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灰かぶりの令嬢 カーラ・ケリー
2017年03月04日 (土) 20:33 | 編集
灰かぶりの令嬢 (MIRA文庫)2016/12/15
カーラ ケリー (著), Carla Kelly (原著), 佐野 晶 (翻訳)

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灰かぶりの令嬢 

カーラ・ケリー

英国の小さな港町の片隅で、エレノアはひもじさに耐えていた。子爵の非嫡出子であるばかりに世間から見放され、宿屋を営む祖母と暮らしているが、この半年はひとりの客さえ来ない。ついには長い髪を切り売り払ったとき、港に停泊した船の艦長オリヴァーが宿泊に訪れる。到着するなり体調を崩したオリヴァーをエレノアは懸命に看病した。オリヴァーは厳めしいが、彼女たちの窮状を察すると温かい食事を与え、心地よく暮らせるように取り計らってくれる。エレノアは淡い思いを募らせるが、人並みの幸せなど望めるはずもなくて……。
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copyright 2009
Marrying The Captain

カーラ・ケリーのユーモアのある写実的で繊細な描写が好きです。時代考証もきちんとしており、影響をうけながらも懸命に生き、その中で育まれる愛情あふれる二人の温かな雰囲気も気に入っております。
時代は1808年。ナポレオンとの戦争での大陸封鎖で経済的に苦しい港町プリマス。
ヒロインは、もちろん薄幸。街の人々の慈悲にすがって生きるしかない貧しい宿屋の娘です。愛人の子として生まれ、早くに母親を亡くし、祖母から引き離されて教育されたにもかかわらず、逃げ出して街に戻ってきたヒロインのナナ(エレノア)が、母と同じように船乗りの男と恋に落ちます。
病気の男性を看病して縁が生まれるのは昔からよくある話ではあるのだが、ゆっくりと惹かれ始める二人や、二人を見守る人々の温かな雰囲気がとても良いロマです。
戦争で親友を亡くし涙するヒーローに泣けた。
華やかさを求めると、かなり地味に感じるかもしれない。
いいの。好きなの。

あらすじ 
女学校を放り出され、プリマスに戻って5年になる。でも、ナナ・まっちーは町の人々のお情けにすがることにまだ深い屈辱を感じた。
マッシー一家は、見え透いた茶番で自分たちをごまかしているんだわ。
祖母ナンシーに手を振り、キスを投げる。しかもこのばかげた茶番は、彼女のため、彼女の空腹をなだめるためなのだ。
港に近い大きな宿泊施設の主人たちは、たとえ自分たちに空室があっても黙ってチラシを受け取り、ナナに食事をあたえてくれる、そして祖母や使用人のためにも食事を持たせてくれる。
少なくとも、わたしのほうからはなにもねだらなかったわ。マルベリー亭へ戻りながら、ナナは自分を慰めた。

船に損傷を受け、修理のためにプリマス港に入ったオリヴァー・ワージー艦長は、耳の痛みを感じていた。海軍省で胡散臭いラドクリフ卿に報告を済ませると、情報源をしつこく聞き出そうとしてきた。だが、失敗すると苛立たしいことに、妙な頼みをしてきた。
プリマスに戻ったら、マルベリー亭に泊まって、非嫡出子の娘がどんな状況で暮らしているのか様子を見て欲しいいというのだ。
机の上からエレノア・マッシーが彼に向かって笑いかけてきた。あれを描いた画家はどうやってあんな小さいスペースにエレノアの持つ若さと美しさを捉えることができたのか?
まるで地球の軸が海軍省の下で突然傾きを変えたかのように、オリヴァーは自分の気が変わるのを感じた。


冒頭の経緯。胡散臭い頼みだと警戒しながらも、病気から這う這うの体でマルベリー亭にたどり着いたオリヴァーは、そのまま寝込んでしまった。
回復し始めたオリヴァーは、ナナの困窮を知り、気前よい客となる。
突然の客の気前の良さに、一家は驚き、階級意識にとらわれずに一緒に食事をとる彼を温かく迎えながらも、ナナの気持ちを案じる。そんな折、フランスからきた絵描きが長期滞在しはじめ…

全体的にゆっくりと二人の愛がマルベリー亭の賑やかさの中で育っていく物語です。ラストに彼女の父親であるラドクリフとの一件がありますが、手に汗握るような展開ではなかった。
可愛らしい水夫にクスッと笑って、嗚咽を漏らすオリヴァーでボロボロ泣けたけれど、ストレスなく読める。
その辺り、素直すぎる文章を不思議に感じたのだが、最新作かとおもったら、2009年の作品だった。腑に落ちた。


https://ja.wikipedia.org/wiki/大陸封鎖令

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