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フレデリカの初恋 ジョージェット ヘイヤー
2015年12月23日 (水) 13:00 | 編集

フレデリカの初恋 (MIRA文庫)
2015/7/9
ジョージェット ヘイヤー (著)

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フレデリカの初恋 

ジョージェット ヘイヤー

高貴な血筋と富、そして麗しい顔立ちを生まれ持ったアルヴァストーク侯爵は尊大で皮肉屋なことで知られている。最近も強欲な姉に、冴えない姪を社交界に披露する舞踏会を開くようにせがまれ、断ったところだ。何もかもに退屈していたとき、遠縁の“親戚”を名乗る客が訪れた。その若い女性―質素な身なりだが洗練された立ち居振る舞いのフレデリカは、美貌の妹の社交界デビューに力を貸してほしい、と勇敢にも頼んできた。侯爵は、その信じられないほど美しい妹を見るや助けを申し出た。思い浮かんだ妙案にほくそえみながら。ヒストリカル・ロマンスの始祖が描く、魅惑のリージェンシー!
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copyright 1965
Frederica

現代ロマンスの祖と言われるジョージェット ヘイヤー1965年の晩年に近い作品。
wiki/ジョージェット・ヘイヤー
退屈で憂う37歳独身。”優雅”で洗練”された男前なのに、皮肉屋”で”いやみ”な自己中心的な彼が、フレデリカの頼みを利用しようと考えた結果、彼女の兄弟妹の騒動に巻き込まれ、意外にも退屈から抜け出し彼女に惹かれていく様が描かれるコミカルなお話。
原題は”フレデリカ”ですが、物語は男性視点を中心とした構成で、アルヴァストーク侯爵の初恋の物語と言ったほうがいいくらい。メルヴィル一家には優しくて男気あふれる侯爵にメロメロになってくれたまえ。
ラストにヒロインが自分の気持ちに驚くまでがかなり遠く、二人の関係は淡い。邦題の”フレデリカの初恋”からイメージするような、乙女のトキメキを期待するとちょっと違うのでご注意。

あらすじ
「自分を騙しているよ、姉さん。好きなのは僕の財布だろう?」

やかまし屋の姉ルイーズが娘の社交デビューのために、アルヴァストーク邸で舞踏会を催して欲しいと言い出した。
”ノー”という答えに対し、ルイーズはすすり上げながら弟の冷たさをなじった。
だが、アルヴァストークは屋敷に帰るなり、生真面目な秘書トレバーが受け取った”ミス・メルヴィル”からの手紙と「あれほど美しい女性」という言葉に興味がわいた。
しかも、いとこにあたるドーントリー夫人も、長女クロエをアルヴァストーク邸でデビューさせたいと、ずるさと甘さが絶妙にまじった声で提案する。
三人目の客は、長姉のオーガスタだった。彼女は弟に頼み事をしに来たのはでなく、ルイーズのしつこさに負けるなと言いに来たのだ。

「姉さんにそこまで言われると、かえってしたくなるよ」
■□■
自分以外の誰かを喜ばせるべきだとめったに感じないアルヴァストークが、ミス・メルヴィルの頼みに応えるこ可能性はあまりなさそうだ。
だが、そんなチャールズ・トレバーの予想に反して、好奇心からか、それともある日たまたまその通りの近くにいることに気づいたからか、アルヴァストークはミス・メリヴィルを訪ねることにした。
見知らぬ男の無遠慮な視線にも、少しも動じる様子のないミス・メルヴィルは、亡き父が一番立派な親戚だと言っていたとを頼りに来たという。
独身で奥様がいないことを、「腹立たしいこと!」と言ったうえで、謝罪し、ミス・メルヴィルは話を始めた。だが、祖母の婚姻から派生したほとんど親戚とも言えない遠いものだ。

「なるほど。あなたはわたしたちを認めたくないのね。だったら、状況を説明を説明する必要もないわね。わざわざおいでいただいて申し訳なかったわ」

この訪問をできるだけ手短にすませるつもりでいたアルヴァストークは、そう言われると長引かせたくなった。気持ちが和らいだのは、ミス・メルヴィルが愉快な人柄だったからか、自分の拒否が全く抵抗なく受け入れられたことが珍しかったからか、自分でもよくわからない。
アルヴァストークは突然笑い出し、こう言って彼女を驚かせた。

「そんなふうにぼくを鼻先から見下ろすのはやめたほうがいいぞ。きみには似合わない!」


冒頭の経緯。ミス・メルヴィル(フレデリカ)の美しすぎる妹カリスの社交デビューに力を貸すことにした侯爵だが、内心は姉へのあてつけでもあった。
フレデリカの頼みから、言い寄る男への牽制のために数度連れ出したものの、カリスは美人だが侯爵にとっては退屈な娘。しかし、一家の後見となったことで、機械関連に探究心の強い末弟フェリックスの人懐こい態度や、勉強好きで馬に興味がある次男ジェサミーの頼みを思わぬうちに引受け、退屈以上の気持ちに気づき始める。

フレデリカへのちょっとしたアクションで、彼女がかなり引いてしまったことで、かなり慎重になる侯爵なのです。
慎重すぎて、おまいらはどうなるのだ?とラスト数ページまでモヤモヤしていただけに、もののついでのようにまとまってちょっと悔しいと思わなくもない。
弟達の冒険や、美しすぎる妹の恋の行方などの数々の騒動での、機知に富んだやりとりを楽しんでくださいませ。
思った以上に邦訳が現代的なので、古さや堅苦しさを感じないが、私の好みとしては、もう少し時代がかった言い回しのほうが、昨今のヒストリカルとの区別があっていいかなぁとは思う。
でも、楽しかった。満足。

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