本読み隊
本の感想・紹介です 。主にコバルト文庫・角川ビーインズ・ビーズログ文庫・一迅社アイリスなどの少女趣味ライトノベル、ハーレクインなどの海外ロマンスなど、3500冊。★スマホからご覧になる方は「海外ロマンス読了一覧」など一部の記事のスクロールが長くなるの場合、”PC”ボタンでPCに切り替えて見ることをオススメです★
光の巫女を放つ風 前田珠子 & ひずき優
2016年08月10日 (水) 09:14 | 編集

光の巫女を放つ風 (コバルト文庫)
2016/4/28
前田 珠子 (著), ひずき 優 (著)

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光の巫女を放つ風

前田珠子 & ひずき優

光闇の化身からの恩寵『ミユキ』にあふれた島・トランキザム。特別に選ばれた二人が光闇の志を受け継ぎ、島を守っている。三年前、ヒアルキトは兄と慕うハワルアトと共にその役目に選ばれ、神殿で日々を過ごしている。ある日、お忍びで街へ下りたヒアルキトは、島へ漂着した青年と知り合う。その出会いが彼女の、島の運命を変える―。前田珠子が生み出した新作世界を、気鋭の作家が小説化!
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コバルト40周年を記念して企画されたもの。前田珠子先生原案の世界観、キャラクターあらすじを、ひずき優&香月せりなが小説にするという試みで、登場人物や設定は同じですが、ヒロインの選ぶ相手が二作品によって異なっています。
”-放つ風”(エイシャラム)と”-抱く夜”(ハワルアト)
とはいえ、まったく同じ展開から始まる裏ストーリーというわけではなく、置かれた状況や展開などかなり違っていて、それぞれ単品で楽しめる構成です。

前田珠子先生は、90年代のファンタジーを代表するコバルトの礎的な作家さんで”破妖の剣”シリーズなどは現在も続いております。(申し訳ない!読んでない!)
こちらは、俺様な異邦人エイシャラムとの恋。
独特の世界感ですがさすがに真新しさは感じないうえに、一巻に収めるには物語が大きく物足りないと感じる部分もあるが、一気に物語がまとまるので気軽に手にとりやすい文字量ではある。
ファンタジー初心者のティーンにオススメ。

あらすじ
エリエスタ神によって作り出された光の化身と闇の化身。二人は愛し合い、触れ合うことで、世界に慈愛と恵みの雨を降らせた。よりそうことで『ミユキ』をもたらした。
しかし、反発する力『カゲリ』が生まれ  
トランキザムと呼ばれる聖地では、ふたりが後継者として定めた男女を左手の君(ユンデの君)、右手の君(メテの君)として崇めた  

『ミユキ』の力で守られた島は平和で豊かな暮らしをしている。『右手の君』として神に選ばれたヒアルキトは、時折神殿から脱走して開放感をあじわうが、そんなある日、看板に書かれた船の絵を目にして、ふと思い出す。
そういえばあの人、どうなったんだろう?  海岸でみつけた、異国の青年。
他国については何もしらない。
もし彼と話ができたなら、きっと島の外について、たくさん知ることができるだろうに。
ひしめき合う人の向こうで、若者達が舞台に上がり、舞の腕比べをしている。
その場の賞賛と歓声を独り占めしていた青年が、気ままな足取りで賞金もうけとらずに舞台を降りてきた。

「他のやつにやれ。金のために踊ったわけじゃない」


冒頭の経緯。『右手の君』として、島のために寿命を縮めながら献身することを当たり前のこととして受け入れていたヒアルキトは、異国の青年エイシャラムとの出会いで、様々な疑問を感じるようになる。
島が結界で守られていることによって、『ミユキ』の力が、他国に行き渡らず、他国は『カゲリ』によって荒廃しているといのだ。さらに、ヒアルキト自身の立場にも問題を投げかける…

一方で、エイシャラムを助けたのは『左手の君』ハワルアト。友情のようなものが芽生えながらも、エイシャラムも彼女と知り合いだったことを知り、微妙な雰囲気という三角関係。
ノリのいいファンタジーが多いなかで、シリアスな正統派がどれだけ若年層の読者に受けるかという点は難しいところ。しかも、3巻分くらいを一巻にしているので恋や彼女の使命に関しての彫り込みが浅く感じる点がもったいない。でも、ドラマチックで素敵な物語でした。
荒廃した他国の事情やその後の世界ももう少し知りたかったかも。
ハワルアトの方も読んでみます。

