本読み隊
本の感想・紹介です 。主にコバルト文庫・角川ビーインズ・ビーズログ文庫・一迅社アイリスなどの少女趣味ライトノベル、ハーレクインなどの海外ロマンスなど、3500冊。★スマホからご覧になる方は「海外ロマンス読了一覧」など一部の記事のスクロールが長くなるの場合、”PC”ボタンでPCに切り替えて見ることをオススメです★
ヴィクトリアン・ココア レディースメイドと銀の暗殺者 瑞山 いつき
2016年10月05日 (水) 19:55 | 編集

ヴィクトリアン・ココア レディースメイドと銀の暗殺者 (一迅社文庫アイリス)
2016/7/20
瑞山 いつき (著), 紫 真依 (イラスト)

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ヴィクトリアン・ココア
レディースメイドと銀の暗殺者

瑞山 いつき

有能だけれど、ちょっぴり特殊な使用人が集まるヤードリー男爵の屋敷。ある日、そこで働くココア好きのメイド・フェイスは、危険な任務を命じられた。それは執事を目指すイケメン(ヘタレ)幼なじみライリーとともに、脅迫状が届いたステイシー一族の護衛をすることに! 緊迫の状況下、ついに敵が美貌の暗殺者ノアを送り込み……。って、撃退したのはいいけれど、敵のノアに口説かれたり、迫られるのはおかしくない!? それに、ノアが絡むとライリーが不機嫌になるのはどうして? 恋に鈍感な戦うメイドのラブファンタジー!
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戦闘訓練の施設で育った訳ありメイドさんの推理物的なラブコメです。
ローティーンでも楽しめるような砕けた口調なので、ヴィクトリアンな雰囲気もメイドの地位に関しては詳細な説明ながらもなんちゃって感が強いです。その辺りの舞台設定にこだわりがある方はご注意。
事件解決まで奔走する戦闘能力の高いメイドさんなので、ロマンチックな乙女心を求めると外れます。
ラブが薄いうえに、主人公たちの事柄に関してかなり曖昧なままで、ちょっと物足りなかった。続刊があるなら、面白くなりそうだけれど、どうだろう?

あらすじ
フェイスにとってのココアは、生きる希望であり、幸せの象徴だ。
濃厚な甘さと、優しく包みこむようなカカオの香り、骨身に沁みる温かさ。

『いい子だから飲んでくれよ……ほら、温かいだろう? 甘いだろう?』

半泣きの少年の声が、『生きてほしい』と願ってくれたから  
(生きているよ。幸せだよ……テン)
■□■
社交界や軍事関係で知らぬ者はいないヤードリー男爵家に使えるフェイスは、幼馴染のライリーとともに、男爵に呼び出された。
ヤードリー男爵が私財を投じる「聖ジョンの館」で育てられた子供たちは、各方面で才能を見せつけ、それを証明させていた。この屋敷にいる若い使用人のほとんどは、その「聖ジョンの館」の出身者だ。

「……旦那様に拾っていただいてから12年です。16歳になりました」

「うむ。世界のすべてに怯えていた仔猫が大きくなったものだ」

ステイシー卿の屋敷で、未娘の婚約発表を目的とした宴が催される。人手が足りないので、うちの使用人を貸してくれないかと打診が来たというのだ。だが、本来の『仕事』は、脅迫状から令嬢を守ること…。


冒頭の経緯。令嬢ハリエット・ステイシーの側使えをすることになったフェイスは、政略結婚ながらもロバートとの結婚に夢をみるハリエットに好感を感じる。一方、ライリーは従僕としてロバートや屋敷の動向を探ることに。
そんなとき、ハリエットがロバートから呼び出しの手紙を受け取り…

