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別れの代償 ジャクリーン バード
2015年12月07日 (月) 14:32 | 編集

別れの代償 (ハーレクイン文庫)
2015/11/25
別れの代償 (ハーレクイン・ロマンス)
2001.12
ジャクリーン バード (著),

---楽天---




別れの代償 

ジャクリーン バード

コーンウォールの小さな村で画廊を経営するアビーは、三歳になる息子のジョナサンと暮らす毎日に満足していた。ところが彼女の前に、別れた夫ニックが思いがけなく姿を現した。廃村寸前の村をレジャーセンターとして再生させる計画があり、ニックはその計画に融資する会社の社長としてやってきたのだ。アビーの胸に、かつての結婚生活が憤りとともによみがえる。ギリシア人の彼とのあいだには、なかなか子供ができなかった。そのうちニックの態度は冷たくなり、愛人さえいるようだった。裏切られてイギリスに戻ったアビーが妊娠に気づき、報告したとき、彼が表明したのは子供の否認と、離婚の申し立てだった。あれから四年後のいま、ジョナサンを見て自分の子と確信したニックは、償いをしたいからと、アビーに再婚を迫ってきた。もし断れば融資を延期し、村を破産させると脅して。(R1729)
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copyright 1990
Shattered Trust

原題を直訳すれば”粉々になった信頼”
お互いの誤解と嘘で粉々になった二人の関係が痛々しい鬼ロマ。
男性視点なしだが、夫・ニックの痛々しいほどの内面の苦悩と健気にも彼女を取り戻そうとする努力や挫折感が、にじみ出ている。
傷つきすぎて意固地になり、ニックを理解できないヒロイン・アビーの葛藤や心中も共感しやすく、ラストまで斬り合う二人の薄幸っぷりは、読み応えあり。

あらすじ
妊娠5ヶ月であることを告げたことに返したニックの言葉はいまも忘れられない。

”おめでとう。だがぼくはまったく興味ないね”

そのあとすぐに、離婚仮命令と、生まれてくる子に対する正式な否認通知がアビーのもとに届いたのだ。
■□■
アビーは村の存亡をかけた開発の出資者であるハリーから、秘書を愛人と考えるビジネスの相手に対し、アビーの名誉のために年の離れた婚約者を演じて欲しいと頼まれた。
だが、そのビジネスの相手は離婚した夫ニックだった。
皮肉たっぷりで自信過剰なニックと、今も側にいる秘書メアリーとの関係に吐き気がする。
モデルだったころニックと知り合い、幸せだった頃と、悲惨な結婚の結末までを思い出す。
我が子への愛情と、この子を拒んだ男性への打ち消し難い憎悪で胸がいっぱいになった。
画廊にニックが現れ、ニックは息子の姿を見て初めてカーディス家の血だと理解した。
視線がぶつかった瞬間、彼の瞳に苦痛の色がよぎったような気がした。目の錯覚よ。

「ひとつだけ教えてくれ。ジョナサンンは父親が誰だか知っているのかい?」

「ノーよ。あなたは認知しなかったでしょ。この子の父親はいないわ」

ニックは目を閉じ、ドアにもたれた。一瞬、気を失うのではないかとアビーは思った。


冒頭の経緯。ニックの秘書メアリーから、ニックの病気の父親から会社の株の遺産相続で孫であるジョナサンが必要だから再婚する気なのだと吹き込まれる。
ニックは自分の息子を目にして4年後しに自分の子供だと理解し、やっと当時の真実を口にして再婚を迫っても、アビーは彼を信じることはできず、口から出まかせを言っているのだと思い込む。
ニックは再婚を承諾させるために、村への融資を条件に脅迫。アビーは承知するしかなくなった…

浮気性の夫の辛辣な言葉を回想し、彼を憎む中盤。再婚後、当時夢に描いた新居での暮らしに、次第に心を開く後半。
彼の祖父が亡くなり、ニックの態度の変化に再び苦しむ中で、彼のプライドをさらに叩き潰すラスト。
残り数ページまで、ハラハラさせられた。
無理やり承諾させられたことに、へそを曲げるヒロインと対照的に、教会で式を挙げ、アトリエまで作って喜ばせる、甲斐甲斐しいニックがとっても良い男。馬鹿だったから自業自得なんだけどね…。
最後までニックがかなり不憫だが、男性視点がないぶんヒロインの意固地さに腹が立たず、信頼しあえない二人が切なかった。
ニックのいじけっぷりがわたしは好きよ


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