本読み隊
本の感想・紹介です 。主にコバルト文庫・角川ビーインズ・ビーズログ文庫・一迅社アイリスなどの少女趣味ライトノベル、ハーレクインなどの海外ロマンスなど、3500冊。★スマホからご覧になる方は「海外ロマンス読了一覧」など一部の記事のスクロールが長くなるの場合、”PC”ボタンでPCに切り替えて見ることをオススメです★
鬼へ鳴く月へ笑う 青暮波緒
2016年11月24日 (木) 13:03 | 編集

鬼へ鳴く月へ笑う (ルルル文庫)
2016/8/26
青暮 波緒 (著)

---楽天---




鬼へ鳴く月へ笑う

青暮 波緒

鬼を討つ役目「警鬼官」の痩月は、伝説の琴「鬼鳴琴」を持つ少女・紗雨を、むりやり鬼討ちに参加させる。共に過ごすうち、痩月は紗雨を好きになっていくが、出自への劣等感からその想いを封印しようとする。一方、紗雨も痩月に惹かれていくが、彼女には秘密があり…!?お互い孤独に生きてきた青年と少女の切ない恋を瑞々しく描く、異世界ファンタジー!第10回小学館ライトノベル大賞ルルル文庫部門読者賞受賞作!
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鬼を退治する「警鬼官」の痩月と雪路の二人に、無理やり鬼をおびき出す役を引き受けさせられた紗雨だが、彼女には他に目的があって…。

読者賞受賞にてデビューの新人作家さんです。
読み切りのダークファンタジー。
ヒロインのヒロインの紗雨以上に、心に虚ろを抱える痩月の姿が見えてきます。物語の雰囲気はかなりシリアスですが、主人公二人が抱える暗い側面を彫り込みつつ、友人カップルのほのぼの感が対比するような構図で面白かった。
ダークな作品は商業的に少ない傾向になりがちなのだが、今後はどんな作風になるか楽しみ。

あらすじ
音色に霊威あり、その音は鬼の声ににて、鬼と鳴きあう。
国宝だが行方しれずとなった伝説の琴「鬼鳴琴」を鳴らすことができる一ノ木の末裔・紗雨を探し出した「警鬼官」の痩月は、嗚咽をこらえるように震える琴を持った儚げな少女の姿に戸惑ったものの、鬼帝発生にともない増加する雑魚について唐突に語りだした。

「一ノ木紗雨。俺の下で、琴を弾け」

低く告げたそれは命令だ。
続く彼の言葉に、歓喜とも悲嘆とも見える表情を見せた紗雨に、痩月は目を奪われたが、彼女が断る前に刀を一閃させ命じた。

「聞こえなかったのか?頷けと、言ったんだ」


冒頭の経緯。母を亡くしてから、薬師として生計をたててきた紗雨にとって、問屋の娘・灯乃は友人であり恩人である。その灯乃の許嫁であり幼馴染の雪路は、昨夜現れた痩月と同じ「警鬼官」の仕事をしており、紗雨と共に仕事をする仲間だという。だが、彼は年下の許嫁を心配し灯乃には内緒だと釘をさす。
早速、痩月と雪路につれられ、紗雨は鬼を集めるために琴を鳴らした。だが、音色の効果は…

さまよう弟を探すヒロインがメインかと思いきや、虚ろな部分を抱える痩月がメインでもあります。18歳の彼の成長が良いお話です。
友人カップルは、邪魔になるギリギリのさじ加減だったナ。弟くんの話をもう少し詳しく欲しかったと思わなくもない。
人物に対してはかなり気を使っているのを感じるのだが、風景が見えてくるともっとわかりやすいかな。後半はとくに感情にあわせた風景の描写がもっとあるといいな。
その辺りは今後の活躍に期待しています!
いい作品だった。

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囚われ姫と灼熱の将軍 蒼井湊都
2016年02月25日 (木) 18:21 | 編集

