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灼けつく愛のめざめ シェリー・トマス
2015年08月21日 (金) 00:03 | 編集

灼けつく愛のめざめ (二見文庫 ザ・ミステリ・コレクション)
2011/4/21
シェリー・トマス (著),

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灼けつく愛のめざめ 

シェリー・トマス

19世紀末英国。貴族の娘でありながら女医として忙しい日々を送るブライオニー。幼なじみのレオと数年ぶりに再会し、瞬く間にその魅力の虜となり結婚する。だが、とあることから結婚生活は一年ほどで終わりを告げ別々の道を歩いていた。-それから三年後。伝道師らとインドに渡ったブライオニーが山岳地帯を旅していると、レオの思わぬ訪問を受ける。父が危篤だという知らせだった。やむなく帰国を決め、その帰路、過ぎし日を思いかえすうち、ふたりのあいだにかつてない情熱がめばえるが…2010年RITA賞(Best Historical Romance部門)受賞作。
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copyright 2009
Not Quite a Husband

2010年と11年にリタ賞を受賞した実力派の作家さんです。
こちらは2010年に受賞した作品。
夫を捨てた女医さんと、年上の女房を追いかけてきた献身的な夫との、夫婦関係修復のロマです。
しかも、舞台はインド。
若き天使だった夫への鬱屈した思いと意地が、切なく悲しい雰囲気から始まるお話です。
情緒の欠落したヒロインが、再会した夫と行動をともにすることで、相互理解を深め、唯一愛した継母トディへの想いを振り返り、疎遠となった父へ赦し、夫への赦しという、過ちへの寛容さを手に入れるまでが繊細に描かれます。
徐々に明らかになる二人のすれ違った想いを理解しながらも、無駄な意地から死地に足を踏み込み、ラストまでハラハラの展開。
とはいえ、地味に状況描写をしていく部分も多いので、人により好みが分かれやすい作品。

あらすじ
ブライオニー・アスキスは二十代後半だった。漆黒の髪にひと筋はいった目立つ白髪は、不釣り合いと言われた、輝かしい夫クウェンティン・レオニダス・マーデン(レオ)との結婚での苦悩の末にできたものだ。
彼は、ワイデン伯爵の5人息子の末っ子で、結婚式を挙げるころには24歳の若さでロンドン数学界に数多くの論文を発表し、脚本、探検と、常に人々に囲まれ、誰からも賞賛された。それとは対象的に妻のほうは口数が少なく、人に招かれることもなく、医学をおさめ、働きにでていることに疑問を持たれていた。
レオを愛している。
彼も自分も憎くてたまらない。
レオ、と胸の内でつぶやく。レオ、レオ、レオ。こんなふうに終わるはずではなかったのに。

こんなふうに終わるはずではなかったのだ。

インド北西部山岳地帯、-略- 1897年夏
父が病気だというキャリスタ(異母妹)の知らせを、地の果てにいるブライオニーに届けにきたのは、婚姻無効となった夫のレオだった。
ブレイバーン夫妻に同行していたブライオニーだが、彼は荷造りが終わったらすぐにここを発つつもりだという。
夫妻に、嘘とも本音ともつかない甘い言葉を並び立てるレオに腹を立てていた。が、自分にはもっと腹が立った。というのも、痛いほどの喜びが少しずつ心に湧いてきたからだ。

「きみとの結婚はぼくの人生においてもっと幸せな時だった。でもそう、ぼくはきみの高貴な心を本当に捕まえたわけじゃなかった。そうだろう? 楽園にもすぐに問題が生じた。ある日きみがこう言った。『髪が白くなったの。遠くへ行かなければならないしるしだわ。できたらあとで探して。そうすれば、またあなたのものになるから』」

髪が白くなったことを逃げ出すしるしととらえたことは本当だったが、どうして彼がそのことを知り得たのだろう?


冒頭の経緯。二人は、出発したものの、レオはマラリアで倒れてしまう。高熱とキニーネの副作用で吐き気と戦いながらも、レオは回復しはじめる。商隊から英国人を追い払うと言われる指導者の存在を知らされる。
内乱の不穏な空気をはらみながらも、お互いの近況を語りあい、再び親密さを増す二人だが…

当時の旅の状況を描写しながら、過去の回想を交え、二人の問題を探り合います。幼い頃からの彼女への思慕と敬愛、そして釣り合う男となるために懸命に頑張った結果の二人の破局に、彼女の心を探ることを諦めつつあるレオ。
一方で致命的な間違いをおかし、二人の結婚は当初から問題があったことを知らされ、レオは苦い思いにとらわれる。
父からの愛をえられなかったと思い込み、心を閉ざすブライオニー。人を許すことをできない彼女は、再び間違いがあったとき、彼を許すことができず、同じような結果になるのではと、レオは彼女と距離を置こうとし…

ブライオニーの逃避と、意地。その果てに、内乱での生死をかけた戦いへと巻き込まれる展開。
男女の立場がかなり逆転しており、甲斐甲斐しい年下夫の献身は萌です。
女々しいほどの彼の臆病な部分も含めて、あとからじわじわ来る興味深い作品
でも、異色なうえに重い。わたくしは、この作家さんは初読で、他の作品を読むべきか悩みどころではあるが、機会があったら、他の作品も読んでみたい。

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