ココバルト文庫&オレンジ文庫 読了一覧


光の巫女を抱く夜 (集英社コバルト文庫)
2016/6/1
前田 珠子 (著), 香月 せりか (著)

まいりませ、幻想図書館 眼鏡の淑女と古書の謎 ひずき優
2015年04月11日 (土) 17:52 | 編集
まいりませ、幻想図書館 眼鏡の淑女と古書の謎 (コバルト文庫)
(2015/01/30)
ひずき 優

まいりませ、幻想図書館 眼鏡の淑女と古書の謎 (コバルト文庫)

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まいりませ、幻想図書館
眼鏡の淑女と古書の謎

ひずき優

本をこよなく愛する変わり者の令嬢アムネリアは、祖母が暮らす田舎の城に引きこもっていたところ、王都の父から呼び出しを受ける。王都には憧れの『幻想図書館』がある。だが、胸を躍らせるアムネリアを待ち受けていたのは、いまをときめく公爵家との縁談だった!しかも、公爵には息子が二人いるのに、どちらが相手かもわからない。そんな中、アムネリアは『幻想図書館』で一人の青年と出会い…?
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図書を愛するアムネリアの夢は、『幻想図書館』を管理している修道女になること。両親から顧みられることもなく、田舎で育った純朴な娘は、幼いころ川に流された本を拾ったことで知り合った少年と再会する。
社交辞令にしても軽すぎる青年の言葉に反発するアムネリアだったが…

作者、久しぶりです。
三角関係の恋愛未満のロマです。
兄弟間の妬みに巻き込まれ、兄との婚約で自分の好きなこともできず苦悩するヒロインが不憫で、いい感じにプレッシャーのあるお話。
兄の狭量な嫉妬が、今どきのモラハラっぽくて怖いのだが、黙ってみていられない弟君の感情が良いです。
面白かった。

あらすじ

「まったくもったいない。出口まで手を引いてあげるから、もう一度眼鏡を取ってくれないか?」

「はぁ?」

彼を王子様だと考えた自分の勘違いに、遅ればせながら気づく。いくら過去に一度会っているとはいえ、ほとんど知らない女の子にそんなことを言うなんて、社交辞令にしても軽すぎる。
(恋愛小説の王子様ってタイプではないみたいね)
どうやら彼は脇役のようだ。つまりは女たらし。主人公が真実の恋に気づくための試金石となる脇役である。
(せっかく完璧なくらい条件がそろっているっていうのに)

「がっかりだわ」


冒頭の経緯。王室騎兵隊で図書館の警備の任についているという彼とは反発しながらも、本に関しては気が合った。
図書館で働く夢のあるアムネリアは、彼との二度目の再会で文館長、シスター・ヴェッツェラを紹介され、ギルガメッシュの写本の偽物の中から本物をさがすという課題を与えられる。
彼には、自分の父は商売をしていると教えた。彼はクラウスと名乗った。
両親から公爵家の兄弟のどちらかと結婚する話を持ちかけられ、夢との間で揺れる彼女だったが、クラウスと聞いて公爵家と結びつけ、クラウスの飾らない人柄を知ってるから、思っていたほどの反発を感じなかった。
婚約を引き伸ばせばいいと安直に考えていた。
舞踏会の夜、眼鏡がないままに、クラウスと紹介された公爵家の長男の求婚を承諾した。
「どちらさまですか……!?」


彼女と図書館で知り合ったのは、弟ウォルフラムだった。
公爵家の家督争いで、兄クラウスは弟ウォルフラムを恨んでいる。何をやらせても上手の弟に対し、深い嫉みのあるクラウスは、弟との接触の一切を断つようにアムネリアに要求するが…

中盤まで一気に紹介してしまった。
前半は、都に来る経緯、図書館へのあこがれ、川で本を拾った過去の馴れ初め、二人の再会。
後半は、思い違いで婚約した兄と、弟との間で揺れながらも、課題に没頭する彼女の図です。
ヒロインに夢中の弟ウォルフラム。逃げれば追いかけたくなるという男に対し、アムネリアは本が好きで図書館で働くことが夢という乙女なので、三角関係だが切なさに苦しむドロドロした雰囲気はあまりなく、コメディー色のある楽しいお話だった。
こっちのギルガメシュとは、まったく関係のない創作なら、違う名前がよかったのに、アマゾンのレビューでも指摘されていたけれど確かにちょっと残念。
そして、兄弟間の確執は良好な終わり方で満足だったが、ヒロインの恋愛は…!?、三年後?
図書館で働くことになるアムネリアの姿とともに、続き読みたいかも!


