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偽りの別れに愛のあがないを サラ・マクリーン
2015年08月01日 (土) 22:06 | 編集

偽りの別れに愛のあがないを (ラズベリーブックス)
2014/7/10
サラ・マクリーン (著)

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偽りの別れに愛のあがないを 

サラ・マクリーン

ラモント公爵の跡継ぎウィリアムは、父親が4度目の結婚式を迎える日の朝、激しい頭痛とともに目が覚めた。前夜、美しい女性と酒を飲んでから記憶がなく、ベッドは血まみれ。そして、父の花嫁であるマーラが消えたという。―それから12年。彼は“人殺し公爵”テンプルと疎まれ、賭博場で金を払えなくなった客相手に、借金を帳消しにするか領地を失うかの賭けボクシングをしていた。ある晩、尾行に気づいたテンプルが捕まえたのは、彼が“殺したはず”のマーラだった…。彼女は死んでいなかったのだ。16歳の誕生日の2週間後に、父親のような年齢のラモント公爵と結婚することになったマーラは、テンプルがその息子だと気づかないまま、失踪するのに利用したのだった―。復讐の念にかられながらも、次第にマーラに惹かれていくテンプルは…?RITA賞ファイナリスト作品!
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copyright 2013
No good duke goes unpunished

人殺し侯爵の汚名を着せられ、父親の婚約者を殺したと罪悪感に苦しんできたテンプル。
彼は、ウィリアムという名を捨て、“人殺し公爵”の名にふさわしい賭博場<堕ちた天使>で、無敗の賭けボクサーを続けてきた。
彼に勝てば借金は消える…借金にまみれた男達の最後の希望であり、絶望を引き渡す役目だ。
ある夜、彼が捕まえたのは、あの日彼の人生の全てを奪うことを仕組んだ女、マーラだった。何故、マーラは殺されたように見せかける必要があったのか…

表紙裏には”RITA賞ファイナリスト作品!”とありますが、シリーズの一巻目に続き、見事2014年ヒストリカル・ロマンス賞を受賞した作品です。
シリーズ三作目に当たるので、この巻だけで読むのはあまりおすすめしない。
一巻目ほど、ホットなシーンは多くなく、物騒な始まりの割には、どこか微笑ましい雰囲気のある作品。
真実を求め苛立ちをぶつけるテンプルの感情から容赦ないと思い込むマーラは、自らが運営する孤児院の子供たちを救うために、情けない真実をいつ告げるべきか思い悩みながら、彼との駆け引きに必死になるのです。
展開は素直なストーリですが、テンプルの感情の移り変わりや、マーラが失踪中必死に作り上げた自分の居場所への想いが、激情ロマの後にぐっとくる良いお話となっております。

あらすじ
真夜中の襲撃者は女だった。取り押さえられた女の顔を覗き込み、街頭があればよかったのにと思う。
女が息を吸い、その重みがふたりの間に落ちた。これから言うことが彼女の人生を変えてしまうというばかりに。テンプルの人生も。彼は自分も息を殺していることにほとんど気づかないまま待った。

「あなたに挑戦したいのです」

テンプルは女を放して背を向けた。いらだちと、やりきれなさと、少なからぬ落胆に襲われていた。男としての自分のもとへやってきたのではなかったのだ。
だが、女は食い下がった。
「俺が取引をしたがると思うわけは?」
「おれはクロイソス王並に裕福なんだよ。だから、俺が自力で手に入れられないものを君が申し出るのは無理だ」
女が大声で呼び止めた。

「赦罪でも?」

彼は凍りつた。
赦罪。
そのことばが何度頭にささやきかけたか。罪悪感と怒りだけを抱いた暗がりのなかで、ベッドに横たわり、低く小さな声で何度その言葉を言ってみたか。
赦罪。
片方は青。もう一方は緑。
めったにない変わった色の目だ。忘れられない目の色。
彼女は肩をいからせ背筋をこわばらせ、テンプルの目を見つめた。堂々と、良心の呵責もなく。
なんてことだ。


冒頭の経緯。マーラ・ロウ。父親の花嫁になるはずだったマーラ。
テンプルは、その夜まで公爵の息子として明るく放蕩者なウィリアムとして人生を謳歌していた。記憶にあるのは、マーラの微笑みと彼女の黒髪、忘れられない瞳の色。
翌朝、彼女のベッドで全裸で血まみれになってメイドに発見され、親に勘当され、生きるために賭けボクサーになった。
父の死後は”人殺し公爵”テンプルと蔑まされている。
マーラの弟が賭博に金をつぎ込み、救済としてテンプルとの試合を望んでいるが、再び彼の前に姿を現したマーラは、テンプルに取引をもちかける。
テンプルは人生を取り戻すために、マーラへの復讐を誓う。全てを明らかにし、彼女を破滅させる…
マーラにはどうしても弟の使い込んだ金が必要だった。姿を消していた12年で作り上げたマーラの全てである孤児院を救うために。
「もう逃げないわ」

彼女を殺していなかったという事実への安堵と、真実を知りたいという苛立ち。復讐のためにマーラに傲慢な態度をとるテンプルだが、次第にマーラを理解するにつれ、彼女を愛しはじめるという、シンプルな展開。
感情をぶつけあいながらもお互いの相手の出方をみる2人の掛け合いが、読みごたえありです。

彼女側の真実を知ると、なんだよそれ〜と、突っ込みをいれたくなります。ある意味、憎めない微笑ましい雰囲気。どうしようもないダメな弟君が、いろいろとかき混ぜてくれます。
孤独を抱えてきたマーラが、テンプルから赦されてなお、孤独を選ぶ姿がぐっときます。
マーラを守ろうとする子供達がとてもうるっとしてしまった。
エンタメ要素を多く感じたが、おもしろかった。

RITA賞 一覧

海外ロマンス 読了一覧

-----〈堕ちた天使〉シリーズ------
偽りのあなたに真実の誓いを マイケル(ボーン侯爵)
偽りの求婚に恋の賭けを クロス(ハーロウ伯爵)
偽りの別れに愛のあがないを テンプル(ラモント公爵)
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2015/6/10
サラ・マクリーン (著),



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