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赤い薔薇とキス ベティ ニールズ
2015年08月29日 (土) 14:23 | 編集

赤い薔薇とキス (ハーレクイン・イマージュ)
2009/5
ベティ ニールズ (著)

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赤い薔薇とキス 

ベティ ニールズ

マギーはロンドンの病院で主任看護師を務めている。あるとき、オランダから著名な専門医パウルが講演に訪れた。老人かと思いきや、三十代半ばの長身で精悍な彼の姿に看護師たちが色めきたつなか、マギーは平静を保っていた。どんなにすてきな男性でも、もう二度と会うことはないのだから。しかし、パウルはそうは思っていなかったらしく、病棟の視察を終えると、主任室にいるマギーのところへやってきた。「僕のことを覚えておいてほしいんだ」そう言うなり、彼はマギーを抱き寄せてキスをし、嵐のような混乱の中に彼女を残して出ていった。(I-2013)
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copyright 1969
A Match for Sister Marry

いくつか実験的な試みのある初期作品。
初期作品には珍しい、押しの強い男性視点から始まる。ベティ作品は、80年代過ぎても男性視点のない作品が多いのだ。
壁ドンの出会いのキスから始まって、ヒロインの主任看護師の部屋を赤いバラで埋め尽すという情熱的な男性(ハーレだって意識してみたとか?)
だけど、ヒロインはそんな彼の行動にいろいろな理由をつけて、距離をおいてしまう…という迷える乙女心。そこは、やっぱりベティ調。
結局、地味に素敵ロマ。

あらすじ
看護師たちを前にしての講義を終えたパウルを驚くほど盛大な拍手が包んだ。もちろんそれは内容というより彼自身に送られたものだったが、その理由に思い当たるほど、パウルは自惚れが強くはなかった。
質問では、案の定、不器量な娘たちが代わる代わる立ち上がって質問を始めた。
どれも知的とは言いがたい内容だったが、心やさしいパウルはその一つ一つに丁寧に答え、娘たちはみな嬉しそうに頬を薔薇色に染めた。
あの長身の彼女はどうしただろう?後ろに視線を移すと、隣に座る同僚になにかこそこそと話している。その相手がうなずいて立ち上がると、驚くほど考えぬかれた見事な質問をしてきた。さてはさっきの耳打ちは…。
講義の終了後、早速パウルはマクファーガス主任看護師の担当病棟を突き止め、視察を申し出た。
人手が足りない時の急な視察にも関わらず、主任看護師は見事に対応した。
別れたあと、二段抜かしで階段を駆け上ったが、すでにマギーの姿はなく、主任室のドアは閉まっていた。
パウルはためらうことなくドアをノックして中に入った。
マギーともう一人の看護師はそろって顔を上げたが、やがてマギーの顔だけがあからさまにゆがんだ。
看護師に席を外してもらうとパウルはドアを閉め、ポケットに両手を突っ込んだ。
「ご用件は?」ようやく口をひらいた時には敬語を使うことなど頭になかった。
パウルが一歩前に足を踏み出すと、二人の間はもう数センチと離れていなかった。あとずさりしようにも後ろは壁だ。
まさか医師を突き飛ばすわけにもいかない。

「僕のことを覚えていてほしいんだ」

パウルはマギーの肩を抱き寄せて唇を奪ったと思うと、あっという間にあとずさり、ドアを開けた。
 トット・ジーンス
「それじゃまた、マギー」


冒頭の経緯。マギー・マクファーガスは、トット・ジーンスの意味を理解しておらず、もう会うこともないと考えているのです。(和訳ではつかみにくいが、ベティ作品では重要なキーワード)
ところが、彼の母親ヘンリエッタが心臓発作で入院し、パウルは病棟主任である彼女を母親に割り当てます。
赤いバラの意味に期待と、いいように利用されるような不安。マギーは、彼に混乱させられる状態についていけず、逃げまわる有り様。
恩師を丸め込んで、パウルはマギーを休ませ、母親の看護のためにオランダへ連れて帰り…

ヒロインの家族設定から詳細に描く作者の傾向とは違い、ヒロインに秘密を持たせるなどしている点も、この作品の特徴の一つ。
マダムリヴォーの役どころは、前半の布石の割にいまいちだったな。

オランダの中でも、フリースランドは”フリジア人”としての誇りがあるのだ。大きな体格でおおらかな人柄のパウルの惚れっぷりは、気持ちが良い。
そんな彼の心中を知らず背を向ける搭乗シーンは、じれったいけど、切なかったわ。
夢のような甘いお話でした。

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