本読み隊
本の感想・紹介です 。主にコバルト文庫・角川ビーインズ・ビーズログ文庫・一迅社アイリスなどの少女趣味ライトノベル、ハーレクインなどの海外ロマンスなど、3500冊。★スマホからご覧になる方は「海外ロマンス読了一覧」など一部の記事のスクロールが長くなるの場合、”PC”ボタンでPCに切り替えて見ることをオススメです★
図説 英国執事 貴族をささえる執事の素顔 村上リコ
2016年01月03日 (日) 01:45 | 編集

図説 英国執事 貴族をささえる執事の素顔 (ふくろうの本/世界の文化)
2012/6/20
村上 リコ (著)


図説 英国執事 
貴族をささえる執事の素顔 

村上リコ

幻想に包まれた「英国執事」。その歴史と現実の生活をさまざまな図像と資料を用いて明らかにする、初めての一冊。
古き良き時代の、貴族と男性使用人たちの生活とは? 何を思い、どんな仕事をしていたの? 何時に起きて、給料はいくら? 出世の道は? 恋や結婚は? 御主人様や奥方様とのあやうい関係? ときには犯罪に走ることも……?
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メイドの資料は多いが、執事の資料は意外に少ない。
リージェンシーロマンスを読むうえで、魅惑の執事は欠かせない存在。
だが、実際の彼らの生活がどんなものであったのか?
複雑きわまりない彼らの出世の段階や、貴族階級への呼称一覧、仕事別のお仕着せの略装や盛装、彼らの出世や賃金、主人との関係、失敗談や女性関係、家族をもつことのできない理由など、当時の資料や数多くの小話とともに、彼らの素顔に迫る。
ヒストリカルロマ好きなら、一度は読んでおきたい本

【目次】
序章 執事の幻影

 英国の階級
 執事に扮する政治家たち

第1章 執事の起源
 主な家事使用人一覧

第2章 主人の生活
 クリヴデンとアスター子爵家
 英国貴族の呼称と呼びかけ方

第3章 執事の出世
 執事と従者の服装

第4章 執事の日課
 神話と化す失敗談

第5章 執事の生活
 「食事手当」あれこれ

第6章 執事の余暇
 インドア派の執事たち

第7章 執事の堕落
 二◯世紀の殺人執事、ロイ・フォンテーン

第8章 執事と主人

家族のように必要とされながらも、家族とは別の使用人として絶対的な線を引かれたイギリスの階級社会。そんな中で、彼らがどのように生きていたのか?
すばらしいふくらはぎと高い背が、執事として好まれることなどの一般的なことから、執事のちょっとした小遣い稼ぎの「役得」の小話など、当時の雑誌「パンチ」などを主に、写真や挿絵を数多く挿入。
執事どうしでボタンを交換することが趣味な人、主人を待つ間の持て余した時間を潰すために編み物を趣味にするなど、個性的な執事の話も身近に感じられて楽しい。






ビブリア古書堂の事件手帖 (6)  栞子さんと巡るさだめ 三上延
2015年06月24日 (水) 00:16 | 編集

ビブリア古書堂の事件手帖 (6) ~栞子さんと巡るさだめ~ (メディアワークス文庫)
2014/12/25
三上 延 (著)