ひずき優 読了一覧

コバルト文庫 読了一覧
聖女と王子と鉄壁の騎士 その恋、全力で邪魔します!  ひずき 優
2014年04月13日 (日) 18:34 | 編集
聖女と王子と鉄壁の騎士 その恋、全力で邪魔します! (コバルト文庫)
(2013/10/01)
ひずき 優

聖女と王子と鉄壁の騎士 その恋、全力で邪魔します! (コバルト文庫)


聖女と王子と鉄壁の騎士
その恋、全力で邪魔します!  

ひずき 優

慈善活動に精を出し、人々から「セレンツィアの聖女」と呼ばれるフィリアは、パーティよりも航海が好きな明るい女の子。ある日、新しく最高行政官となったアレクシス王子が、政治的な思惑を持ってフィリアを訪ねてくる。フィリアはかつて王子を助けたことがあるけれど、彼は別の少女を命の恩人だと勘違いしている。そんな王子に惹かれていくフィリアに、三人の御付きの青年たちは…?
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フィリアが昔助けた王子様が目の前に現れたのに、彼は自分を救助したのは、他の女性だと思い込んでいる。出会いはなんであれ、彼は5年間も文通し、婚約者への気持ちを大切にしている。
そんな二人の関係を簡単に壊すようなことがあってはならない。

ひずき優様の作品は、すごく面白いんだヨ!とはおすすめできないが、地味にトキメキの壺をついていて、気負いなく読め、手を伸ばしやすい辺り、結構気に入っている。
ローティーンから読める分かりやすく、楽しいお話です。

あらすじ
アレクシスは、ぼろをまとい、海水にぬかるんだ地面に打ち捨てられたはずだった。にもかかわらず、清潔な部屋で少女の声を聞く。高熱のため夢と現を行き来しながら、王族として生を享けながらこんな事態に至はめになった事情を、少女に語った。

「約束する。毎日あなたのことを考えるって。どこにいても、必ず一日一度はあなたを思い出すって約束する。…それでさみしくなくなるかしら?」

■□■
フィリアは、”セレンツィアの聖女”と呼ばれながらも、毎日貧窮者を保護し、少年の出で立ちで働く。彼女の生家であるディジエ家は、有名な富豪でるため、その令嬢であるフィリアとお近づきになろうという輩が、よく突発的に現れるが、ある日、かっこいい王子様が聖女を訪ねてやってきた。
すでに婚約者がおり、求婚ではないと 彼は、美しい薄紫の瞳をこちらに向け、目だけで微笑む。留学から戻ったばかりで、弱い立場を『聖女』を伴うことで強化しようと考えいるというが…

アレクシスが語る婚約者イザベラの話を聞くうちに、フィリアは、7年前にアレクシスを助けたのは自分だと気がついてしまった。
しかしいま、彼は幸せそうに笑っている。それならそれでいい。

(五年間会っていなくても、想いがかわらないなんて……!)


冒頭の経緯。アレクシスは、自分を助けた婚約者イザベラを愛し、イザベラの商家の父ダルマジオの力で今の地位を回復し、今後は彼らを助ける関係。しかし、奴隷商船の罪をフィリアのディジエ家になりすりつけようと考えるダルマジオの策略を彼は理解していない。
そんな状況の中、フィリアを守るランドルフ、マティアス、ヴィステらは、アレクシス王子の思惑が他にあると考える。ランドルフとマティアスは、人身売買の調査のためだと察知するが二人は、衝動的なヴィステや、フィリアには秘密にする。
ヴィステは、アレクシス王子とフィリアの間をどうにかしようとするが…


というわけで、奴隷商船の顛末と、恋の行方は?という展開。
彼の固執した考えが歯がゆく、婚約者のいる彼を好きにならないようにと考えながらも、切なさを募らせる乙女心はキュンでございました。
「甘露甘露。くひひひひひ」by洗濯シーン
スッキリとまとまっていて楽しかった。
5年無駄だったな。笑った。
続刊があっても なくてもいいけれど、せっかくだし、後ろ盾を失った王子様は今
後どうなるのか、邪魔します!といいつつ、あまり邪魔になっていない三人組の話も、もう少し読みたいかモ。

心中お察しします!Byフィリア >同意

ひずき優 読了一覧

コバルト文庫 読了一覧
大公様の花嫁さがし 結婚のおすみつきを奪取セヨ!  ひずき 優
2013年08月09日 (金) 23:53 | 編集
大公様の花嫁さがし 結婚のおすみつきを奪取セヨ! (大公様の花嫁さがしシリーズ) (コバルト文庫)
(2013/06/01)
ひずき 優

大公様の花嫁さがし 結婚のおすみつきを奪取セヨ! (大公様の花嫁さがしシリーズ) (コバルト文庫)


大公様の花嫁さがし
結婚のおすみつきを奪取セヨ!

