本読み隊
本の感想・紹介です 。主にコバルト文庫・角川ビーインズ・ビーズログ文庫・一迅社アイリスなどの少女趣味ライトノベル、ハーレクインなどの海外ロマンスなど、3500冊。★スマホからご覧になる方は「海外ロマンス読了一覧」など一部の記事のスクロールが長くなるの場合、”PC”ボタンでPCに切り替えて見ることをオススメです★
淑女にささげるキスの作法 ローラ・リー・ガーク
2016年02月03日 (水) 11:25 | 編集

淑女にささげるキスの作法 (ラズベリーブックス)
2010/6/10
ローラ・リー・ガーク (著)

---楽天---




淑女に捧ささげるキスの作法 

ローラ・リー・ガーク

ヴィクトリア時代、ロンドン。出版社の秘書エマは、いつか作家になることを夢見ながら雇い主マーロウ子爵のため献身的に働いていた。放蕩子爵のスケジュール管理、妹や愛人へのプレゼント選びまで…。そして30歳の誕生日、何度原稿を渡しても出版に値しないと言っていたマーロウがひとかけらも読んでいなかったことをエマは知った。憤るが仕事をやめる決心はつかず、代わりにずっと我慢していた贅沢な扇を買おうと思い立つエマ。ところが、若く幸福そうな令嬢にその扇を買われてしまう。その時彼女は決意した。キスすらしたことがなく、品行方正、ただ待ち続けてきた生き方を変えようと-。エマは辞表を出し、作家として売込みを開始する。ところが困ったのはマーロウだった。いつしか会社は“地味で退屈で有能な"秘書なしでは回らなくなっていたのだ。背に腹は変えられず、エマのフラットを訪れたマーロウは、つまらない女だと思っていたエマが輝く赤い髪と情熱すら持っていることに気づく。とまどいながらも引きとめようとするマーロウだったが…。リタ賞ファイナリスト作品。
---------------------
copyright 2007
And then he kissed her

独身男性(バチェラー)を気取る男達(特に雇い主マーロウ子爵)に対して、秘書エマは独身女性(ガール・バチェラー)として、作法書を書き上げ出版したいと願っていた。
しかし、マーロウは彼女を当たり前の便利な存在と考え、彼女の願い虚しく一度も読んでもらえていない事実に愕然とし、彼のもとを離れる決意をするが…

ヴィクトリア時代、近代化が進む中で職業夫人も増えてきたにも関わらず、あいかわらず世間は女性に厳しく、男性とのふしだらな関係に対して世間は目を光らせている。
このシリーズは、そんな時代背景を舞台に、たくましく生き抜こうとする独身女性が恋を手に入れるまでを描くシリーズ。
そんな時代背景を彩る小物たちも(電話や、避妊具のゴムの登場など)色どりを添えており、楽しい所の一つだった。
地味で退屈な秘書から転身した彼女に眼の色を変えるマーロウは、困ったさん。

あらすじ
エマはマーロウの愛人の愚痴を聞き続けながら、マーロウが夜会に行く前に原稿を手渡すことを考えた。
不意に漠然とした不安がよぎった。さっきまで胸を満たしていた甘美な期待とは正反対の不満と苛立ちが頭をもたげた。
過去に四つの作品の出版を断られていればそう感じても当然だろう。
マーロウはハンサムだ。機知に富み、あどけいない少年のような笑顔の持ち主でもある。あの笑顔を思い浮かべても、もはや胸が高鳴ることはないが、だからといって何も感じないわけではない。マーロウ卿は骨の髄までろくでなしで、もっとも恥ずべき類の関係しか女性と結ばない。秘書としての自分は、上司の自堕落な私生活などなんの関係もなく、高潔な女性としての自分は、彼に恋愛めいた感情を抱くことをとっくの昔にやめている…


冒頭の経緯。エマは三十歳の誕生日、マーロウがこれまで書き上げた本を一冊も読んでくれていないことを知った。素敵な扇が欲しくなったが、悩んでいるうちに他の女性に買われてしまった。
五年も文句ひとつ言わず、従順に彼に仕えてきただけに、衝撃は深く、エマはマーロウの元を離れる決意をし、ライバル出版社に本を売り込む。
コラムでならという話で、ガール・バチェラー向けの作法のコラムを書き始めると、世間の評価は予想以上に高く、みな謎の作者バートルビィ夫人を見習いはじめた…
一方、マーロウはエマがいないことで、仕事が回らず、彼女が辞めたことに納得がいかない。しかも、買収を計画していた出版社で、エマが予想以上の反響をよんでいることに苦虫を潰す…

中盤はマーロウとエマの確執から、和解。作法を守り、紳士から距離を置くエマの壁を切り崩すことに興味深々のマーロウの誘惑という展開です。
後半に入ってからは展開が早いです。彼女が決断をしたあとは、暑い夏と、黄昏れへの秋。約束の無い関係に虚しさと、いずれは行き着くであろう人々の嘲笑という先に、切なさがつきまといます。
生真面目で誠実で、でも本当は心の奥に熱いものを持っていて…、叔母の受け売りでしかなかった自分の壁をマーロウに切り崩されるヒロインの葛藤はとても良かった。
だが、ヒーローは好みじゃなかったナ。
もちろん、ラストは彼が改心してくれるのだが、口先だけの男のズルさを感じてしまって、ヒロインが折れたあとの展開は苦かった。
彼の言葉に心酔できるか否かで、感想は大きく変わると思う作品だが、良いロマだった。

----ガール・バチェラー シリーズ------
1淑女にささげるキスの作法 出版社秘書・エマ
2不埒な公爵のキスの作法 お針子・プルーデンス&リース
3侯爵に甘いキスの作法 パティシエ・マリア&フィリップ
4伯爵に真実のキスの作法 作家・デイジー&セバスチャン

海外ロマンス 読了一覧



ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村 ★参考になったらぽちっと★
関連記事
Powered by . / Copyright ©本読み隊All Rights Reserved→m117117/Template by sukechan.
スポンサードリンク