---楽天---




ビブリア古書堂の事件手帖 (6)  
栞子さんと巡るさだめ 

三上延

太宰治の『晩年』を奪うため、美しき女店主に危害を加えた青年。ビブリア古書堂の二人の前に、彼が再び現れる。今度は依頼者として。違う『晩年』を捜しているという奇妙な依頼。署名ではないのに、太宰自筆と分かる珍しい書きこみがあるらしい。本を追ううちに、二人は驚くべき事実に辿り着く。四十七年前にあった太宰の稀覯本を巡る盗難事件。それには二人の祖父母が関わっていた。過去を再現するかのような奇妙な巡り合わせ。深い謎の先に待つのは偶然か必然か?
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今までの巻とは違って、物語の終わりに向かって一つの事件を追いかけながら色々な人物の背後関係に焦点をあてることに重点を置いているので、事件のトリックなどの肝心の部分が予想できたのは、ちょっと残念だった。
冒頭のプロローグは、この巻の事件後からの出来事で混乱した。いつケガした?と、かなり焦った。
とまぁ、マイナス部分を先にあげてみたが、おもしろいことは言うまでもないので割愛。
妹の恐ろしい拡散と、それに耐える恋人となった2人の淡い雰囲気がたまらなく萌転がれて楽しかったなど、あとは今更どこにでもある感想をだらだら書き込んでも、だれも興味ないだろう…ということで、これまでの人物関係&あらすじを簡単にまとめ。

これまでの流れとあらすじ
→1巻参照
栞子の持つ太宰治の『晩年』を奪うために危害を加えた青年・田中敏雄ががもうすぐ釈放される。
栞子は、田中敏雄の目の前で『晩年』を燃やし、一芝居打ったことで、田中敏雄は本物の所在は知らないはずだ。
だが、ビブリア古書堂に一通の手紙が届けられた。
本当に田中が書いたものなのかどうか、主人公・五浦大輔は、彼を探るために、直接会うことに。
しかし、田中敏雄は意外にも、違う『晩年』を捜して欲しいと大輔を通じて栞子に依頼を持ちかける…

田中敏雄の依頼は、祖父・田中嘉雄が生前安値で売るしかなかった太宰治の『晩年』の特別な本だという。
五浦大輔は、祖母の『漱石全集』の”それから”にまつわる出来事で、自分の祖母と田中敏雄の祖父の不倫関係を知ったことを胸にとどめたままだ。
調べを進めるうちに、田中嘉雄の仲間たち”ロマネスクの会”と、その集まり先をつきとめる。
しかし、その人物は、四十七年前にあった太宰の稀覯本を巡る盗難事件から、人を会うのことを拒むようになったと、その娘は語り、盗難事件の顛末を調べて欲しいと栞子に依頼した…

というわけで、その事件から、さらに複雑な人間関係が次々と明らかになるという展開。

---備忘録----
篠川智恵子 栞子母
篠川聖司  栞子祖父←依頼・稀覯本”駆け込み訴え”限定版の捜索

杉尾   虚貝堂主人

杉尾   ロマネスクの会 虚貝堂・杉尾の父
田中嘉雄 田中嘉雄祖父 ロマネスクの会 大輔の祖母と不倫
小谷次郎 ロマネスクの会
富沢博  教授 ”駆け込み訴え”持ち主
五浦絹子 大輔祖母
久我山尚大 栞子の祖父に古書業を教えていた人物

wiki/ビブリア古書堂の事件手帖

一般書 読了一覧

 
ケルトの封印 上 下 ジェームズ・ロリンズ
2014年10月21日 (火) 13:29 | 編集
ケルトの封印 上 (竹書房文庫)
(2014/04/24)
ジェームズ・ロリンズ

ケルトの封印 上 (竹書房文庫)

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BOOKFAN Yahoo!店→ケルトの封印 上/ジェームズ・ロリンズ
BOOKFAN Yahoo!店→ケルトの封印 下/ジェームズ・ロリンズ
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ケルトの封印

ジェームズ・ロリンズ

ヴァチカンのサンピエトロ大聖堂での神父、アフリカ・マリ共和国の難民キャンプでのアメリカ人大学生、アメリカのプリンストン大学での大学教授―三つの大陸で起きた三つの殺人事件には、ある共通点があった。シグマフォースのグレイ・ピアースは、ヴァチカンでの事件でおじが巻き添えになった元恋人レイチェルの依頼でイタリアに飛び、渦巻模様と円環の謎を追う。一方、マリで犠牲になった大学生の父親である上院議員の要請で調査を進めるペインター・クロウは、遺伝子組み換え作物を手がけるノルウェーの企業が事件の裏に存在することを突き止めた。だが、調査を進めるグレイとペインターに、炎と氷の脅威と裏切りの罠が迫る。「ドゥームズデイ・ブックの鍵」を巡り、シグマとギルドとの争奪戦の火ぶたが切って落とされた。
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copyright 2009
The doomsday key