フェイスが令嬢を守るために代わりに向かうと、謎の男ノアと戦うことに。かつての幼い頃の恩人テンを彷彿とさせながらも、飄々とフェイスを口説きにかかる彼の言動に、フェイスはヤキモキ&ムッキ〜!というドタバタ展開。
脅迫事件の真相はすっきりまとまります。
天然鈍感で戦闘能力の高いフェイスをめぐっての、幼馴染ライリーVS謎すぎる暗殺者ノアという構図なのだが、いろいろと謎なままで終わるので、今後どうなるのか、気になる。

エージェントコードとは多少舞台設定でつながりがあるようですが、物語上絡みはありません。単品でそれぞれ楽しめます。

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魔女の使い魔は王子様でした 瑞山いつき
2015年08月30日 (日) 20:55 | 編集

魔女の使い魔は王子様でした。 (一迅社文庫アイリス)
2015/6/19
瑞山 いつき (著),

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魔女の使い魔は王子様でした 

瑞山いつき

美女姿に変身していた魔女リタが、仔猫のような魔物と使い魔契約を結んだ翌朝―檻の中に入れていた魔物が、なぜか青年になっていた!?しかも彼は、自分はこの国の第一王子ヴァルトで、魔女に助けを求めに来たのだと分かりやすい嘘をつく始末。これは絶対に舐められている!しっかり躾けなければと思っていたけれど…。まさか本当に王子様だったなんて!?呪われた王子様をうっかり使い魔にしてしまった魔女の解呪ラブファンタジー。
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魔女リタが使い魔にしてしまったのは、呪をかけられた王子。
王子だと言っても信じてもらえないヴァルトは、使い魔扱いで四苦八苦。でも、そんな生活も悪くないと思えるほど、王子としてのアイデンティーが崩壊気味のヘタレ王子だけど…。
”ただいま”と帰ったら、”お帰り”と返してくれる誰かが欲しい。
そんなリタのささやかな望みが、キュンと可愛らしく、そんな彼女の気持ちを察してあげる優しさのある良い男なのです。
ベテラン作家の小技の効いた王道ストーリー。安定感のある楽しさ。
美麗ピンナップ付き。

あらすじ
美しい鎖骨と悩ましげな谷間。首筋が細い。
露わになった瞳に、ヴァルトは目を見はった。
助けを求める魔女が彼女だなんて、こんな偶然……。

  運命に決まっている。

■□■
寝室の角に、木製の檻が置かれているのはわかっている。
昨夜、リタが作ったものだ。
中に入れたものも覚えている。黒い子猫に似た小さな魔物で、今日から共に暮らすのだとわくわくしながら就寝したのに……  
今にも壊れそうな檻には、窮屈そうに背中を丸めて首を斜めにし、手足を縮めている成人男性が入っていた。
お互いに目を見開いて沈黙し、質問する声がぴたりと重なった。

「「………誰?」」


冒頭の経緯。解呪を依頼にきた王子ヴァルトが一目惚れした魔女は仮の姿で、リタは16歳の少女でガッカリ。
一方、リタはそんなヴァルトの言動から王子であることを信じず、使い魔扱い。
だが、話せば話すほど、今の自分にどれほどの価値があるのかと思い悩む王子の姿は、幼い頃母に捨てられてしまった小さな魔女が何度も繰り返していた疑問と重なった。
額の”太陽”(ソル)が真っ青に輝いた時、魔女は”異界”(ゼノ)に旅立つ。母も異界へ行ってしまったことで、リタは魔女としての修業を積み、いつか”異界”に旅立つことを夢見ているのだ。
  いまは『いってきます』と『ただいま』が言える。
しかし、魔物の彼は日に日に成長している。このままでは間もなく人であることを完全に忘れた魔物になってしまう…

度重なる襲撃。ヴァルトに呪をかけたのは何者なのか?
人間の王子だと理解し、使い魔の契約を解除したけれど…!?
というわけで、ストーリーは王道な展開になるのだが、ファンタジーを得意とする作者らしい設定や世界観、お互いに孤独な主人公たちの成長は楽しかった。
スッキリと決着してくれるので、読み切りかと思われますが、このままじゃお茶飲み友達だし…続刊は有るのかしら?

