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最悪で最高の恋人 クリスタン・ヒギンズ
2015年09月02日 (水) 12:08 | 編集

最悪で最高の恋人 (ラズベリーブックス)
2011/7/9
クリスタン・ヒギンズ (著)

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最悪で最高の恋人

クリスタン・ヒギンズ

婚約者が妹にひと目惚れし、結婚式の3週間前に婚約破棄されてから1年。彼はついに妹と婚約した。そんな時、いとこの結婚式にひとりで出席したグレイスは、親戚から恋人がいないと口うるさく言われた上、自分を気遣う妹にいたたまれず、ついワイアットという医者の恋人ができたと言ってしまう。じつは彼は妄想の中の架空の恋人。だが信じこんだ家族はようやく良い相手が見つかったと大喜びする。複雑な気持ちで帰宅したグレイスは、その夜、家を訪ねてきた怪しい男を殴り倒したうえ、警察を呼ぶが、彼は引っ越してきたばかりの隣人キャラハン・オシェアだった。彼が発する危険な魅力から距離を置こうとしたグレイスだが、興味は増すばかり。おまけに、彼女にはワイアットという恋人がいることになっていて―最悪の出逢いをしたふたりは最高の恋人になれるのか?2010年度リタ賞受賞作。
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copyright 2009
Too good to be true

2010年度リタ賞”Best Contemporary Single Title Romance”賞を受賞した作品。
ひと言で紹介すれば、”妄想彼氏はお医者様、気になる隣人は前科者”
「わたしはこれまで恋人がいるふりをしたことが数回ある」
という告白のプロローグから始まる、嘘つきで見栄っ張りで、そのくせ愛する家族の幸せのために一生懸命になってしまう心優しきグレースの、”わたし”視点の独白型のコメディーラブ。
かなりアメリカ色が強く出ており、一般的なロマンス小説とは文章が大きく違うのでご注意。
吉本新喜劇やアメリカホームドラマ(笑いの合の手が入るような)のような、笑いあり人情ありのアップテンポな掛け合いが展開していくと考えると想像しやすいかも。
読みなれれば悪くないし、面白かったことは面白かったのだが、この文章が550ページというのは、かなり疲れる。

あらすじ
友人キキの三度目の結婚式に招待され、ブーケトスも終わった。彼氏ができないことで絞首台へ歩いて行くアン・ブーリンのような気分で、ダンスフロアに向かう。
と、つぎの瞬間、アンドリューが視界に入った。すごくすまなそうな様子でわたしをまっすぐ見ている。彼は恋人をつれてきている。かつて結婚するつもりでいた男性。結婚式を三週間後に挙げる予定だった男性。ほかに好きな女性ができたといって、わたしを捨てた男。
さらさらしたブロンドのナタリーと。どこまでも脚が長いナタリーと。建築家のナタリーと。
最愛の妹ナタリーは、今回の結婚式では、当然のことながらできるだけ目立たないようにしている。
そして、妹はトイレで涙を流していた。「私が原因なのね?」
「キティが花束を投げたときのお姉さんの顔。ああ、本当にごめんなさい」
「ナタリー」わたしはさえぎった。「もう未練はない。ほんとに。約束するわ」
後ろめたさと悲嘆のまじりけのない苦悩が混じった妹の目を見て、いつの間にかわたしは口走っていた。

「実はね、彼氏ができたのよ」

それからは誰もが格段にハッピーになった。お医者様の素敵な彼氏。専門は小児科医。電話をしなきゃらなないのに、携帯を家に置き忘れてきたのよと言い訳をして、タクシーで家に帰る。
わたしのかわいいワンちゃんアンガスは私が帰ってきたことに狂気して一階を走り回った。
窓の外に目をやった瞬間、わたしは凍りついた。
見知らぬ男が、隣家の家の壁ぎわを忍び足で歩いている。
どうしたらいいのかわからない。空き巣が入るのを目撃したのははじめて。
と、つぎの瞬間、わたしはハッと息をのんだ。あの泥棒がうちのほうへ顔を向けていたとしたら…


冒頭の経緯。家を購入した隣人を泥棒と勘違いしたうえ、フィールドホッケーのステックで殴りつけたグレイスは、翌朝警察から勘違いだと報告された。隣人の男性に謝ろうにも、次は熊手で偶然の一撃。アンガスはキャンキャン吠えまくる。
ハンサムな隣人に女の子の部分がキュンとなる感覚を久々に感じたけれど、隣人キャラハン・オシェアはそれまで刑務所にいたらしい。横領?なんで?

家族にはお医者様の彼氏の嘘話を次々作りあげ、妹ナタリーは姉の幸せに罪悪感が薄れ有頂天。一緒に浮かれる元彼アンドリューはただただ、ムカつく。
ゲイ友人ジュリアンからは、まっとうに彼氏を作るべきだと意見され、出合い系やセミナーに出てみたけれど、結果はがっかり。
ポルノ的な異色の創作活動をする母は気分屋で、施設に入っている祖母は、傲慢で言いたい放題。
法律家の姉マーガレットには見ぬかれたけれど、夫との7年目の難局を迎えてグレースの家に居候をはじめてしまう。
面倒の多い家族だけれど、それでも愛している。

30過ぎで、進学校の歴史教師にて、南北戦争マニア(総勢200人からの戦争舞台を森で再現劇)のグレイス。
おとなりのキャラハンが気になって、ついつい観察しながら、家族のドタバタに振り回され、嘘で面倒な状況に。
そんなグレイスの心の安らぐ場所は、老人施設。施設で孤独な認知症の老人に『わたしの騎士の淫らな欲望』を朗読していると、キャラハンが現れ、自分の祖父だと語るのです。
笑いで吹き出してすぐにキュンと切なくなくさせ、彼女の感情の幅そのままに、読者は翻弄されながら、キャラハンが彼女の愚かな行動で傷つく姿にぐっとくるのです。
そのアップダウンが楽しいと感じれば、ハマると思う。
ラストまで読みきれば、達成感(わたし読みきったワ!)と爽快感(ぶっ飛ばして正解!)が味わえる。

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