「シグマフォース」シリーズの5巻目
最先端の科学知識と史実を元に構成され、謎を解きながらギルドとの戦いを描くアクションものです。
この巻は、シリーズを読んでいないと話に入り込めない部分が多いので初読を考える方はご注意。
「ドゥームズデイ・ブックの鍵」を求め奔走することになるグレイ。
彼は世界を、ある女性を、救うことができるのか?
キリスト教の下に隠されたケルトの遺跡の謎、遺伝子組み換え食品の恐怖、人口増加問題、種子保存のドゥームズデイ貯蔵庫、蜂群崩壊症候群(ミツバチの謎の失踪)といった事実や科学を織り交ぜ、次々に迫る危機に手に汗の展開です。

『ケルトの封印』という邦題からケルトの魔術的な部分を予想しますが、原題の『The doomsday key』の名のとおり、ドゥームズデイ・ブックを記した11世紀イングランド国王ウィリアムの土地台帳に記された「荒廃した」表記の謎に迫る物語となっているので、ケルト史に触れつつも彫り込みは浅いです。

『マギの聖骨』でのヒロイン・レイチェルの再投入で、セイチャンとグレイとレイチェルという構図がどう転ぶのか…。
綿密な調査と根拠がフィックションにリアリティーを添えてものすごく面白いのに、そこはかとなく漂う三流感は何故なのか、セイチャンとグレイの話がメインになるとどうしても感じてしまう登場人物への、様々な感情への感想はとりあえず横へ。
発火装置のついたクロスボウから、WASPナイフに、シロクマを呼ぶ笛など、謎やアクションの他にも武器ネタも忘れずに入れてくれます。

あらすじ
歴史的史実に関して
十一世紀、イングランド国王ウィリアムは、王国全域の調査を実施するようにとの勅命を下した。調査結果は「Domesday Book(土地台帳)」という名の一冊の長大な書物に編纂された。いまだその調査の謎が多い。
そして、この書物は当時の人々から「Doomsday Book(終末の日の書)」と呼ばれることとなった。

十二世紀、アイルランドカトリックの司祭メル・メドック(後の聖マラキ)は、112名のローマ法王に関する知識を得たという。何より気がかりなのは、聖マラキの予言では、法王ベネディクト16世が予言に記された111番目の法王だという点である。その次の法王で世界は終末を迎えることとなる。

科学的事実に関して
2006年から2008年にかけての「蜂群崩壊症候群」について-割愛-

プロローグ
1086年春 イングランド
ウィリアムから勅命を受けた調査団マーティン・ボーは食料の備蓄があるにも関わらず、餓死者の村を調査する。遺体から出てきたものは…

現在
ヴァチカンの神父マルコが襲われた。叔父が襲われたことでグレイの元恋人レイチェルは彼に助けを求める。
叔父が残した袋に記された模様と中に入っていた小指。グレイがかけつけると、ホテルには拘束されたレイチェルと、1年ぶりとなるセイチャンの姿が…
同じ頃、アフリカの難民キャンプが襲撃された。殺された学生の父親である上院議員は、息子が死ぬ間際に送ったメールの調査を依頼するが、トウモコロシの遺伝子組み替えに隠された秘密が明らかに。それを知った教授は殺され、モンクと新人のジョン・クリードは、真相を追うことに…

二重スパイだと主張したセイチャン。しかし、再びの彼女の裏切りにより、時間との戦いを余儀なくされたグレイは、「ドゥームズデイ・ブックの鍵」を求め、泥炭火災の炎の川を渡り、極寒の荒海を乗り越え、”炎と氷の脅威”の売り文句の通り、ペインターは氷と戦う展開となっております。