一目惚れ美女に育つのを待つつもりか?

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ガラクタ伯爵の婚約 人形の花嫁の欠けた心 瑞山 いつき
2014年08月25日 (月) 13:23 | 編集
ガラクタ伯爵の婚約 人形の花嫁の欠けた心 (一迅社文庫アイリス)
(2014/06/20)
瑞山 いつき

ガラクタ伯爵の婚約 人形の花嫁の欠けた心 (一迅社文庫アイリス)

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ガラクタ伯爵の婚約
人形の花嫁の欠けた心 

瑞山 いつき

「ガラクタ伯爵は、自動人形しか愛せない」そう噂されている青年アダムと、人形のような伯爵令嬢セラフィーナは婚約することに。それは、困窮している彼女の家を救う代償として、彼が求めたことだったはずなのだが…。アダムの城へ着いた彼女は、出会ったばかりで押し倒されたあげく、冷たい言葉を投げかけられて!?契約からはじまる、不器用な変人伯爵とのラブファンタジー
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シュールな笑いの中でしっとりとまとまった、とても良いファンタジーでした。一冊読み切り。
人形のような少女が、人形だらけの街の領主に嫁ぎ、乙女心を理解しえない人形作りの富豪の青年アダムや、その館の唯一の人間である執事バートランド、美しくあることを使命に生きる人形シェリーと関わりながら、人間らしさを取り戻し毅然とした自分の意見をもつまでの成長が描かれます。
変人伯爵のアダムと薄幸のヒロインセラフィーナとの掛け合いだけではなく、魅力あふれる脇キャラもとても素敵でした。
美麗なイラストが彩りを添えてくれます。是非一読

あらすじ
他界した父の領地を守るために、もうこれしかないのだと  
兄を喜ばせるために承諾したというのに、あまり喜んでくれなかったようだ。

「わたしに不満などございません」

繰り返した言葉は確かに耳に入ったはずなのに、兄はいつまでも頭を下げ続けた。

  笑ってもらえれば、愛してもらえれば、それでよかったのに……。

■□■
「お可愛そうなお嬢様。ガラクタ伯爵に嫁がれるとは」
出立の朝、侍女頭はふいに目を潤ませた。
あれを売ればという責めるような視線が、子守り人形に向かったのがわかって、、セラフィーナはわずかに顔を曇らせる。
(売るわけはないでしょう)
  人形は人間と違ってずっと側にいてくれるし、こうして一緒に嫁ぎ先にも行ける。
かの地では自動人形が人間のように生活して税を収めているらしい。
(ナトロライトの街に行けば、アリーセにも魂が宿るのかしら?)
迎えにきたバートランドは、人間は主とわたし一人だという。
「それで生活に不備はないでしょうか?」尋ねれば、しっかりとバートランドは首肯した。「ありません」
アリーセと一緒にいても気味が悪いと言われることはないのだと、口元が綻びそうになる。

「『役目を終え、ナトロライトの街に戻った自動人形には魂がやどる』?」

おとぎ話のような噂を口にすると、バートランドは微笑んだ。
花嫁の到着を人形達が出迎える。人のいない騒がしい街は不気味だった。
その矢先、馬車が襲われ、セラフィーナをかばったアリーセからオイルがこぼれた。
襲撃の恐ろしさよりも、アリーセが動かなくなってしまったほうが恐ろしくて哀しかった。


冒頭の経緯。セラフィーナの部屋に、花嫁の格好をしたアダムが乱入。襲われ涙を流す彼女だが、アダムが製作中の人形のことしか考えなかったのだと知る。
アリーセを失ったことで、寂しさと恐怖に怯えていたが、アダムに人間らしいほうがいいと言われ、新しい生活に慣れ始める。
後半は、母と兄の登場。愛されていないと感じていたが、愛されていたのだと嬉しさを感じたものの、飛行船に拉致され、押し付けるような一方的な利己的ものだと理解したが、時は遅く…

