の中には、ひと筋の希望の光も見いだせなかった。
フィンは、祖父が懸命に耕したハニーサックル農場には興味をもたず、日々楽しく生きる夢想家だった。そんな父に、現実家でしっかり者の母はとうとう耐えきれず家を出た。
フィンは母に代わって、父を支えくらしてきたが、その父が亡くなり借地代を滞納していたつけはフィンに回ってきた。
地主のアライダス家の弟が、父の葬儀に来たときのこと。しばらく会わなかった従妹リーアンが弟アシュレイと付き合いだした。
ところがしばらくすると、リーアンは、アシュレイは土地の管理だけで何も相続しないと知るや否や逃げ出したのだ。アシュレイは失恋で落ち込んでいるらしく、地主に会わす顔がない。
金銭的にも農場を引き払わなければならないことはわかっているが、問題は愛馬のルビーだった。
年老いたルビーにかかる治療費だけでも馬鹿にならない。ペギーの乗馬学校で馬と一緒に仕事も世話をしてもらえることになったが、ここでもまた雇い主が代わり、ジェラルディンからは出て行くようにと言われてしまった…。
荷造りのために、フラットを見回すとカメラが目に止まった。リーアンからアッシュに返して欲しいと頼まれたものだ。アッシュはカメラを口実にリーアンと話がしたかったのだろう。
フィンはアライダス家に向かった。
大きな扉が開き  フィンの笑みは途中で凍りついた。背の高い黒髪の男性が、フィンの名前を聞くなり、怒鳴ったのだ。

「ここから出て行け!二度とうちの敷地に足を踏み入れるな!」


冒頭の経緯。新しい地主のタイ・アライダスには出て行けと言われ、職もなく住む家もなく、愛馬ルビーとともに途方にくれるフィンは、生まれた農場にしばらく隠れ住むことを考える。
その途中、池で溺れる弟アシュレイを見つけた。素早く服を脱ぎ、足がつったと言うアシュレイをなんとか引き上げて、愛馬ルビーを探すと、そこにはタイの姿が。下着姿の彼女に向かって彼は、また怒鳴った。「呑みだらけの老いぼれ馬を放り出してやる」

アッシュに事情を聞いたタイは態度を一変。住み込みで弟のコンパニオン(話し相手)を頼まれる。
行き場のない彼女は、タイに従い、落ち込むアシュレイの気を紛らわせようとするが、タイの恋人だと誤解される。
アシュレイは乗馬学校のジェラルディンが気に入るが、そのことをタイは知らず、弟のためにと友人を呼んでパーティーをすれば、フィンを狙う男に嫉妬し、さらには弟にまで嫉妬するという展開。
フィンのほうは、最初はみじめな境遇であれ、父を恨むことなく、ピアノを教え人生の楽しさをおしえてくれた父への思慕と、農場を放置し荒れ果ててしまった責任の間や、愛馬ルビーの死などについて、考えることがいっぱいで、切ないタイへの想いをつのらせつつも、嫉妬にモンモンとするタイの胸中に思い至るわけもないのである。
あら、まぁ!
お気に入りのロマなのです。

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ぷりぷり怒って可愛らしいところは、ジェシカ作品らしさがあるけれど、冒頭は原作より悲壮感がない。
優しいジェラシー (ハーレクインコミックス)
(2013/04/10)
くればやし月子、ジェシカ・スティール 他

優しいジェラシー (ハーレクインコミックス)
君に甘いつぐないを ジェシカ スティール
2014年12月17日 (水) 09:20 | 編集
優しいジェラシー (ハーレクイン・イマージュ)
(2010/09)
ジェシカ スティール

優しいジェラシー (ハーレクイン・イマージュ)