晴れて若き俊英・ジークハルト大公の婚約者となったリゼット。王宮に引っ越し、結婚の準備を進める毎日。そんな中、ヴェルスハイム公国が属するロムルス帝国の皇女・メルシリアの滞在が決まり、リゼットは未来の公妃として初の公務に挑むことに。だが、大公の結婚に必要な教皇の許可が下りず、それどころか皇女とジークの結婚話が持ち上がり…?おてんば姫のシンデレラ・ロマンス。
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ドタバタした話だが、気軽に読めて、さくっと御茶請けの合間におすすめできる、結構楽しいシリーズだった。
結婚したいのに、教皇の許可がおりず、挙げ句リゼットとのキスにもジレジレしているジーク様。
彼からの押しの強いキスに戸惑うリゼットは、彼の態度の変化に戸惑いながら、卑下た地味な皇女・メルシリアに振り回される巻です。
甘い雰囲気は今ひとつだったが、楽しいコンビだった

あらすじ
不意打ちで、くちびるを奪われる  殴ってしまったことを反省し、機嫌を直してもらおうと作ったパイは、初の公妃としての務めをするために招いた協力者の顔面に炸裂した。
帝国の皇女・メルシリアの滞在で、帝国の思惑と鉱物資源で手を組みたいと考えたヘルガー家の三男ウァレンス
どんな皇女か、戦線恐々するリゼット…

「……こんな地味な子が皇女?って思っているんでしょ…」

皇女・メルシリアだは、思い込みの激しい、猛烈に自分に自信のない皇女だった。
そんな皇女にジークは過去の自分を見るような気分で、リゼットの侍女コレットのドレスを勧める。皇帝は教会の教皇に圧力をかけ、結婚を盾に、鉱山の利益をえようとしている。皇帝特使の男爵に、この結婚を偽装とみせるために、ひと芝居うつことを提案するジークと、ユリウス。
リゼットは、大公の地位目当ての愛のない結婚に浮かれる女という設定にされてしまうが、芝居はうまくいくのか…?
皇女・メルシリアは、率直にジークに恋する気持ちをリゼットに告白して…


というわけで、へたくそな芝居なのに、意地になって喧嘩したり、メルシリアにヤキモキしたり、協力者のウァレンスが何を考えているのか、コンスタンツが消えたりの、てんやわんやの後半です。
かなり自己否定ないじけた皇女に、妙に共感してしまうジーク様。彼女をすんなりと受け止めた彼の態度に恋をしてしまったメルシリアに、小芝居をしているリゼットは、ちょっと情けない状態だったナ
ラストは豪快に馬車で教会に駆けつけてくれて、威勢のよさを見せてくれて、めでたし。
ラストの式のあとのイチャイチャはサービス的に欲しかったと思いつつ、
兄の活躍が今回は今一つだったのは個人的に惜しい
結婚したし、続刊はないわよネ?

ひずき優 読了一覧

コバルト文庫 読了一覧
大公様の花嫁さがし 最凶の猫かぶり、現ル!  ひずき 優
2013年06月13日 (木) 10:59 | 編集
大公様の花嫁さがし 最凶の猫かぶり、現ル! (大公様の花嫁さがしシリーズ) (コバルト文庫)
(2013/02/01)
ひずき 優

大公様の花嫁さがし 最凶の猫かぶり、現ル! (大公様の花嫁さがしシリーズ) (コバルト文庫)

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大公様の花嫁さがし
最凶の猫かぶり、現ル!  