人形ばかり相手にしているせいで、乙女心に鈍く、彼の唐突な行動はセラフィーナを怯えさせる。
そんな二人の間に執事や、人形シェリーが上手い具合に突っ込みを入れるのだが、とても微笑ましい。
幼いころから大好きだった、子守り人形のアリーセのことは、切なかったけれど、アダムの成長と心遣いが嬉しく、二人のなれそめのSSがきゅんとくる、とても良い読後感でした。
満足。

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眠れない悪魔と鳥籠の歌姫 悪魔に歌う子守唄 瑞山 いつき
2014年04月19日 (土) 10:19 | 編集
眠れない悪魔と鳥籠の歌姫 悪魔に歌う子守唄 (一迅社文庫アイリス)眠れない悪魔と鳥籠の歌姫 悪魔に歌う子守唄 (一迅社文庫アイリス)
(2014/01/18)
瑞山 いつき

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眠れない悪魔と鳥籠の歌姫
悪魔に歌う子守唄 

瑞山 いつき

冷酷で美しい悪魔憑きの青年・アルドと、彼に自ら囚われた精霊使いの歌姫ニーナ。アルドの悪魔を眠らせるために子守唄を歌う生活を続けていたニーナは、悪魔を探す異国の精霊使いシャハルと出会う。悪魔ごとアルドを殺そうとするシャハルと生活を共にすることになったニーナは、自分の心にある気持ちが育っていると気づき―。悪魔が解放される時、彼に囚われた歌姫が取った行動とは。大人気ラブファンタジーの続編が登場!!
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眠れない悪魔と鳥籠の歌姫』2012/03 の続編。
悪魔を眠らせるために、添い寝をしながら歌を歌うニーナ。二人の出会いと、アルドを狙うグラーブの存在などは、前の巻を読まないと理解できないので、こちらの巻からどうぞ。

ニーナが町で困っているところを助けた精霊使いの男シャハルに、アルドの悪魔を落とす相談をもちかけたことで、二人の関係は変化します。
添い寝をする割には、自分の気持ちに気がついていない天然なニーナと、彼女に対し独占欲剥き出しのアルドとの艶めいた色気が良い雰囲気で楽しかった。

あらすじ
(気をつけなきゃ)
アルドが眠るためには自分が必要だから、現状はうけいれた。けれど、一生このままでいいとは思っていない。だから何度も何度も、自分に言い聞かせる。

  悪魔との共寝に慣れてはいけない。

この心地よさに慣れてしまえば、離れられなくなってしまう。
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肉やの店先でカモにされているいい男を見つけた。犯罪者の町ウズンには相応しくない異国の男を助けてしまった。真摯な眼差しと、穏やかな口調。見ず知らずの人間に警戒することも忘れて、ニーナの好奇心が動いた。
背中からかかった声に律儀に足を止め、男が振り返る。

「悪魔を探しにきたんだ」


シャハル・カルンと名乗った男も精霊使いだった。
精霊石を使い、精霊達の力を使うニーナ。精霊を従わせる力は、悪魔にも有効らしく、アルドに『命令』をすれば、彼はその命令にさからえない。
そんな、ニーナとアルドの関係。
魂を悪魔にとりこまれていない状態の彼に興味をもったシャハルは、ニーナの頼みで資料の解読を手伝うことになった。
アルドはそれが気に入らないながらも、しぶしぶ受け入れる。ニーナはアルドの悪魔を落とす方法を見つけたかった…

というわけで、後半は、サミアの表の顔である地方総督副官ルカの顔で、場所を移っての悪魔落としの顛末。
再びアルドを狙うグラーブ。
シャハルの本当の目的は?