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君に甘いつぐないを 

ジェシカ スティール

深夜、タリーは兄が勤める会社のオフィスに忍び込んだ。なんとしても、このお金を金庫に戻さなければ。もとはといえば、軽率な兄が持ち逃げしようとしたものだけれど、タリーは彼を諭して会社に返すことで納得させた。誰にも気づかれないように、彼女が返してくると請け合って……。でも金庫を開けてお金を戻そうとしたとたん、部屋の明かりがついた!「驚いたな、犯人は一人だけ。それも、子供なみに小柄だ」大柄な男性が険しい目でタリーを見つめている。兄が会うのを最も恐れていた、社長のイェイト・ミーケムに違いない。この男性は、きっと私を容赦なく扱うだろう。肉親をかばうために、タリーは自分がどうされようと甘んじて受け入れる覚悟を決めた。(I2215)
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copyright 1979
Hostage to dishonour

兄の尻拭いで金庫に金を返すために忍び込んだ現場を、現行犯で捕まってしまったタリー。警察に渡すことなく、連れて帰った社長のイェイト・ミーケムに愛人関係を求められるが…

初期の頃の鬼ロマです。
愛人関係を要求したものの、車椅子生活の弟の婚約祝いに彼女を同伴し、理解あるタリーは兄イェイトと弟との間の溝を埋めるために力を貸すことに。
状況証拠での思い込みがテーマ。弟との喧嘩の原因、そして再び繰り返されようとしていいる、兄弟間の思い込みと嫉妬、そこから兄と弟は人を信じることを学ぶというお話。
明るく脳天気に笑ってしまう背中の痒い話の多い中で、全体的に重い雰囲気のお話ですが、良いロマです。

あらすじ
タリーはハワードとの結婚を考えていた。明日一緒にでかけてハワードの両親に会い、一週間ほど過ごす予定になっている。
兄リチャードはいつも仕事が続かないが、今夜は機嫌がいい。母は義父モンティと結婚しがが、母が亡くなると遺産をモンティに全部譲渡してしまった。兄は、ワイン造りの計画が駄目になり、すねていたのだ。
ところが、タリーは兄の寝室で偶然、大金を見つけた。機嫌の良さは大金が原因だったのだ。
ごねる兄を必至で説き伏せ、タリーは兄の勤める事務所に忍び込み、金を金庫に戻しはじめた。
ビニール袋を放り出して札束をつかむ。額から汗が吹き出す。
刺すような緊張感が背中を下りていく。
後ろで物音がしなかった?

「犯人は一人だけだ、ボブ。それも、子供なみに小柄だな」

社長のイェイト・ミーケムはとても大きく思えた。おそらく恐怖のせいで、実際より大きく見えているのだろう。イェイトが身体検査を始め、手が体の前にまわると、反射的に手を押しのけた。「動くな!」
三万ポンドの大金を盗んだ疑いをかけられながらも、警察に知らせずに、イェイトの自宅に衣類をとりあげられ、軟禁状態になってしまったタリー。兄の名前を出すこともできずにいたが、イェイトは既に見当をつけており、共犯を疑われた。

「いい子にしているんだ。さもないと、報いを受ける瞬間が予想より早くくることになる」


前半の経緯。イェイトは、兄をうまく言いくるめ彼女のスーツケースを手に入れると、彼の家族に会いに行くと言う。彼に対し恐怖でいっぱいのタリーだが、彼の家族に会うと、様々な感情が駆けめぐっていた。
同じ部屋で、彼に強要され愛人になることに怯えていたが、彼と弟バートとの溝を理解するうちに変化しはじめる…
後半、彼の立場を理解し、協力することに同意。弟が車椅子になったことで自分を責めるイェイト。弟と無事仲直りできるのか?そして、彼女への疑いはどうなるのか?

前半は、ガクガクブルブル。悪い女だと思い込まれているのだが、バージンの乙女の怯えっぷりが切実で、可哀想。虐めているのは自分だと、苦い気分のイェイトは、やがて彼女を理解し愛しはじめる展開です。
ラストは人が変わったような激甘の告白。あら、まぁ、ダーリン!は、そんなに長くない。(注;ジェシカ比)
兄弟間の確執を交えて、さくっと楽しめる鬼ロマ。

ジェシカ スティール読了一覧

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