ひずき 優

若き俊英・ジークハルト大公の花嫁さがしは終わり、貧しい領主の娘・リゼットは未来の公妃に選ばれる。しかし、まだ口約束にすぎず、リゼットの立場は微妙なもの。それなのに、色恋と無縁だったリゼットは、恋人として接してくるジークハルトに戸惑って失敗ばかり。そんな中、可憐な伯爵令嬢が人質として王宮で暮らすことに…!?おてんば姫のシンデレラ・ロマンス。
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ジークの心を射止めたリゼット。微妙な立場の彼女の前に現れるライバルです。
田舎娘のリゼットらしく、初めての気持ちに戸惑う乙女らしさが可愛く、そんな彼女の微妙な怯えの距離の取り方を、淡白だと感じるジークとの距離感。
面倒くさい男、ジーク。
男心がわからず、相変わらず暴走してくれるリゼットですが、一本気な率直さが楽しい。
冷酷だとされる、大公の恐怖政治的イメージを払拭しようとする彼女。空回りになりがちな、必至な彼女の行動を陰で支える兄ユリウスの優しさは嬉しい。
事件の展開はたいしたことない話だが、男女の恋愛観のすれ違いからくる二人の距離感が、結構キュンだった。
気負わずに読めるベタ甘でコミカルなシリーズになってきました。

あらすじ
読み書き計算以外はまるで役に立たないトリスタン
お針子で妄想好きのコレット
娼館の女将のマウリア
寡黙でたくましいマウリアの娼館の用心棒ウォルフ
そして、義兄のユリウスは、ジークの実の兄だった。
ジークの花嫁捜しは終わったと言っても、口約束の段階。相変わらず、貧乏なことに変わりない状態で結構忙しいリゼット。
宮殿から館に迎えにくるのは、謀反を画策し父が宮廷を追われた娘、コンスタンツ
ジークが恋人らしいことをしようとすると、引いてしまうリゼット。ユリウス兄に相談しますという彼女の余裕の態度に軽い苛立を感じる彼。
そんなある日、反発の強い領地ブラツワフ伯爵から人質として都で暮らす娘ヒルデローゼを王宮に引っ越しさせ、牽制することになった。他の人にもジークの優しい面を見て欲しいと願うリゼットは、怯えるヒルデローゼに声をかけ、ジークに親しくしてほしいと頼む…
彼は何かを言いかけ…しかし結局首をふって、扉の取手を押し下げた。

「後悔するなよ」

可憐でそれでいて、随一の商家ヘルガー家について話し、知的な会話もできることを見せるヒルデローゼ
興味を持った。…それが伝わってくる。彼の言葉がいまになって胸を騒がせる。
しかし、リゼットは、ヒルデローゼの本性を知ってしまった…
敵ながらあっぱれとしか言いようがないほど、かぶっている猫がずれないヒルデローゼの本性に、リゼットはどう立ち向かう?

という前半の展開と、後半は、稀少鉱物を廻っての策略への展開。
ヒルデローゼに敵意を向けられていた彼女だが、ヒルデローゼがジークの前で馬脚を表し破滅するとともに、危険な情勢になってしまった。ヒルデローゼを救う決意をするリゼットの行動は、考えの違うジークと相容れない…

政治的な問題に口を出すのは越権だと釘をさしつつ、彼女を自分の良心だと言ってくれた彼の言葉は嬉しい。
冒頭のあの姫をそそのかした男、順風満帆だという事件の黒幕の男は誰なのか?
その辺りは謎のまま、続刊へ
全ての罪を独りで被り貴族の娘らしい猛々しさを見せたあの姫は、いい方向に変わるといいネ。
ジークの面倒くさくて、分かりにくくて、それでいて重くて深い愛が、今後も大変楽しくなりそう。
今回も、世話の焼ける義妹と、弟の面倒を見たユリウス兄乙!
ジークへの煽りと牽制はいい仕事っぷりでしタ。

ひずき優 読了一覧

コバルト文庫 読了一覧

大公様の花嫁さがし 結婚のおすみつきを奪取セヨ! (大公様の花嫁さがしシリーズ) (コバルト文庫)
大公様の花嫁さがし 猫かぶり姫、奮戦ス! ひずき 優
2013年01月24日 (木) 11:37 | 編集
大公様の花嫁さがし 猫かぶり姫、奮戦ス! (大公様の花嫁さがしシリーズ) (コバルト文庫)
(2012/09/29)
ひずき 優

大公様の花嫁さがし 猫かぶり姫、奮戦ス! (大公様の花嫁さがしシリーズ) (コバルト文庫)

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大公様の花嫁さがし
猫かぶり姫、奮戦ス! 