続刊出てくれてかなり嬉しい。悪魔らしいゾクゾクした雰囲気はバッチリ。ヒロインの気質が気に入るかどうか、好みが別れそう。独特の世界を造り出す作者らしい作品で、面白かった。
本当は、5巻くらいにまとめて欲しかったナ。

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世界最後の魔法使いの最後の恋  瑞山 いつき
2013年11月05日 (火) 11:44 | 編集
世界最後の魔法使いの最後の恋 (一迅社文庫アイリス)
(2013/07/20)
瑞山 いつき

世界最後の魔法使いの最後の恋 (一迅社文庫アイリス)

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世界最後の魔法使いの最後の恋/瑞山いつき

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世界最後の魔法使いの最後の恋  

瑞山 いつき

翼猫と共に言葉を届ける「再生屋」のサラ。彼女は空から落ちてきた不思議な少女の言葉を伝えるため、伝説の魔法使いウィアードの許を訪れる。整った外見だが、冷たく人を拒絶する魔法使いは、出会った時から印象最悪!かかわりたくないと思っていたのに、彼はサラの相棒の翼猫を気に入り「お前ごと翼猫をもらい受ける」と言ってきて…。世界最後の魔法使いと、真実の恋を求める少女。二人の想いが世界の運命を揺るがす―!!
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翼猫ミルクの力をかり、言葉を届ける「再生屋」のサラ。
少女の言葉を届けるために、二百歳を越えるという魔法使いウィアードのもとを訪れるが、若返った魔法使いは彼女のミルクを可愛がり、いままで人にも動物にも嫌われていることを吐露する。
そんな彼を可愛く思うサラ。一方で、両親からも勧められている漠然とした恋人候補のジュダスとの関係を、レールを敷かれたように感じ、自ら誰かを選びたいと思う。
恋も、仕事も、自分で何かを成し遂げたいと思う少女は、変わり者の魔法使いと出会い彼を知ることで変わりはじめるという物語。
一方で、異界からきた娘イリスの目的は、恐ろしいもの。魔法使いは世界を救うことができるのか?

魔法の世界の美しい描写はあいかわらずウットリで、魔法使いの突然の甘い言動に揺れる乙女心などかなり好みだと感じつつ、異世界の扉と、世界の危機にまで話が及びかなり詰め込んだために、キャラの詰めが甘いのが残念。
ジュダスは何をしてくれるのかと、ワクワクしただけに、彼の行動は微妙
突っ込みどころも多々ありますが、さくっと飽きずにラストまで読めて、読後感も悪くないです。

あらすじ
人の想いが凝縮されている魔法の珠を人々は言魂と呼んだ。翼猫の力を使って作り、再生するのが「再生屋」のサラの仕事。
(くだらない)
いろんな意味で胸焼けがしそうな仕事が多い。仕事仲間で両親から結婚を期待されているジュダスとの関係もずっしりと重い。
そんなある日、王城からの依頼で突然現れた少女イリスの言葉を魔法使いウィアード・ヘルツアスに届けに行った。若過ぎる男を前に本当に魔法使いなのかと、ヘルツアス卿ですか?と確認すると、詐欺師あつかいするなら帰れと、とりつく島もない。
しかし、少女の言魂を伝えようとしたとたん感情を飲まれた

  怖い。怖い。怖い。わたしがやらなきゃ。

涙を流したサラにウィアードは上着を被せてくれた…
あの子は何をしようとしているの?
浮かんだ疑問を追い払いたくて、頭を振った。
かかわらない。私はただの再生屋…

翌朝、サラは小鳥を眺めるウィアードと話をする。小さな子供にも似た口調で、物怖じしないサラに寛容さをしめす魔法使い。彼はミルクを嬉しそうに可愛がった。
二百歳を越える世界最後の魔法使いは、魔法理論が大好きなだけで、ただの少年のような笑顔こそ可愛くて、サラは赤い髪に手を伸ばしそうになるのをギリギリで堪えた。


異界から来た少女イリスの目的を知ったウィアードは、異界の世界の終わりのような状態と、影獣の存在、それをこの世界に破棄しようとした扉の存在を彼女に明かす。
後半は、扉と影獣をどうすべきか、作戦を立てるウィアードと、ジュダスの企み。影獣との壮絶な戦いの展開。