ケルトの封印 下 (竹書房文庫)
(2014/04/24)
ジェームズ・ロリンズ

ケルトの封印 下 (竹書房文庫)


ケルトの封印 下 

ジェームズ・ロリンズ

「ドゥームズデイ・ブックの鍵」を探し求めて、グレイたちはウェールズ沖合いのバードジー島を調査する。一方、ペインターはノルウェー北極圏のスヴァールバル諸島にある世界種子貯蔵庫へと乗り込み、ヴィアタス社のCEOイヴァー・カールセンと対峙することとなる。カールセンを追及するペインターだが、すでに破壊の種子は世界各地に拡散しつつあった。「ドゥームズデイ・ブックの鍵」の正体は何か?それは人類にとって癒しなのか、それとも呪いなのか?法王の預言で知られる聖マラキの生涯や、黒い聖母の伝説を手がかりに、グレイたちは最終目的地へと向かう。だが、イングランドの湖水地方、北極圏、ウェールズを経て、グレイたちがたどり着いた「鍵」の在り処は、厳重な警備態勢の敷かれた意外な場所だった…。
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遺伝子組み換えの植物汚染。
事実、遺伝子レベルでの汚染が広がりつつあるなか、ある予感が…
泥炭の中からみつかったミイラ、ヴィアタス研究所で発見された遺体との共通点。イヴァー・カールセンのが上院議員を自分の都合のいいように操っていたのは間違いない。しかし、その目的は何なのか?
ペインターは上院議員の協力を得て、モンクとジョン・クリードを連れ世界食料サミットに参加し、イヴァー・カールセンに近づく。


謎やアクションは『ウバールの悪魔』より面白い。でも、『ロマの血脈』ほどじゃない。それなりに、恐怖感を煽られながら、手に汗の連続で面白かった。
でも、そこはかとなく漂う三流感は何故なのか…
登場人物は、ロマの血脈のモンクがかっこ良かっただけに、女子的に、今回もグレイには…ガッカ…
ここはかっこ良くヒーローには振舞って欲しいものだし、人間くさい部分はほのめかしつつも、読者の想像にまかせたほうがいいと思うのだが、やっぱりグレイは男くさいのだ。
セイチャンとレイチェルの間で、女子的にモヤモヤするのだ。
そんなところが、続刊が気になってしまう罠なのだがヌゥ〜〜!

”男の仕事に終わりはない”そうで…、忙しい所なんだが、ちょっとスリッパで叩いてもいいですか?

-----「シグマフォース」シリーズ------
1.マギの聖骨→アマゾン
2.ナチの亡霊→アマゾン
3.ユダの覚醒 上 下
0.ウバールの悪魔 上 下  シグマフォースシリーズ0
4.ロマの血脈 上 下 
5.ケルトの封印
6.ジェファーソンの密約→アマゾン2014/10/30発売

一般書 読了一覧

続刊出ますッ!


シャーリー・ホームズと緋色の憂鬱 高殿円
2014年09月27日 (土) 16:03 | 編集
シャーリー・ホームズと緋色の憂鬱
(2014/07/24)
高殿円

