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愛は記憶のかなたに エマ ダーシー
2011年11月14日 (月) 09:33 | 編集
愛は記憶のかなたに (ハーレクイン・ロマンス)
(2010/05)
エマ ダーシー

愛は記憶のかなたに (ハーレクイン・ロマンス)



愛は記憶のかなたに 

エマ ダーシー

コンピュータ・プログラマーのジョーは仕事の依頼を受け、その会社の社長との面会に赴いて思わず全身が凍りついた。マイケル・ハンター―三年間、かたときも忘れることのなかった人。三年前、妹が妊娠させられたと聞き、ジョーは相手の男性を訪ねた。その男性のいとこであるマイケルが、話をつけると約束してくれたが、翌日ジョーを訪ねてきた彼は前日とは態度を一変させ、妹をなじった。そのまま帰りかけたマイケルを追いかけ、妹は車に轢かれて即死した。事故だったとはいえ、最初に彼を信じてしまった自分が呪わしい。ジョーは憎悪に目をきらめかせながらも、なぜかわいてくる熱い思いを持てあまし、その場に立ち尽くした。
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copyright 1983
Twisting Shadow

脇腹からえぐり取るように人間の内面を掘り下げるエマ ダーシーのデビュー作です。たった一人の妹を目の前で失い、深い憎しみと心の傷、そして孤独にふるえるヒロインに涙です。
エンターテイメント要素はないです。笑えません。
彼女の心を開かせようとする、ひたむきで辛抱強いマイケル。それでも過去に怯えるジョー。二人の掛け違ったすれ違いや、妹が死んだ原因のマークを抜きにして話を進めて行こうとする間違いに気がつかない二人が切なくて痛いです。

あらすじ
マイケル・ハンターに妹が妊娠したので、マーク・ハンターに知らせてくれるように頼んだ。マイケルを信じたジョー。しかし彼の翌日の態度は冷たく蔑み満ちていた。マークはキャロルの子供ができたのかも怪しいし、結婚する気はないとの伝言を冷たく告げた。キャロルは取り乱し車に轢かれ二人の目の前で即死した。
三年後、たった一人の家族を失った憎しみを込めてマイケルに対峙する。仕事はプライドを持って引き受けるが、私的な関わりは一切持とうとしない冷徹な態度のジョー。
ジョーに歩みよりをみせるマイケル。

「”もし”ほど無意味で有害な単語はない。それは人をありえない夢に誘い込み、現実をうつろにし、未来を荒廃させる」
「過去はもう忘れませんか?」

しかし、マイケルの言葉すべてに疑いを持ってしまうジョー
キャロルを妊娠させた本人のマークは呑気にジョーを口説きにかかった。マークの鼻をくじいてやりたくなったジョーはパーティーの誘いを受けるが…
マイケルからの翌日のヨットへの誘いを”ゲームはやめて”と土壇場で無下に断るジョー。マークの残して行った時計を見たマイケルは誤解をし侮蔑の言葉を投げつける…
真実を知ったマークは、ジョーに謝罪するが、ジョーは妹の本質を見ようとしない。

彼の蔑みの視線…愛する人を失う恐怖…信じて裏切られた過去…
マイケルはプライドを捨ててジョーを口説くが、言葉が足りない…
彼に惹かれるほどに、懐疑の念が湧き、怯え否定し距離を置こうとするジョー。しかし、彼は男心をもて遊ぶ憎しみに満ちた罠を仕掛けられたのだと誤解した…

「最初から計画していたんだね?僕を信用させ、油断させて心臓にぐさりとナイフを突き立てる。目には目を。そういうこと?」

後半も最後まで修羅場。キャロルの死を抜きにして話を進めていく二人の間違いが、ジョーを頑にする。
キャロルのことをマークと語りあえたことは、ジョーにとって妹を悼むことができた、大切な儀式だったのだなぁと、涙でル。

彼女が拒絶する原因が上手くラストですとんと落ちて納得と約束された未来に幸せな読後感。エマ ダーシーの作品の本質が詰まった読み応えのある物語と言ったらいい意味ですが、私的には、元気のある時に読まないと、読後の疲労が激しい。

エマ ダーシー 読了一覧

ロマンス 読了一覧
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