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ドーバーの白い崖の彼方に ジョアンナ・ボーン
2015年08月22日 (土) 18:13 | 編集


ドーバーの白い崖の彼方に (二見文庫 ザ・ミステリ・コレクション ボ 1-1 )
2009/11/20
ジョアンナ・ボーン (著),

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ドーバーの白い崖の彼方に 

ジョアンナ・ボーン

ナポレオン統治下のパリ。19歳の勝気な少女アニークは、イギリス侵攻作戦に関する機密文書を隠した容疑で、フランス警察にとらえられ監禁されていたその男はけっして恋してはいけない相手だった…激動の時代にゆれるヨーロッパを舞台に描く壮大なヒストリカル・ロマンス。
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copyright 2008
The spymaster's lady

瞬時にすべてを記憶するアニークはスパイの母や仲間たちから徹底したスパイ教育を受けて育った。五ヶ月前から目が見えないにも関わらず、囚われのグレイとエイドリアンを助け脱獄に成功したアニークだが、貴重な情報を知る手がかりとして拉致同然に彼らと同行することになったが…

RITA賞の”Best Regency Historical Romance”賞を受賞した作品。
ストーリーで読ませるロマ。
スパイとして危険な男グレイに惹かれることで神経を尖らせるアニーク。彼女の持つ情報を取り込みたいながらも、気持ちを傾けるグレイとのパワーランスと、命がけのストーリーは、緊張感があり568ページをラストまで一気読みできる。
愛しあいながらもすれ違う男女という王道な情熱と思慕とは毛色が違うのでご注意。
スパイの彼女なので口は硬いのです。なので、彼を信頼し全てを話すことのない彼女に感情移入はしにくいかもしれません。
他とは違ったスリリングな展開の続くロマンスの行方をお楽しみください。

あらすじ
師ヴォーバンはアニークにアルビオン計画書をみせながら全てを焼き捨てた。母は亡くなり、師の行方は知れず、今、アニークはルブランに捕らわれ、耐え難い苦痛と孤独の中にいた。
同じ囚われのイギリス人が声をかけてきた。連れの男は怪我を負い、先は短そうだ。
同盟を組むことを提案したイギリス人・グレイの誘いにのり、アニークは靴下に石を詰め込むと、チャンスを待った。
脱出に成功し、アニークは教会の場所を教え、彼女は別の道を行こうとしたが、グレイは怪我をしたエイドリアンを一人では連れていけないと、水のある場所まで彼女と同行させようとする。
仲間のドイルと落ち合ったグレイは、とっさに姿を隠したアニークに水を差し出す。

「案内役に水を飲ませてやりたいんだ」
グレイは黙って待つアニークの震えを感じた。水のことを考えていろ、アニーク。どれほどのどが渇いているか、ずっと考えていろ。
もし彼女を捕まえそこねたら、二度と機会は巡ってこないだろう。
彼女の本能が逃げろ、と叫んでいるのが聞こえてきそうだった。

小さな間違いを犯したために、高い代償を支払わされたことがある、とアニークは思った。水に誘惑されてはいけなかったのだ。
決着は瞬く間についた。彼に完膚なきまで打ちのめされ、迷惑な小包のように締めあげられ、逃げられないようにされた。
グレイ。このイギリス人はスパイなの?どうやら身の程しらずの戦いをしていたようだ。とんでもなく運が悪い。グレイと呼ばれる男は、英国諜報部の諜報局長で、伝説の人ガルバの直属の部下だった。

「お願い、あなたに嘘はついたりしない。ひと言たりともね」

「それはどうかな」と彼は言った。

グレイのような男は、アルビオン計画書の所在をつきとめるためなら、彼が欲しい情報をいかにして引き出すか、その後、口をいかにして封じるか、想像がついた。彼女は彼の鋼のような腕に屈し、戦いで汗だくになっていたが、心は1月の寒さのように凍てついていた。


3章冒頭までの経緯。アルビオン計画書の売買による罠で仲間を惨殺された恨みを持つグレイは、アニークを捕らえた。
ルブランに追われる一行。アニークの情報や彼女への恨みを持ちながらも、惹かれるグレイ。
しかし、お互いに警戒し決して心を許すことのない関係のまま、ルブランに追い詰められた一行は、散り散りに…

彼女の最大の切り札である”アルビオンの計画書”
英国に渡し祖国の裏切り者となるのか、フランスナポレオンの思うまま英国を侵略し多くの血を流すべきなのか?
”アルビオンの計画書”託した恩師ヴォーバンの行方を彼女は知らず、フランス秘密警察の英国部門統括責任者であり母の愛人である敬愛するジャックルブランの指示を仰ぐべく英国を目指す。
冷徹な英国スパイであるグレイと、愛すべき一面を見せるロバート。同じ人物でありながら別人にもなれる彼への思慕への想いと、祖国への想いに揺れながら、何を信じるべきなのか…

というわけで、目の見えない彼女のその後は、ストリーを楽しむお話なので、ほのめかしつつ秘密。
機知に富み才気あふれるヒロインの頑張りと、緊張感のある掛け合い。そして、彼に惹かれながらも決して流されない強さのあるアニークが徐々に切り崩されていく過程が、苦いながらも良いロマ。
王道ロマンスに飽きたら、一風変わった作品もどうでしょう?

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