本読み隊
本の感想・紹介です 。主にコバルト文庫・角川ビーインズ・ビーズログ文庫・一迅社アイリスなどの少女趣味ライトノベル、ハーレクインなどの海外ロマンスなど、3500冊。★スマホからご覧になる方は「海外ロマンス読了一覧」など一部の記事のスクロールが長くなるの場合、”PC”ボタンでPCに切り替えて見ることをオススメです★
令嬢鑑定士と画廊の悪魔 糸森環
2016年11月27日 (日) 18:38 | 編集

令嬢鑑定士と画廊の悪魔 (角川ビーンズ文庫)
2016/10/1
糸森 環 (著), 宵マチ (イラスト)

---楽天---




令嬢鑑定士と画廊の悪魔

糸森 環

「契約する。私に飼われなさい」「愛するようにお仕えしよう、お嬢様」絵画好きな伯爵令嬢リズは、叔父の雇った画廊臨時管理人ジョンに「あんたをくれ」と告げられる。しかし、それは愛や恋でなく、リズが持つ絵画に潜む悪魔を見抜く『至聖の目』が欲しいから。実は悪魔のジョンに、契約を迫られたリズが出した答えは―自分が悪魔を飼うことだった!?型破り令嬢と毒舌悪魔の絵画を巡るラブファンタジー!
—————————

絵画に無意識に込められた神への冒涜”歪画”(ひずみが)には悪魔が住み着く。
リズは、”歪画”を見抜く『至聖の目』の持ち主であり、悪魔ジョンに目をつけられたリズは…。

図象がテーマのファンタジーです。
幻想的な風景を描くのがすごぶる上手い作者。
文字だけで、悪魔の棲む歪んだ絵画の、美しくも禍々しい様を表現してくれます。
かなり落ち着いた雰囲気の作品。ヒロインが”内気を装った怠け者”でひねくれた部分のある人物なので、悪魔ジョンとの”愛するように仕える”という契約から、ちょっぴりときめきそうになるあたりが可愛いです。
ただ、初期の頃の作者の作品に感じられた躍動感や、えぐるような内面の描写は少なく(一巻目だし今後に期待)、説明的な部分が多いためテーマ的にも人を選びそうな作品かも。
私は気に入った。
続刊待ちでジリジリしなくてすむぶん、絵画ごとに話が一区切りするのは嬉しいかな。
ジョンが探している悪魔が見つかるまできっちり描ききってくれることを祈!

あらすじ
青から、暁。黎明の色を瞳に閉じ込めた旅人の絵は、リズ・ミルトンの宝物だった。
滞在費がわりに贈ってくれた絵画。
彼はその絵に『しろがねの娘』という題名をつけた。
リズがモデルだ。
しかし画布に描かれていたのは娘ではなかった。
そもそも人間ですらない。
魚だ。
一匹の魚が白銀の尾びれを揺らめかせ、月星夜を優雅に泳いでいる。
リズとの類似点を無理やりあげるなら、色彩だろうか。リズの髪も、星の光を束ねたような白銀だったので。
誰かに呼ばれて振り向いているかのような構図だ  

「なにもおかしくはないさ。君は魚の素質を持っている。そのせいで、不可思議な存在が見える」
「君は隠れ家に潜む悪魔を見抜く、魚座の子なんだよ」


冒頭の経緯。人には見えないものが見える言動を虚言癖とされ、祖母の家に預けられて育ったリズは、17歳になり都の屋敷に呼び戻され、思いがけない事態に直面していた。母親のヴィルマが選んだ婚約者候補は納得できないほどいい男なのだ。現実逃避など無理だとわかってはいるが束の間の気晴らしに、叔父のハインに連れられ、彼の経営する画廊に足を運んだ。
だがそこにあるのは、”混沌の坩堝”(るつぼ)黒っぽいモヤに包まれた禍々しい物件と、不安が胸に広がる絵画  
そして、最近働くようになったという鑑定士のジョン。
「俺よりも絵画を眺めてはいかがか」「身売りはしていない。金を積んでも俺は買えませんのでね」

訳ありどころか、悪魔だというジョン。彼に目をつけられたリズは命の危機!?…二人の契約の駆け引きが一番の見どころなので、そのあたりはヒミツ。
家族との距離を感じているリズは内面に孤独を抱えた少女なのだが、口うるさい母や姉のツンデレと関わり、しだいに彼らを理解するあたりは嬉しい展開だった。
悪魔ジョンは、甘いです。糸森作品のヒーローの言葉はいつも甘くて背中が痒いのだが、それが悪魔の言葉なのでうっかりときめいてはいけないあたりが、ポイントなのであります。
悪魔ジョンの探す悪魔や、プロローグの旅人さんなど、謎が多いのでそのあたりが今後楽しみ。
もちろん、絵画の図象の美しい比喩も謎解きも!!


糸森 環 読了一覧

角川ビーインズ文庫 読了一覧



ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村 ★参考になったらぽちっと★
関連記事
Powered by . / Copyright ©本読み隊All Rights Reserved→m117117/Template by sukechan.
スポンサードリンク