自分の納得できる仕事をし、ほこりを持ちたい。恋も運命と呼べるような恋をしたい。一見冷静に見える彼女の中の熱い気持ちが、乙女ノベルらしい物語です
読み切りを意識してまとめられたけれど、上下巻に別けてもいい雰囲気のお話だったナ。細かな設定の割にストーリーは素直で分かりやすいのだが、安直だと感じる部分もあり。
お互いに惹かれ合うまでの過程と、ジュダスの嫉妬からの行動に厚みが欲しかった。ジュダス三下野郎でがっかりだ。
彼女を呼ぶ彼のラストの場面はとても素敵だった。
彼女の言葉を性格に覚えている彼の、”〜かもしれない”と、彼女の告白にクスッと笑いつつ、読後感は満足。

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眠れない悪魔と鳥籠の歌姫 瑞山 いつき
2012年09月07日 (金) 18:48 | 編集
眠れない悪魔と鳥籠の歌姫 (一迅社文庫アイリス)眠れない悪魔と鳥籠の歌姫 (一迅社文庫アイリス)
(2012/03/17)
瑞山 いつき

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眠れない悪魔と鳥籠の歌姫 

瑞山 いつき

闇オークションで売られていた歌姫ニーナを連れ出したのは、冷酷で美しい悪魔憑きの青年・アルドだった。彼の中の悪魔を眠らせるため、囚われて子守唄を歌うことになってしまったニーナ。しかし、精霊使いのニーナの言葉は、悪魔憑きのアルドを従わせる効果もあって…?いびつな関係を続けながらも、心を許し始めたふたりに、悪魔を求める総督の追手が迫る―。囚われの歌姫と眠れない悪魔が奏でるラブファンタジー。
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しっとりとした雰囲気と、コミカルな掛け合いが上手い 瑞山いつきさんの一迅社文庫アイリスの二作目です。
エージェント・コードは続刊がなくて残念でしたが、今回は期待してまス。
囚われた盗賊の娘 精霊使いであるニーナと、実験体として悪魔を封じ込められてしまった男とのお話でス。
悪魔が、出てこない時の彼は、高飛車で傲慢、プライドが高く、人から距離をおくために言葉がきつくなる、歪んだ性格の人で、二人の距離感は楽しい。

あらすじ
義賊『白鴉』頭領の娘ニーナ。父は捕まったら他人だと思えと言い残した。今は、運悪く闇オークションで売られそうになっている。歌を歌った彼女に言葉をかけた黒尽くめの男。怖いと感じたその男は、闇オークションを取り締まりに来た兵士達の混乱に紛れ彼女を連れ出した…
アルドと名乗り、高飛車な態度の無駄に美形のその男は、ウズンの町に向かう馬車の中で、悪魔に変貌し恐怖と化す。
 大蔵省の官僚で遭った彼は、グラーブ・マグナーの不正を見つけ、殺される代わりに悪魔を封じ込められた彼は、実験体にされてきた。悪魔に体を乗っ取られないために、眠ることもできない彼。しかし、彼女の歌は彼の安眠を誘い、悪魔も彼も眠らせる…

「手錠の意味を聞いてもいいかしら?」
「外したら逃げるでしょう?俺には悪魔が封印されているんです」

精霊使いを兵器利用するべく狙われる彼女と、アルドを取り戻したいグラーブの思惑。
家族を盾に取られた彼女は…

安眠にかこつけて、手放そうとしないイチャイチャした雰囲気と、お互いの意地の張り合いはいい雰囲気だった。ただ、話は読みやすいが割と単純で、二人とも素直にくっついてしまったので、続刊で葛藤してほしいものダ。ウズンの町を仕切るサミアや、軍の豪快なお姉様クロエなど、アルドをいじるキャラの掛け合いもコミカルで楽しかった。

続刊でました。2巻完結で、かなり質の高いお話になっております。おすすめ。

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