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異人館画廊 当世風婚活のすすめ 谷瑞恵
2016年11月12日 (土) 23:16 | 編集

異人館画廊 当世風婚活のすすめ (集英社オレンジ文庫)
2016/9/16
谷 瑞恵 (著), 詩縞 つぐこ (イラスト)

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異人館画廊
当世風婚活のすすめ

谷 瑞恵

成瀬家は、代々“禁断の絵”を守ってきた旧家だ。その絵が盗まれた。当主の美津に絵をさがしてほしいと頼まれた千景と透磨だが、件の絵は異人館画廊に置き去りにされていた。同時期、失踪中の次期当主候補・雪江が遺体で見つかるが、容疑者に浮上した男が千景の誘拐事件の関係者だと判明し!?深まる謎の中、記憶の封印が次第に解けてゆく。緊迫の美術ミステリー!!
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千景を守りたいがゆえに、記憶を取り戻すきっかけを与えたくない透磨だが、一方で彼女の中で嫌われ者であることにジレンマも感じている。
彼女が記憶を取り戻さなければ、透磨への彼女の気持ちが本物になることはないとも感じているのだ。
そして物語は、今回千景の過去にダイレクトに関係してきております。面白かった。
今回は、割とポピュラーな寓意のイメージやモチーフの説明が多く、絵画そのものは「当世風結婚」くらいなので、絵画ファンとしてはちょっと物足りない部分もあるが、中世の錬金術と18世紀の背徳への関心が、今の世の中と禁断の図象術とうまく重なって面白い物語となっていた。
ついに名前だけだったあの人も登場!!

あらすじ
「何、透磨、あの人たち」
人込みの中から、喪服を着た集団が現れた。その中に白いベールを被った半裸の男女。手にはシンクの薔薇の花。 
あきらかに公序良俗に違反している男女を、千景は注視している。
喪服の集団と顔のない男女、夜空を巻い、歩道に落ちた花びらは裸足の足に踏みしだかれる。
透磨は、千景がその絵の中心に存在しているかのように感じ、不意にあせりをおぼえた。思わず肩に手を触れると、千景は不思議そうに振り返る。

「はだかの男がそんなにめずらしいですが?」

「そ、そんなの見てたわけじゃないわ!」


冒頭の経緯。透磨と千景は、成瀬家という宗教家の旧家を訪ねた。当主の美津から、隠れキリシタンの遺産である”見てはいけない絵”の鑑定依頼のつもりだったが、箱が盗まれ絵が消えたので探してほしいというものだ。
そして、異人館画廊に「当世風結婚」の版画の忘れ物。殺人事件で京一が調べていた人物が、異人館画廊に来ていた客で、名前が成瀬雪江といい…

事件を追ううちに、街で見かけた怪しげな集団と関連がありそうな、結婚紹介所との関わりが明らかに。しかも、千景の誘拐事件の関係者だと判明し!? そして絵の行方と、千景の記憶は…?

記憶が戻ったのは、母との大きな溝となる事件でありながら、ほんの一部。透磨の支えによって、過去と向き合い、思い出す勇気と覚悟を決めたということなのです。
というわけで、この巻で透磨との信頼関係も出来上がりつつあり嬉しいのだが、父の存在もきになるだけに、今度の展開が気になる。

サトゥルヌスというと、どうにもゴヤの我が子を食らうサトゥルヌスのイメージが強いのだが、本来は時を司るクロノス(時の翁)(wiki/サートゥルヌス)なのだね。そのあたりピンとこなかったのだ。勉強になった。

参考になりそうなサイトをピックアップ
●フェルメール探訪→ロンドン・ナショナル・ギャラリー見どころその30:ホガース「当世風結婚」
wiki/アーニョロ・ブロンズィーノ
アニョロ・ブロンツィーノ潔白の証明
愛の勝利の寓意
wiki/サートゥルヌス
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