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荒野の花に囚われて パメラ・クレア
2015年08月31日 (月) 14:42 | 編集

荒野の花に囚われて (ヴィレッジブックス)
2015/5/30
パメラ・クレア (著),

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荒野の花に囚われて 

パメラ・クレア

18世紀アメリカ。父から引きついだプランテーションを細腕で切り盛りするキャシーはある日、奴隷船の中に瀕死のイギリス人を見つける。凶悪犯罪を償うため海を渡ってきた野蛮な男の身を、キャシーは思わず買い受けてしまうが、彼の正体は陰謀により別人にすりかえられた名門一族の紳士だった!令嬢と囚人という二人の関係は、しだいにひそやかな熱を持ちはじめ…実力派作家の名作がついに登場!!
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copyright 2003
Sweet release

脱稿まで7年という歳月をかけて書かれたデビュー作、時代背景を調べるだけでも二年半かけたそうで、読み応えのある一作となっております。
18世紀初頭、アメリカ独立より前の植民地時代のプランテーションのお話です。
奴隷問題に対する様々な問題点、年季奉公なりの苦境などなど、想像もつかない暗い時代の背景だけではなく、彼らの生活(イギリスとの屋敷の規模の違いから食生活”パンがなかった!”)に至るまで、とても勉強になりした。
651pによる、かなりボリュームのある作品ですが、波瀾万丈の二人の運命がどうなるのか、ラストまで手に汗のヒストリカルロマとなっております。

あらすじ 1730年5月18日
ヴァージニア王室領植民地 ランカスター郡、ラッパハノック河沿い
「このふたりでおいくら?」
彼女は衰弱した重罪人と彼に思いやりを示した奴隷を指し示した。
奴隷監督のミカは止めようとしたが、キャシーは奴隷商人と値段の交渉とはじめた。落ち着き払った口ぶりに自分でも驚いた。心の内は嵐の中で舞い飛ぶ木の葉のように震えているというのに。
葉煙草の栽培、商人たちへの支払い。母を亡くしてから自分を失ってしまった父親、そして幼いジェミー。
父は馬の買い付けにイギリスに行き不在ということで、キャシーは父に託されたプランテーションを一人で切り盛りしてきた。
買い付けた囚人は婦女暴行で起訴されたニコラス・ブレイデンという男だが、彼は回復するなり、自分はアレック・権利ーだと名のり、ロンドンで造船会社を営んでいると言い出した。

「あなたは自分が誘拐されたと言うつもりなの?囚人ではないと?」

キャシーは、彼の話が真実であることが証明されるまで、年季奉公であることをつげ、逃亡を図らないこと、十ポンドの返済を約束させた。

「約束してもらえますね?」

「はい、お嬢様。ぼくの名誉にかけて」


冒頭の経緯。イギリス名家の造船会社の紳士であるアレックスは、弟フィリップスの手によって、何の因果かキャシーのプランテーションで年季奉公することに。キャシーは”ブレイクウェル・ネック”という農場6万エーカーを切り盛りし、奴隷も年季奉公も別け隔てなく接している。ほぼ自給自足でイギリスの基準から見ればあまりに広大な敷地。
しかし、アレックスの希望虚しく、保安官は頼りにならず、隣人の使用人に冷酷なジェフリーはキャシーを偏愛し、アレックスの不遜な態度を目の敵にするように…

身元が明らかになるまでアレックスは知恵と努力で、周囲の人々の信用を得て、キャシーの信頼を勝ち取っていくのだが、そこには、その時代ならではの農耕作業や病気(出産やマラリアの流行)など、数々の苦労がまっているのです。
しかし、女ということでキャシー自身農場を守るのに苦労している人物。彼女にも限界があり、後半では予想に反した怒涛の展開が待っております。
前半が丁寧な生活描写だったのに対し、後半はかなりアクションのある展開。中盤まで二人の心理的葛藤を丁寧に描いていたぶん、後半の勢いはロマが希薄に感じた部分あり。
彼の身分を証明してくれる救世主の登場はまだかまだかと、かなりジリジリさせられます。
ラスト数ページまで真実を明らかにし、帰ることを当然と考えていた彼が、彼女への魅力に惹かれるのと同様に、荒涼たる大地での魅力に惹かれているのだと気付くのだが……とっても唐突に気付く。まったく男ってやつはと、突っ込みを入れつつ、大団円が嬉しくなるお話だった。

この時代の荒くれ者のヒーローらくし、3回くらい死にそうになってくれて喜
中盤、二人ともずいぶん楽しそうだが、手錠はいらなかったかな…ボソッ

2作品がリタ賞ノミネートとなった、こちらのシリーズも面白そう。





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