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裏閻魔 中村 ふみ
2012年04月01日 (日) 15:51 | 編集
裏閻魔裏閻魔
(2011/03/04)
中村 ふみ

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裏閻魔 

中村 ふみ

「ゴールデン・エレファント賞」第1回〈大賞〉受賞作!壮大なスケールでおくる、超弩級エンタテインメント・ストーリー!!
時は幕末。
長州藩士・一之瀬周は、新撰組に追われて瀕死の重傷を負うが、刺青師・宝生梅倖が掌に彫った「鬼込め」と呼ばれる呪いの刺青で命を救われる。周は不老不死の運命を背負うこととなり、明治から昭和へと激動の時代を刺青師・宝生閻魔として人目を憚るようにして生きていく。傍らには常に、友人の遺児・奈津の姿があった。その奈津を狙うのは、姉の仇で同じ鬼込めの技を持つもう一人の刺青師・夜叉。少女だった奈津もやがて女として閻魔を意識しつつ、純愛を貫きながら彼の年を追い越し老いていく……。
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和風ファンタジー
第1回目の賞で、何の賞?的な感覚ですが、エンタメ感溢れる一歩踏み込んだラノベ感で読みやすく、とても面白かった!
20にして時を止めてしまった彼の体、彫り師となった彼が、自らの不死の運命と葛藤しながら、激動の時を生きる物語。彼の周りを取り巻く事件や人物、時代の変遷とともに、時を重ねうつろう周囲と彼の思い。
同じ時をいきられない彼のやるせなさが、切なく苦しいが、人に対する嫌悪や憎悪といった負の感情のドロヌマ感は抑えぎみです。敵役の夜叉にしても、憎んでも憎みきれないやるせなさや、彼に寄り添う奈津に対してもほろ苦い思いなど、ホロリとする感情面での葛藤が素敵です。
対象年齢性別を問わない書き方なので誰にでもおすすめ
2巻に続くので、続刊が気になる状態で終わる生殺し感。
大きく分けると、前半 江戸、中盤 明治、後半 昭和 

あらすじ
1866年
新撰組を内通していた一之瀬周は、宝生梅倖に掌に「鬼込め」と呼ばれる彫り物を入れられ、不死になってしまう。
首をハネるか、心臓を一突きか、鬼が嫌になって出て行くか、鬼を同じ彫り師に解いてもらうか…
自ら命を絶つことはできない。

「宝生閻魔と名乗ればいいじゃないか」

彫り師としての覚悟を決め修行を始めた閻魔
自分に禁忌の「鬼込め」をした、兄弟子”夜叉”の存在

「もし、あいつに会うことがあったら、できることなら…殺してやってくれ」

新撰組、岡崎清之助を裏切った閻魔の思いは…
岡崎は、梅倖の元に周が身を寄せていることに気がついた…
1883年
時は明治、彼は岡崎の娘である日坂奈津に出会った。警察に無実で囚われた父を救いたい彼女を助けるために、閻魔は、警視の牟田信正に会う。酒を「鬼込め」で断たせた恩を感じる信正は、その後の彼を保護する人物。
父を亡くした14歳の奈津は、閻魔を兄と呼び、女医になるべく決意する…
1890年
そして、時はうつろい、彼女は21になった…
夜叉は名前を変え、鬼月と名乗り、
横浜の巷では、切り裂き魔が…
1895年
奈津はプロポーズを受けるべきか悩む…
再び奈津に絡んできた夜叉…

「七割殺されたい、二割殺したい……かな」
「計算があわねぇ」
「人の心も世の中も、計算どおりにはいかないことばかりだろ」

彼の関わる彫り師としての彼の仕事をストーリーに絡め、数年後ごとに年を重ねる周囲と、彼のやるせない思いと、鬼月のちょっかいが奥行きを出しています。
年をかさねるたびに切ない奈津の行き場のない思いがくるしかった。
彼に寄り添って来た黒猫と、ラストの奈津の手紙は、涙ホロリ。
最後まで、20の外見そのままに、青二才の彼の半端な優しさと、熱さが切ない。そして、彼の身を案じる大切なものに気がつかない、失う間際まで気付けない彼が不憫。
続刊、千里眼の持ち主、惠子の登場で、ワクワク

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