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ふたたび、恋が訪れて カーラ・ケリー
2015年08月28日 (金) 16:57 | 編集

ふたたび、恋が訪れて (ラベンダーブックス)
2009/7/26
カーラ・ケリー

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ふたたび恋が訪れて 

カーラ・ケリー

19世紀英国。ロクサーナ・ドリューは半年前、夫アンソニーを病気で亡くし、悲しみに暮れる生活を送っていた。ところがある日、亡夫の兄マーシャルから、養ってやるかわりに自分の愛人になれと迫られてしまう。好色な義兄から逃れるため、ロクサーナは小さな家を借り、幼い娘ふたりを連れて移り住む。家の持ち主は侯爵のウィン卿であるが、戦争のため不在にしていた。ある晩、領地の視察をしていたウィン卿がこの家を訪れる。ウィンは悲惨な戦争体験や離婚のスキャンダルのため、人に心を閉ざしていた。だが、健気に生きるロクサーナや娘たちと友情を育むうち、ふたたび人を愛する気持ちを取り戻し…。ヨークシャーの大自然を舞台に、第二の人生を歩もうとするふたりが出会い、さまざまな障害を乗りこえて結ばれるさまを丹念に描いた、心温まる感涙のロマンス。RITA賞受賞作。
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copyright 1994
Mrs.Drew Plays Her Hand

1995 RITA賞”Best Regency Romance”賞を受賞した作品。
部下の温かな家庭を羨ましく思いながらも、泥沼の離婚劇の後で、彼の評判は地に落ち、結婚はもう懲り々だと考える。そんな世を拗ねた男が、苦労しながらも温かな家庭を作る未亡人ロクサーナに恋をする物語。
ヒロインのロクサーナは、夫の兄に愛人関係を迫られ、自活するにも経済的に苦境に立たされている。そんな彼女を守るために心を砕く彼の姿がキュンとくるお話。
カーラ作品は、ホットなシーンは極力すくない(というか3行?)ので、ホットなシーンもある情熱的なヒストリカルロマをお求めの方はご注意。
悪役も最後まで悪役ではない辺りが、とっても心あたたまるロマ。

あらすじ
ロクサーナ・ドリューは他人の敷地に侵入するような女性ではない。たとえ地主がいまこの国にいないとしても。
夫のことを考えてほほ笑むことができるようになったのはありがたかった。
散歩をすることがロクサーナの唯一の気晴らしであり、牧師の夫アンソニーが元気な時から教区の巡回に同行させられた。
妊娠中も歩きつづけた。そしてある日のこと。アンソニーはロクサーナに医師の見立てを伝えた。
ロクサーナを見つめて冷静な口調で話した彼の姿は、一生彼女の脳裏から消えることがないだろう。
それから3年。彼を葬ったばかりの4月や5月にくらべれば、悲しみに浸る時間は短くなっていた。
夫の兄ホイットコム卿が訪れたことを思い出した。義兄は牧師館に新しい牧師を迎えるにあたって、ちさな家を探し自立しようと考えるロクサーナに怒りをあらわにした。
義兄は同居し、愛人になれと言っているのだ。
アンソニーの愛を渇望していたとはいえ、わたしがそこまで切羽詰まっていると思わせる態度を取ったことはない。
物思いにふけるうちに、牧草地に出た。しばらく行くともアランド・パークの芝地に出た。持ち主のウィン卿がまだ国外にいることを考えると、信頼のおける忠実な管理人がいるのだろう。
ひなびた魅力をもつ屋敷の内部が想像できた。まるで幽霊屋敷だろう。
裏庭に回ると、あばら屋と化した離れをみつけた。
中を覗き込むロクサーナに声をかけたのは、管理人のティビー・ウィンズローだった。
25年に渡るフランスとの断続的な戦争と地主不在のおかげでこんなに荒れ果ててしまったのね。
中をみせてもらいながら、ロクサーナはあることをした。すべきではなかったのかもしれない。けれどもどんな女性でも、無人の家を見れば我慢できないだろう。心の中で家具を置き、窓際に娘達のベッドを据え…

「これなら修理できますわ、ミスター・ウィンズロー。それで、一年間お借りするのにおいくら払えばよろしいのかしら?」


冒頭の経緯。義兄に手当の支給額を握られているが、背に腹はかえられず、娘二人を連れロクサーナは引っ越しを決意。管理人の好意である程度は修理され、壁紙などは自分で張り替えることで格安にしてもらった。
だが、献身的な子守のメギーと娘2人での暮らしは経済的に厳しい。
そんな雪の夜、出迎える人もいない屋敷に辿り着いた領主のウィン卿が、彼女の住む離れに転がり込んできた…

従軍し疲れ果て、妻への不安を口にする部下は、温かな妻の腕の中に帰っていった。
だが、自分には結婚に失敗したために出迎えてくれる妻もなく、出迎えてくれたのは口うるさい姉妹達。
二度と結婚するつもりも、子供を持つつもりもなかった。
前の妻があることないことを口にしたため、ロンドンでの悪評にうんざりした彼は、各地に点在する領地を見て回ることにしたが、アランド・パークの館に明かりはない。その時、裏手の離れに未亡人が住んでいると知らされたことを思い出した…

末娘のアマベルは無条件でウィンを信頼し、無邪気で温かな手を差し出し、夫の死を今も悼み、苦境に立たされているロクサーナは、ウィンの施しを嫌がりながらも、彼に感謝し、父の死から抜け切れない長女ヘレンは、ウィンから馬の世話をさせてもらうことで、次第に明るさを取り戻していく。
慎ましく懸命に生きるロクサーナや、ウィンになつく娘たちにほだされ、彼の凍った心が傾いていく様がとても良いです。
ひとつひとつのエピソードがリアルで繊細。
それでいて、中盤の雪山を超えての結婚や、その後のすれ違った二人は、ドラマチック。
遠回りな大人の地味恋をじれったくも、応援したくなるのです。
アイデアで難局を乗り切るという触れ込みの割には、ラストに彼がぼやっとしていたのは、少々蹴飛ばしたいが、大団円に涙でた。

足の指一本くらいと言った彼の男気に惚れたが、後半は放浪野郎と化しみんなを失望させくれる。猛反省してくれたが、彼女の前で告白してくれたまえョ、ページまたいでしまってるヨ、二行じゃ足りないヨ!と突っ込みをいれつつ、キュン転がって楽しかった。


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