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君が香り、君が聴こえる 小田菜摘
2016年07月17日 (日) 15:38 | 編集

君が香り、君が聴こえる (集英社オレンジ文庫)
2016/5/20
小田 菜摘 (著)

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君が香り、君が聴こえる

小田 菜摘

事故で両目の視力を失った蒼。角膜移植さえすれば、見えるようになる―そう思うと、むしろ何事もやる気になれない。二年が経ち、高校もやめ、漠然とした不安のなかにいる蒼に声をかけてきたのは、友希という女子大生だった。ふたりは惹かれあい、恋人になる。直後、蒼は移植手術を受けることに。だがそれは友希との別れを意味していた…。せつなく香る、恋の物語。
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視力を失ったことで高校を中退した蒼は、角膜移植さえすれば見えるようになるとはいえ、何もできない自分への苛立ちを抱えている。
ある日、指導員にしては不躾な態度の女性に声をかけられ…

ヒロイン視点なし。視力を失った蒼の視点で物語は描かれる。なぜ、ヒロインは彼に声をかけたのか…。
視力を失った恋人たちはテーマとしては王道だけど、作者らしい細部へのこだわりに、心の動きも加わって、とてもよかった。
1話読み切り。さくっと楽しめる甘く切ない恋愛ロマンスをお求めの方にオススメ。

小田菜摘様の作品といえば、ガチガチの政治ものノベルというイメージがコバルトでは定着しているが、こんな甘い雰囲気の話が書けるのかと、かなり驚いた。とても驚いた!

あらすじ
視覚障害者支援施設でパソコンの訓練をしていた蒼は、不意に右手首をつかまれてぎくりとする。視覚のない状態では、無言で接触されることは本当に驚かされるのだ。なにしろ暗がりの中、とつぜん腕をつかまれるようなものなのだから。

「これでしょ?」

ところが、恐縮するどころか、得意げにさえ聞こえる声に、蒼は返事もできずにあ然としてしまう。
声の主は”通りすがりの研修生”東堂友希という女子大生だった。
点訳の作業をこなしたと得意げに話していたが、蒼が部屋の名札の点字に気づかず、点字が読めないと言ったことで、黙りこんだ友希から失望をひしひしと感じていた。
おおかたボランティア精神と現実のギャップに、消沈しているのだろう。

「ありがとう、ちょっと立ち直った」

ようやく聞けた友希の声に、蒼は見えない目をかすかに見開いた。彼女の声音は明るかったが、言い回しはやけにぎこちなかった。感情の高ぶりを表現するのに起きな声を出すことしかできない、下手くそな女優のようだった。


冒頭の経緯。蒼は高校2年の時に、地震で飛び散ったガラスの破片で失明した。オルガン奏者である母のようにオルガンを得意とした蒼だが、その時から弾いていない。当時一緒にいたのは、当時付き合っていた晴香だが、今も唯一付き合いのある友人・貴志を通じて、責任を感じていると伝えられた。怒りより呆れるが、そのことで、昼間気まずさをまったく恐れず黙って逃げ出さない友希が気になり…。

前半は、友希との出会いで、停滞していた時間が動き出す彼の喜び。後半は、視力を回復したことで、彼女がなぜ研修生だと言ったのかの謎が明かされ、立場が逆転する。
見ることのなかった彼女を再び見つけることはできるのか?

少女ノベル寄りの甘さがあるが、大人になる過程を感じさせる、良いロマだった。
小田 菜摘で初めて見たのだが、ホットなシーンも頑張ってた
(注:お嬢様比)

小田 菜摘 読了一覧

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