囚われ姫と灼熱の将軍 (ルルル文庫)
2015/9/25
蒼井 湊都 (著),

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囚われ姫と灼熱の将軍 

蒼井 湊都

お忍び旅の途中で敵国の襲撃に遭遇し、街の娘たちとともに捕らえられてしまった王女アイシャ。「赤眼の獅子」と恐れられる将軍カディルに夜伽を命じられても、毅然とした態度を崩さないアイシャは、かえってカディルの興味をひき、奴隷として彼の屋敷で働くことに。だが、王女の身分を隠したままカディルと過ごすうち、アイシャは敵であるはずの彼を心配している自分に気づいて!?許されない恋にときめく、ドラマチック・ラブストーリー!
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お忍びの最中に囚われ敵国の奴隷となった王女と将軍の物語です。あとがきによれば、アイーダをモチーフにしていらっしゃるそうです。アイーダは悲恋ですが、もちろんハッピーエンドなのでご安心を。
wiki/アイーダ
冷酷で怒りっぽい性格の将軍カディルの内にある優しい性格を見抜き思わず彼に説教してしまったり、正義感から行動が先に出てしまう辺り、可愛らしいヒロイン。
物語は王道ですが、国の混乱の中で王女であろうとするヒロインの物語は好きです。いろいろと熱っぽいけど…w

あらすじ
赤く染まる炎を見たアイシャと従者のジークは宿の階段を駆け下りた。宿を出ていくらもたたないうちに、熱を孕んだ風がアイシャたちを包んだ。
ガルブ軍が進行し、娘達を奴隷とするために集めている。宿の娘のユスラが助けようとした少年が、アイシャの目の前で殺されようとしている。
ジークが「駄目です」と叫んだのを聞いたときには、もう遅かった。
父の顔が脳裏に浮かぶ。帰らなければと思った。それが王女の義務であることも知っていた。けれどどうしても見殺しにはできなかった。

「もったいない。上玉を殺すな」

張り上げているわけではないのに、その声ははっきりと聞こえた。


ところで、なんでそんな所でお忍びしてたのか…よくわからぬが、それは横に置く。
冒頭の経緯。『赤眼の獅子』と呼ばれるカディル将軍の奴隷となって彼の屋敷で働きはじめたアイシャは、ファナと名乗り、食堂の娘ユスラとともに洗濯など屋敷の雑用をしながら馴染んでいく。
一方で、将軍カディルは食が細く、ある夜宴会で毒を盛られ倒れるが、家人には酒に酔ったことにしたために、アイシャは彼に食事をさせようといろいろと工夫を始め…

王女であることを隠しながら奴隷生活を続け、いつの間にかカディルが好きに。後半は、カディルに敵意を持つ将軍・ダールの野心や、カディルとの因縁などが絡みつつ、彼が仕える帝国が彼女の祖国を攻め、アイシャは彼のもとを去る決意をするが…というドラマチックなロマンス。
展開が早く読みやすくわかりやすいストーリーなので、ローティーンから楽しめます。でも、表現が熱っぽいw
王道だけど好きよ。

個人的な意見なのだが小田菜摘っぽいヒロイン目指すなら、開き直って絵師は椎名のままでよかったのに。シリアスにナナオの絵は合わな…

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羊飼い王女の戴冠 市瀬まゆ
2016年01月22日 (金) 17:47 | 編集

羊飼い王女の戴冠 (ルルル文庫)
2015/11/26
市瀬 まゆ (著)

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羊飼い王女の戴冠 

市瀬まゆ

幼いころ宮廷から追放され、田舎で育った王女メリエル。羊飼い見習いとして暮らしていたある日、侯爵トラヴィスが現れて強引に王城へ連れ戻される。王家に不幸が続き、メリエルが女王候補になったというのだ。トラヴィスとの結婚も決定事項と知り「女王なんて無理、結婚は好きな人とするもの!」と反発するメリエル。案の定、宮廷では失敗を連発、反対派からは命を狙われ落ち込むが、いざという時は命がけで守ってくれるトラヴィスに心は揺れて!?
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田舎から突然連れ戻され女王にされてしまったメリエル。お飾りでいいという言葉どおりに”よき考えである”としか返事をしなかったけれど…このままでいいの?
ということで、政治にも関心を示し、できないなりに頑張ろう!という楽観的で前向きなヒロインのお話です。
そんな頑張るヒロインに、ヒーローは惹かれていくのです。
民衆のために政治がしたいと考えるようになるまでが、コメディー&ラブで描かれます。
ローティーンから楽しめるお話。なので、彼女の言動が少々稚拙な一面もあり、政治ものと考えて読むと物足りなさを感じると思うが、コメディーだと考えれば悪くないです。

