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哀しみの湖 ヴァイオレット ウィンズピア
2016年09月15日 (木) 17:18 | 編集

悲しみの湖
哀しみの湖 (ハーレクイン・セレクト)
2016/8/10
初版 R64 1980/11/20
ヴァイオレット ウィンズピア (著), 柏木 郁子 (翻訳)

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哀しみの湖 

ヴァイオレット ウィンズピア

エルヴィはイタリアン・アルプスのふもとにある山のホテルで看護師として働いていた。若いイギリス娘にはかっこうの働き場所だ。ロダーリ・フォルトゥナートはスキー客として彼女の前に現れた。冬じゅうスキーに明け暮れて黒々と日焼けしたたくましいロダーリはエルヴィにスキーを教えてくれた。明日ローマに帰るとという美しい月夜に彼はエルヴィに求婚した。彼は貴族でしかも作家としてその作品が映画化されているという有名人であるためエルヴィはためらったが……。(R64)
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copyright 1980(Tokyo)
Bride fo Lucifer

ハーレクイン黎明期の作品。
美しい情景描写とメランコリックな雰囲気がとてもロマンチックな物語です。
別世界で生きる彼がなぜ自分を選んだのか?
自信がもてず疑心にかられながらも次第に彼の人柄を理解していく様が、繊細に描かれます。
男性視点なし。未知の世界と彼におののく乙女心を堪能してください。作者の作品の中では、強引なダーリンです。

あらすじ
それは、是が非でも自分のものにするという決意をこめた言葉だった。エルヴィは、ロダーリに抱かれながら、強くなった。
冷たい花びらのように、雪が舞い落ちてくる。ノウと言おうとしたが、雪が唇を麻痺させた。エルヴィはロダーリの頬骨の下のくぼみを見た。彼の心が傷を受けているのを知った。愛を失って、愛に飢え、二度と深い傷を受けないように、慰めとなる女を求めているのだろう。
ロダーリをひとりで帰したら、あとで自分はきっと傷ついて苦しむだろう。そう思うと前の女ほど愛されてはいないと知りつつも、エルヴィは断れなかった。

「あなたの屋敷には塔があるの?」

「塔が好きなのかい?」

「ロマンチックですもの」


冒頭の経緯。スキー場で知り合い、彼に乞われるままエルヴィは結婚し、彼の所有の島でハネムーンとして滞在することに。しかし、非業の死をとげた亡き母の幽霊が湖に現れると島の人が恐れていることや、ロダーリの”椿姫”のような美しい元恋人との破局を聞かされて、エルヴィは落ち込む。
さらに、島の娘が出産をしたものの自暴自棄になり、その娘を説得する彼の姿や、赤ん坊からエルヴィはますます疑心にかられ…。

後半は島を去り、彼がローマで映画の仕事を始めたことで放置されて余計に鬱なヒロインです。
気晴らしに男性の誘いにのって危うい目にあったりする困った娘ですが、ロダーリとは違う厭世的な映画監督ランチアーニとの比較で、彼を別な角度から見始めるのです。
気遣いを見せる彼に対して、いくらなんでも想像力豊かすぎで失礼だと突っ込みたくなるが、ラストにいろいろと氷解します。
ロダーリは素敵な人でした。

※メランコリックとは、80年代に流行った言葉で”憂鬱”。鬱陶しいほどぐるぐる思い悩んで悲しくなってしまう鬱っぽい雰囲気のヒロイズムを一言にまとめてみた。
”こいつ、ウザっ”と言って片付けてはいけない。
見えない男性の心理を模索し切なく思い悩む乙女心が良いのだ。ネガティブで後ろ向きすぎるイギリス乙女。それがハーレ黎明期に多い傾向なのである。

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