シャーリー・ホームズと緋色の憂鬱

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シャーリー・ホームズと緋色の憂鬱 

高殿円

2012年、オリンピック開催に沸くロンドン。アフガン帰りの軍医ジョー・ワトソンは、早々に除隊したものの、物価の高さと仕事のなさに鬱々としていた。このままでは路頭に迷ってしまう。そんな折、友人ミカーラからフラットシェアをすすめられた。シェアの相手はシャーリー・ホームズ。ちょっと変わった女性だという。だが、実際に会ったシャーリーは、ちょっとどころではなく変わっていた。乗馬服に身を包んだ清楚な美貌、人工心臓を抱えた薬漬けの身体、初対面で経歴を言い当てる鋭い観察眼、死体置き場で寝起きする図太い神経。なにより驚いたのは、彼女が頭脳と電脳を駆使して英国の危機に立ち向かう、世界唯一の顧問探偵であることだった。 ベイカー街221bで同居を始めてまもなく、ヤードの女刑事グロリア・レストレードが訪ねてきた。死体がピンク色に染まる中毒死が続発しているらしい。いまだ無職のジョーはシャーリーに連れられて調査に赴く。それは二人がコンビを組む、初めての事件だった。 表題作に短篇「シャーリー・ホームズとディオゲネスクラブ」を加えた、目覚ましい独創性と原作への愛に溢れた、女性化現代版ホームズ・パスティーシュ登場!
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高殿円さんのお声がかりで始まった、女性化現代版ホームズ・パスティーシュは、ミステリーマガジンでの企画”禁断の百合ホームズ”となって、『ミステリマガジン 2013年 04月号 [雑誌]』で前編が連載。
2014/4、5、7月号で完結した作品をまとめたもの。
+同人誌の形で出された『シャーリー・ホームズとディオゲネスクラブ』が収録
ラノベ感覚で読める楽しさあり。
ちなみに、百合要素はありません。
本の厚さはそれほどでもないのだが、読みごたえのあるお話です。
ホームズもワトソンも女性なら、レストレードはシングルマザー、犯人ももちろん女性、そして犯行の手口も女性ならではの発想。
事件に関しては男性が読んで楽しいのか、かなり微妙な雰囲気です。

あらすじは、かなり詳細にデータベースで紹介されており、ミステリなので、割愛。
007なみにぶっとんだハイテク設定と、ゴージャスな女性陣ですが、
この巻きは、『緋色の研究』からのパスティーシュで、原作の要素てんこもり。
出会いと事件です。

キャラに関しては、謎が多く、続刊が欲しいナ。
以下、続刊が出た場合に気になる点のまとめ、
アフガン帰りのジョー・ワトソン。多くを殺し過ぎたと言われ、重要人物の顔を唯一知るといわれる、いわくつきの軍医上がりの彼女は、平凡で普通に結婚を夢見ている。
ことの真相はどうなのか?
人工心臓を抱えるシャーリー・ホームズ。モリアーティー女史との因縁は重く、ラストのシーンにたどり着くまでの経緯は…なにヨ。
何があったのヨ。白雪姫の横で途方に暮れるこびと!気になるじゃないノ。続刊ッ!って、叫べば、My pleasure(喜んで)って出してくれないかしら。

高殿 円 読了一覧


上流階級 富久丸(ふくまる)百貨店外商部 高殿 円
2014年07月31日 (木) 14:11 | 編集
上流階級 富久丸(ふくまる)百貨店外商部
(2013/11/16)
高殿 円

上流階級 富久丸(ふくまる)百貨店外商部

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上流階級 富久丸(ふくまる)百貨店外商部 

高殿 円

バイトからのたたき上げである鮫島静緒は、百貨店の洋菓子部門でキャリアを積み重ねてきた30代半ばの苦労人だ。洋菓子以外にも手がけたフロアリニューアルが成功し、契約社員から晴れて正社員になったはいいが、突然の人事異動で男性ばかりの外商部に唯一の女性として配属される。実はカリスマ外商員・葉鳥の退職を控え、それまでに彼の顧客との太いパイプを繋げるべく、さまざまなメンバーが集められたのだった。これまで仕事では成功を収めてきた静緒だが、プライベートでは同僚・神野と別れたバツイチの身。勝手が違う外商の世界に戸惑いつつ、交渉成立を目指してお客様のところに足を運ぶが―。
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離婚を経験し「自分には恋愛は向いていない」と結論づけた、百貨店で働く女子、鮫島静緒。
高卒、製菓専門学校出でバイトから叩き上げ、出世した外商部で、慣れない外売という仕事につき、上流階級のお客様を相手に戸惑い苦悩しながらも、仕事の楽しさや、人間関係の素晴らしさに気がつくという話。
トッカンを読んだ方ならご存知かと思いますが、ハッピーエンドなロマンスではなく、仕事をバリバリこなし成長しながら、外商という仕事のノウハウや人生観を考えるといったお話です。
一般人には馴染みのない外商という仕事がどんなものなのか…。
冠婚葬祭、出産からその客の人生の終わりまで、無茶な注文すら叶えるために奔走し、その客の人生のパートナーのようなものなのだと、教えてくれる一冊です。
ちょっぴりほろ苦い、大人女子のためのエンタメ感のある作品