あらすじ
「お飾り女王になって、世継ぎを産め!?  そんなの絶対に嫌だから!」

羊飼いを友人としてのんきに暮らしていたメリエルを突然捕まえた侯爵トラヴィスは、メリエルに父の崩御と王太子の行方不明を知らされ、『お飾り女王』として世継ぎを産めと言い出した。

「その時が来たら嫌がろうが暴れようが、縛り付けてでも唯一残された直径の王女としての義務を果たしてもらう」

女王になりたくないメリエルは育ての乳母のドーラに泣きつくが、ドーラはメリエルの頬から手を話、目を伏せた。

「メリエル!あなたにしかできないことをやり遂げなさい……っ!」


冒頭の経緯。隣国の王女タリアを王妃にするために、亡き父王はメリエルの母に姦通の罪を着せ宮廷を追放した。
メリエルは父母の顔すら覚えていないのだ。そのメリエルを女王にするべく強引に連れだしたトラヴィスに、最初は反発するものの、命を狙われ帰る所もない。
しかも、隣国のからの王女タリアを担ぐわけにもいかず、メリエルが女王になるのは決定事項!
女王としての舞踏会を成功させようと頑張ったけれど、己のダメさ加減にうなだれることに。

というわけで、失敗続きのヒロインが、議会での失敗から一生懸命質問を始め、命を狙われつつ、頑張るという展開。
ボスキャラの王妃も、いい感じに悪くてメリハリがあってよかった。
ルシアンって、微妙なキャラだったな。羊好き。
よもや三角関係!?と思わせて放置されたw

読み切りとしてもスッキリとまとまっています。
頑張る女の子は好きよ。

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恋する公主と危険な子守り武官 市瀬まゆ
2016年01月05日 (火) 00:28 | 編集

恋する公主と危険な子守り武官 (ルルル文庫)
2015/7/24
市瀬 まゆ (著)


恋する公主と危険な子守り武官 

市瀬まゆ

運命の出会いを夢見る公主・シリンに、突然、会ったこともない遠い国の王子・那珀との縁談が!せめて結婚生活がうまくいくようにと、シリンは幼なじみ兼お付き武官の天彰を伴い縁結びの神にお参りする。するとそこに星君と名乗る謎の男が現れ、運命の相手は別にいると、天彰を指さした。さらに突然天彰の様子が一変、シリンに甘い口説き文句を囁き始め…!?運命の赤い縄で結ばれたはずの二人の恋の行方は!?中華ラブコメディ!
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注;マックでシリンの名前が文字バケするので、カタカナで申し訳ない
天然無垢な公主が、過保護な武官に守られちゃってイチャイチャというそれ以上でもそれ以下でもないラブコメだが、それなりに楽しかった。
ヒロインが天然すぎるので、共感は難しい。もう少し応援したくなるとことや、共感したくなるようなヒロインだったらよかったのだが、天彰よりも他の相手にふらふらとする様はあまり嬉しくない。まぁ、その辺りのヒロインの成長を温かく見守れたら、楽しめると思う。

あらすじ
「王子と、運命的な恋に落ちることができると思う?」
「ええ。それはもう、すとーん! と」
お付きの女官・文玉の数々の恋の”お宝”話に憧れているシリンに、会ったこともないキリ国の第三王子・那珀との縁談が。
幼いころからのお付きの武官・天彰はシリンをいまだに”かわいい”としか言わないけれど、とにかく心配性。
天彰がシリンに対して異常に過保護で、心配性なのは理由があった。
  あれはシリンが9歳の時。
庶民に扮して、皇城の外へ遊びに行ったがあった。そのとき、人ごみに流され、物盗りに頭を殴られるという事件が起きていたのだ。

「ほら、そんな底の薄い絹沓で歩いては足が痛くなりますから、遠慮せずに」

天彰が両腕を広げて催促してくる。抱き上げられたシリンは天彰の肩に流れ落ちるつややかな黒髪に、右頬をくっつけて体を預ける。


冒頭の経緯。お付きを拝命して、世話を焼くこと早十二年。今では『子守り武官』と渾名されている天彰は、シリンへの想いを隠してきた。だが、二人が荒れ果てた廟を見つけ、神仙・星君と出会った。
シリンと運命の糸で結ばれているのは、王子ではなく天彰だという星君に対し、王子との縁談を前にしているだけに、シリンは胸がバクバクで、天彰は焦りまくり。
シリンに幸せな結婚をしてほしいと願う天彰に、星君は廟を再建させることを条件に、”娘に幸せな結婚をさせる”と約束するが……

