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この愛を諦め ペニー ジョーダン
2016年03月29日 (火) 22:44 | 編集

この愛を諦め (MIRA文庫)
2015/11/11
ペニー ジョーダン (著),

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この愛を諦め

ペニー ジョーダン

美しい少女エリーは小さな町で生まれ育ち、やがて町の青年ギデオンと恋に落ちた。だが幸せな日々は、母の突然の死で一変する。名家出身の母は駆け落ち同然に結婚したことを悔やみ、娘には自分と同じ道をたどらせるまいとしていた。そこで死に際、しがない青年と恋に落ちた娘に約束させたのだ―二度とギデオンには会うなと。愛する母の遺言にそむくこともできず、エリーは事情を告げられぬまま、涙ながらに彼に別れを告げた。そして家族とも引き離され、裕福な伯母のもとへあずけられる。待ち受けていたのは壮絶な日々だった。
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copyright 2003
Ellie Pride

ペニー・ジョーダンのアニー・グローブス(Annie groves)名義での近代ヒストリカルロマンスです。
作風は長編のペニー作品に見られるように暗く陰鬱。
時代背景は、1902年。歴然とした階級意識と貧しい人々の格差を背景に、新しい世紀での希望と絶望に満ちた激動の時代。女性参政権運動やストライキの余波に苦しむ時代で、身勝手な大人に翻弄されながらも、幼い恋を捨てたエリーが自分の足で立ち上がるまでを描く、渾身の一作。
冒頭の執筆中に亡くなった夫へ捧げる献辞が与える読者への影響は大きい。
読めば読むほど、薄幸になるヒロインに幸せが訪れるまで鬱々としながらもページをめくる手が止まらない。
緻密で丁寧ではるが、根本的なストーリー構成は他のペニーのハーレ作品でもよく見られる離別と再開のロマンス。だが、ハーレクインらしいエンターテイメント性を求めると大きく方向性が違うのでご注意。
(差別と暴力描写あり)

あらすじ
若者がだしぬけに止まり、エリーのいる窓を見上げた。
彼の目は珍しい色だった。
 シ ル バ ー・グ レ ー
銀色がかった明るい灰色だ。
それに、彼にはどこか……。エリーはふいに小さく体を震わせ、急いで目をそらした。あんなにあからさまに、大胆な目でわたしを見るなんて無作法だ。いったいどういうつもり?


p18抜粋。エリーは肉屋のロバートの長女として生まれ、妹コリーと弟ジャックの面倒をみながら幸せに暮らしていた。母リディはロバートと駆け落ちして愛のために結婚したものの、親族の裕福で社会的地位に恵まれた境遇を羨み、娘達の行く末を思うと苦い後悔が入り交じる。
そんな母が妊娠し、出産で亡くなった。エリーは家具職人として駆け出しのギデオンと知り合い、愛を温め始めたばかりであっただけに、母が出産で亡くなる覚悟を決めており、周到に親族に手回ししてギデオンとの仲を裂こうと考えていたことなど知るよしもなく、エリーは母の壮絶な遺言に縛られ、罪悪感とともにギデオンに別れを告げることに。
エリーに裏切られた苦い思いに苦しむギデオンは、彼を探すメアリという女性から仕事をまわされ、エリーを見返すために未来を模索しはじめる。
一方で、母の死で一家離散することになったエリーは、叔母の夫に好色な目で見られ、恐れているにもかかわらず、実の妹コニーは厳格な牧師の叔母夫妻の仕打ちに苦しみ、姉の境遇を羨み…

登場人物の妬み嫉みにさらされながらも、健気に生きるエリーは、諦めの中で最善をつくそうとするものの、どれも裏目に出て落ちぶれていくのです。
作品に出てくる男性は、女性に対して偏見が多く、差別的。そんな中で、善意であり薄幸だったエリーの夫ヘンリーも、ただ自信のないだけの男かと思いきや、罪作りな人で、なんと言っていいのやら…(´・ω・`)
ヒーロー・ギデオンの残念度は半端ないので注意しておく。自力で夢を叶えるチャンスが巡ってきたのに、そんなふうにエリーと立場を逆転させるなんて、ペニー神はかなり意地悪。
そして、ロマンスも、ヒーローの後悔や葛藤に関するページが少ないだけに物足りなく感じる部分もあり。
誰との絡みかは伏せておきますが、日本人女性が登場します。薄幸でエリーの重荷にしかならなかったけれど、作者の日本好きがちょっぴり嬉しくこそばゆかった。
読後もしばらく鬱々と引きずって、感想が長くなってしまったが、総合すると社会派の良作でした。

ペニー・ジョーダン 読了一覧

ロマンス 読了一覧



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