あらすじ
 青い目の白馬が回る。

七歳の私が好きだったのは、開店前になると分厚いガラスの扉の向こうにずらりと並ぶ、お仕着せを着せた販売員たちを見ていることだった。
大時計の針がぴったり十時を指すと、魔法のドアが開いて、待ちかまえていた私を宝石箱の中に招きいれる。

「ようこそ、いらっしゃいませ」

■□■
百貨店なんかで定価で買うのは馬鹿だと言われることも多い。
金持ちは少ない。
(だけど、いる)
その一割の金持ち相手に、百貨店の年商三割を叩き出す。それが静緒たち究極の営業  百貨店の外商なのだ。
鮫島静緒は中途採用で、しかも高卒である。父を仕事の事故で亡くした静緒は手に職をつけるため、製菓学校に進み、同窓だった君斗と雇われ店長とバイトという形で再会した。君斗は今でこそ”生クリーム王子”と呼ばれているが、富久丸百貨店に引き抜かれるまでずっと一緒にやってきた、いわば戦友だ。
君斗の作る品を、百貨店に送りつけ、ローベルジュの販売員として二年、富久丸百貨店芦屋川店に立ち、その実績を買われ契約社員になり、バイヤーになり、自信をつけたところに、急遽外商部への移動があったのだ。
伝説のスーパーカリスマ外商、そんな肩書きがまったく大仰でないほど、優れた外商員の葉鳥士郎。黒のボウタイが唯一許され、晴れている日も傘を持つ、富久丸百貨店の英国紳士こと葉鳥氏が、定年まで残す所あと二年というところでいきなり辞表を出したのは、今年四月のことだった。
関西の財界人との極太のVIPのお得様を誰が引き継ぐのか…
「女性をいれてください」
彼のこの鶴の一声で、正規の富久丸百貨店社員として男の城に入ることになったのだ。まだ外商に残れると決まったわけではないけれど。
葉鳥が退職までに、十人がテストされる。ノルマは毎月1500万。
桝家修平もそのひとり。初対面で悪感情をぶつけられたまま黙って逃げるほどヤワでもなかった。
入れたばかりのコーヒーを倒すふりをしてシャツにぶっかけてやった。

「で、これだけ?」

彼はそう言うと、事務所の電話の受話器をとり、グッチの店員を呼びつける。「暴言の代償がシャツ一枚」そう言って、目の前でシャツを脱いだ。あろうことか、それをゴミ箱に投げ捨てた。

「あんたのプライドって安いな」

半裸の背中を見送りながらひとりごちた。  そうでもないだろ、ミラ・ショーンだぞ。


冒頭の経緯。彼女の父への思慕、葉鳥士郎との出会いや敬愛の回想を交えながら、時にクリスマス前で品切れのカメンライダーのベルトを探し、有名パティシェのバースデーケーキをねだられ、パーティーのアイディアを出し、リホームの相談をうけ…
新規の顧客を探すとヤクザの愛人だたったり…
そんな中、葉鳥士郎の客の近くに住むべきだという提案で芦屋のマンションを紹介されて住み始めると、桝家が同居することになって…