時折、天彰の中に星君が入り込んで、シリンに迫って甘い口説きが入り、お互いに意識し始めた矢先、腹黒第三王子・那珀が現れ、人を疑うことを知らないシリンに手練手管で迫ろうとするというお話。
皇帝が決めた結婚だからとあれだけ躊躇していたのに、ラストはもうちょっとないのかよと突っ込みたくなるが、まぁ、これはこれで単純でハッピーだ。
ヒロインに感情移入しにくいので、乙女の切なさが足りないと思わなくもないが、シリンに惚れすぎな天彰はいい感じに楽しい男だった。

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皇女殿下の婚礼 蒼井湊都
2015年09月16日 (水) 18:10 | 編集

皇女殿下の婚礼 (ルルル文庫)
2015/5/26
蒼井 湊都 (著),

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皇女殿下の婚礼 

蒼井湊都

触れた者の心を読む異能の左手を持つために、周囲の人々から恐れられ、ひっそりと暮らしてきた皇女ラティーファ。皇帝である兄の命令で、帝国の僻地にある砂漠の領主ファイザルに嫁ぐことが決まったラティーファは、ようやく皇女として国の役にたてると喜び、胸をドキドキさせながら初夜を迎える。だが、現れたファイザルはラティーファに剣を突きつけ「花嫁ではなく人質として扱う」と冷たく告げてきて!?ドラマチック・ラブストーリー!
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嫁いたラティーフファは初夜に剣をつきつけられる。人質として皇帝にとられた妹の身代わりだと新たに夫となったファイザルは言うけれど…

人の考えを知ってしまう左手を持つために人々に疎まれてきた皇女ラティーファが、健気に頑張りながら自分の居場所を作り上げていく姿に、心惹かれるようになる彼の姿がいい感じに私好みなストーリーです。
ローティーン向けの乙女ノベルらしい素直なストーリー。
落ち着いた雰囲気で、ルルルらしい甘ったるさは少ないが、控えめな距離感がイラストとマッチしていて良いです。
これで、政治論をぶちかますヒロインなら、初期の小田菜摘と言いたいところだが、そこまで深くない。

あらすじ
兄アデルを暗殺者からかばったラティーファは、先帝の近衛だったファイザルに助けられた。
先の皇帝であり、ラティーファにとっては長兄でもあったワーミド帝が崩御して一年半、そして、異母弟にあたる第四皇子のアデルが即位し、一年。先々帝の皇女であったラティーファは、17歳となった。
この手を持つ自分が、まさか結婚できるだなんて、思ってもいなかった。
ラティーファを引きつけたのは、鷹のような鋭い視線。
  やっぱり、この人だわ。
ところがいつの間にか、夫となったファイザルに剣をつきつけられていた。

「臣下の娘達が、皇帝陛下のハレムに入れられました」

「……ええ、知っています。アデル兄様が彼女達を人質として集めたことも、その中に、あなたの妹、レイハーネ姫がいらっしゃることも」

「ならばご自身の立場も、おわかりですね」


冒頭の経緯。歓迎されていないことを理解しているラティーファだが、悪質な嫌がらせを受けていることを必死に隠そうとしてくれていた侍女のターニャや、距離を置きながらも気遣いを見せてくれるファイザルのおかげで、落ち込んではいない。そして、子供たちに受け入れられたことで、次第に使用人達の態度も変わりはじめた。
しかし、戦でファイザルが怪我をしたと知らされ…

後半は、兄の即位記念式典のため都へ。人を信じられなくなった兄は、人々に姿を見せることもまれで、臆病者だとそしられ…

はたして、ラティーファが守りぬいた兄は皇帝として信頼するに値する人物なのか?
人を理解するのに、異能の力は必要ない。畏れずに受け入れてくれたファイザルにも、怯えながらも妹を理解してくれた兄にも好感だった。
異能の出番が少なかったけれど、それはそれで良かった。
元気な妹レイハーネも気になる。ヒロインを変えて、スピンオフが欲しいな。