ひずき 優

北方の僻地、ペルナウ庄の領主の娘・リゼットに、王都の大学へ通う兄・ユリウスが一通の封書を持ってきた。それは若き俊英・ジークハルト大公の花嫁探しの舞踏会への招待状。貧しい暮らしを変えるべく、リゼットは花嫁探しへの参加を決める。都に張りぼての屋敷を見繕い、領民たちといざ参戦!ところがジークハルトは思いのほか強者で…!?おてんば娘のシンデレラ・ロマンス。
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猫かぶれてませんヨ!速攻で直球娘じゃないですか!と突っ込みつつ
ありがちでも、素直な乙女ノベルは大好物でス!

私を信じて!系
貧乏からの脱却の使命を背負い大公の花嫁になる目的で近づいた娘は、人を信じることのできない孤独な大公のひねくれた性格を知り、そんな彼を変えようと奮闘する。
どんなに、過酷な状況下でも、へこたれない雑草のような精神力と率直な明るさが魅力的なリゼット。コバルト乙女としては、狭量でひねくれたジークハルトに、傷つけられて読者に嫌われちゃう系なヒーローですが、必至なリゼットが可愛らしく、応援したくなる罠。兄に反逆の嫌疑をかけられ追いつめられるリゼットの後半の展開へと、なかなか面白いドタバタラブだった。

あらすじ
「なんとしても大公様にご滞在を楽しんでいただき、芋づる式に私に好意を持ってもらうのよ!そしてうまいこと大公妃の座を勝ち取って、故郷に小麦のパンと野菜と肉をたっっっぷり持って帰りましょう!」

おまえにはユリウスがいるのだし…ともごもご続ける父が何を言いたいのか、いまいちつかめない。養子になった義理兄ユリウスの持って来た、大公の花嫁探しの舞踏会への招待状。王都の外れの屋敷を兄に与えられ、ペルナウの領民達に手伝ってもらいながら、大公訪問の準備を進めていた矢先、不意に訪れた大公の美しさに目を見張ったが、彼の尊大な態度にムカムカをぐっと我慢した。
故郷への人々を思い、笑顔を振りまくリゼットの説明にも、鼻を鳴らし忌々しげに返す。裏目に出た反応に、4歳にして大公の地位を継ぎ、熾烈な権力争いの末、10歳に目の前で母を毒殺され毒殺した公爵は自殺したと話を聞いている。心を許せる友人もいないのかと、頭を悩ませていると、開けて欲しくない部屋を無理矢理こじ開けた。
『田舎の寂寞』風なのですわと、苦しい言い訳をに感心した彼は、彼女も座るように命じ、お手並み拝見といこうかと、言い出した…

「私をたらしこみたんだろう?まじめにやれ」

全ての娘が地位目当てであり、心を殺しきっていないお前はマシなほうだと言われれば、腹をくくるしかなくなった…

「いざ、お覚悟…!」

失敗しちゃった。少々力がはいりすぎたようだ。大公のくちびるも切れてしまった…。これから本命に会いに行くと、彼女を遠ざけようとする彼に、挙げ句口止め料目当てだと指摘され、悔しさがこみ上げた…。
本当の自分を知ってほしい。利益を求めて生きる人間だけではないことを知ってもらいたい。

「偽善をいうな」

周囲にいる人物は信頼に値しないのは、殿下の心持ちにも問題があると鋭く指摘するリゼット。本命に会いに行くことは嘘だったが、公園での騒ぎで彼の人となりを知った彼女。
一歩他の姫より先んじていると思いながらも、舞踏会では大公の命に従わないことで窮地に立たされた…


というわけで、前半は彼との出会いと接近まで。後半にユリウスの過去の回想を挟んで、信頼を寄せていた義兄ユリウスの反逆の疑い…
信じるべきは、ユリウスか、ジークハルトか?
ジークハルトにユリウスの人となりを理解して欲しい、一緒に信じて欲しいと願う彼女と、深まる嫌疑の展開にハラハラ。
彼女がユリウスの話をすればするほど、面白くない彼という構図です。果たして兄は…?
なかなか、腹黒くて素敵な兄でした。詰めのあまさもありですが、続刊があるので、ジークのお株上昇と、兄の今後の活躍に期待しておりまス。

ひずき優 読了一覧

コバルト文庫 読了一覧

---続刊---
大公様の花嫁さがし 最凶の猫かぶり、現ル! (大公様の花嫁さがしシリーズ)
(2013/02/01)
ひずき 優

大公様の花嫁さがし 最凶の猫かぶり、現ル! (大公様の花嫁さがしシリーズ)
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