桝家を知ったり、元夫と話しをしたり、葉鳥士郎と客の関係を勉強したりと、前半はとりとめのない雑多な出来事が多いのだが、後半でそれらが繋がって解決していく子気味よさが楽しかった。
桝家は、ぼんぼんのようで、なかなか鋭い男なのだが、後半は、かなりキャラが変わって笑う。とりあえず、彼の秘密はヒミツにしておこう。
威勢が良く機転のきく、頑張る女子が好きな人は楽しい作品だと感じると思う。

高殿 円 読了一覧

一般書 読了一覧
天切り松闇がたり 第五巻 ライムライト 浅田 次郎
2014年06月03日 (火) 13:04 | 編集
天切り松闇がたり 第五巻 ライムライト
(2014/01/24)
浅田 次郎

天切り松闇がたり 第五巻 ライムライト

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天切り松闇がたり
第五巻 ライムライト 

浅田 次郎

五・一五事件の前日に来日した大スター、チャップリンの知られざる暗殺計画とは―粋と仁義を体現する伝説の夜盗たちが、昭和の帝都を駆け抜ける。人気シリーズ、9年ぶりの最新刊。表題作「ライムライト」ほか5編を収録。
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仕立て屋銀次が跡目とまで言った中抜きの名人、細目の安吉。正面切っての押し込み強盗、人呼んで説教寅。玄の前の女掏摸、振袖おこん。俺に天切りの技を教えてくれた、黄不動の栄治。そして百面相の常。まあ、俺なんざァみそっかすの使い走りだが、これだけの芸人が揃えば、かかわらずにおれねえ話しがいくらでもあるのァ当たり前さ。

9年ぶりの新作なら、本の中身の皆様がたも年を経ての闇語り。
時は昭和。震災の焼け跡から復興した帝都東京は、不穏な空気に満ちている。任侠あふれる彼らの男気は、相も変わらずだが、年を重ねたぶんだけ背負った重さを感じさせる短編集。
一巻の頃の若い勢いとは違った、年を経た哀愁や苦さを感じても、カッコつけるかっこよさが素敵です。
ただ、この巻だけで読んでも、キャラに思い入れがしにくいので、ご注意。

あらすじ
●男意気初春義理事
年の末、赤坂署の交番に立つ新米の巡査にある老人が声をかけた。
「坂を登るのも億劫だ。若え衆にサシで話を聞かせるのも悪かねえ」

仕立て屋銀次が牢で亡くなり、細目の安が葬式を仕切ることになったが、親分衆や、警察は色めきたつ…

●月光価千金
ハンサム・ボーイで大金持ち。齢は三つも下。まことのジェントルマンに惚れられてしまった、おこんさんの選択は…

●箱師勘兵衛
掏摸は列車の車内ではしてはならない。車内は箱師と呼ばれる掏摸集団の縄張り。箱師勘兵衛と、50を半ばに西路戦争を今も引きずる寅兄ィの話。

●薔薇窓
田舎から出た娘は、娼婦となり、妾となってしまった。
千代子はどんな時でも、汽車を見送ってくれた先生の言葉に縋った。

●琥珀色の涙
結核の快癒した栄治は35歳。なさぬ仲の父である親方は、ようやく納得のいく仕事をしたと高笑いをした。しかし、それは栄治の実の父の屋敷…

●ライムライト
5.15事件となる犬養毅暗殺にチャップリンの暗殺も計画されているという。
常次郎は、たぶん素顔にちがいないつるりとした白面をもたげて、たぶん地声にちがいない低い声で言った。

「売られた喧嘩は買ってやる」


どの話も、男気とつっぱりに、ホロリとくる
ファンの要望に応えての…といった雰囲気の一冊。松を中心とした新しい展開はない。天切りは一人前になったとはいえ、相変わらず下っ端。
続刊はあるのだろうか?
戦中、戦後の混乱に松はどんな活躍をしたのか、皆様どうなったのか、読みたい。

一般書 読了一覧
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