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悪しき王女は練習中! 夫が教える甘いキス 市瀬まゆ
2015年07月05日 (日) 00:11 | 編集

悪しき王女は練習中!~夫が教える甘いキス~ (ルルル文庫)
2015/3/26
市瀬 まゆ (著),

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悪しき王女は練習中!
夫が教える甘いキス

市瀬まゆ

貧乏小国の王女、ユディのもとに、大国ファルセンの王、リシャールから婚姻の申し込みがくる。しかし実は、ユディ=悪女の評判を聞きつけた、期間限定・離婚前提の結婚だった!キスすらまだのユディになぜそのような噂が!?最初の誤解しあっていたものの、少しずつ惹かれていく二人。そんな中、謎の事件が次々起こる。ユディは、悪女の噂を利用し情報を得ようとするが…。ウブな悪女と美貌の王の極甘ラブコメディ!
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うぶいヒロインと、練習と称して押せ押せなヒーローとの楽しいイチャイチャした激甘ラブコメ。
大国から条件つきで嫁いだ弱小国の姫君が、孤軍奮闘しながら彼の心を惹きつけ、離婚前提を覆し、陰謀に巻き込まれるお話。
2人の掛け合いは楽しかった。
ストーリは、ありがちで王道ではあるが、悪くないです。
ただ、かなり激アマ。
ねぎししょうこ様のイラストで、ぱっと見はそれほどエロく感じないのだが、文庫間違えたかと思うギリギリなチューだな。
きわどいほうが売れる昨今ではあるが、手すら握るのにジリジリするような背中痒いのを求めるわたくしの好みとはちと違う的な。

あらすじ
昔々  割愛  
こうして、おしゃべり好きな宮廷人たちの間で、”悪しき王女”の噂はどんどん広まり、23歳独身の大国ファルセンの王太子の耳にも届きました。しかし、それはアリアンティアの王様が望んだ、”神々贔屓”ではなく、”悪しき王女”として。
■□■
大国ファルセンの王が亡くなり、遺言で結婚しなければ王位を継承できないとされてしまった王太子リジャールは、ふさわしい王妃を迎えるまでに、暫定として”悪しき王女”を妻に迎えることを決めた。
まともな娘ならば、期限付きの結婚などに応じないだろう。だが、身持ちも悪く、貰い手もなく、金に困っているのならば、莫大な結納金に食らいついてくる可能性がなくもない。
かくして、山間の弱小貧乏国の王女、ユディのもとに、信頼される王太子の弟マリウスが使わされた…

だが、ユディが条件付きの結婚だと気がついたのは、輿入れのための道中だった。なるほど、”悪しき王女”を王妃に据えておけば『王妃の姦通』という問答無用の理由で、いつでも離婚でききる。だが、ユディに未来はない。すでに結納金の一部は父が使い込み、約束と違うと言い出せば、大国に攻め滅ぼされてしまう。
とにかくやるしかない。

(隠し子までいると思われている王女が、キスくらいで怯むのは怪しすぎじゃないの!  こうなったら……っ)


冒頭の経緯。キスの仕方もわからないような彼女の態度から、早々に何も知らずに来たのだとバレてしまった。しかし、金を積まれて離婚前提で結婚を続けることに。
こうなったら、負の感情を乗せた視線に負けず、あの王妃に限って姦通なんてと言わせるくらい、立派に王妃を務めてやる!

というわけで、王弟の叔父・ベルジェ公の女好きな態度に泣きそうになりながら、リジャールを王位につかせまいとする一派の思惑を探るために、リジャールの力になろうと健気に頑張る展開。
そんな彼女に、ハラハラジリジリのリジャールなのです。
議会の老人ベルシェ公に関しては、流してしまってなし崩しだったなとか、多少気になる点はあるが、ラストのシメまで楽しく読了。
イザドラ様がいい味。恋のさやあてになるかと思いきや、弟と同じ年齢だと知ってからのユディの扱い方が、ただの一生懸命な可愛い女の子という、良い子扱いで笑える。
チューの練習用の大切なウサぬいの扱いも可愛らしかった。
ただ、そんな楽しい脇キャラもぶっ飛ぶ、チューの練習に、おそらく半年後にはチューの練習の記憶しか残らない的な…
さくっと楽しむぶんには、良いお話。

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